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節話§一日一句~西暦ならすぐわかる~ [俳句]

季語は・・・大寒

大寒や ついぞ元号 忘れをり

【去年の今日】珈話§1杯のコーヒーから
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転話§款冬華~七十二候~大寒 [七十二候]

大寒の初候“款冬華(ふきのはなさく)”である。

いよいよ寒さの底である。そして日本海側はドカ雪に見舞われてしまった。ここ何年か、雪の少ない年が続いて、スキー場は受難だったが、この冬は、スキー場はともかくとして、日常生活に大きな影響を及ぼしまくっている。

自然現象において“ほどよく”という言葉は存在せず、快晴続きで一滴の雨の降らない日々が続いたり、降り出したら堅固な堤防を決壊させるような洪水になってしまったり……だから、人間の側が対策を講じなくてはならないのだが、大雨であれドカ雪であれ、災害になるようなレベルの気象現象を防ぎきるまでには至っていない。

第一、東京あたりの人間にしてみれば、ほんの数センチの積雪に難儀して、すっ転んでけがをする人間の多いことよ。雪国の人間がなぜ転ばないのかをもっと学習しておくべきであろう。

《七十二候のトピックス一覧》
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悼話§安野光雅さん(画家) [追悼]

昨年のクリスマス・イヴの日、画家の安野光雅が亡くなった。彼の作品に出会ったのは1970年代の終わり頃だったと記憶している。会社に入って配属されたグラビア雑誌が、彼の作品を使った特集をしたのだ。

そこで、彼の原画に触れる機会があって、直接眼にした、その繊細な筆致と色遣いに感心したことをよく覚えている。

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そんな彼の画集の一つが『ロマンチック街道』で、久々に我が家にあったのを繙いてみたが、瑞々しさは変わってなどいない。享年九十四

合掌

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節話§一日一句~薄っすらと冠雪して~ [俳句]

季語は・・・冬の山

朝七時 遠く奥多摩 冬の山

【去年の今日】週話§日曜恬淡~町の中華屋~
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懐話§昭和三十年代~お年玉~ [年末年始]

[承前]

子どもにとって、新年にもらうお年玉はまさに大きな臨時収入なのだった。

小学生時代は、少なくても100円、多ければ500円程度のものだったが、それでも“塵積”だった。そんな額を増やすべく考えたのが、父親にくっついて年始回りの荷物持ちをすることだったが、これは効率がよく、親の手伝いをしていると見えるのが好印象を演出したのである。

それで、数軒も回れば1000円近くなってくれるのだ。何とも実入りがよろしく、子供のくせにせこいことを考えたものだ。

ところが、正月が終わりに近づいたところで上手が存在した。母親が「お年玉を貯金する」と徴収するのである。そして通帳を広げて「このとおり」と見せてくれる。

さっさと何かを買って使ってしまえばいいところを、それもそうだと貯めることに唯々諾々とするのだが、人がいいというか何というか……何か月かする間に、お年玉預金のことなどどこかにすっ飛んでしまい、何というか……貯金そのものが有耶無耶になってしまうという不思議なことが起こるのだ。
                               [続く]

《昭和のトピックス一覧》
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援話§黒衣~動くものに眼が~ [歌舞伎]

歌舞伎舞台を観ている時、いかんいかんと思いながらも、ついつい視線を向けてしまうのが黒衣や後見の人たちだったりする。

歌舞伎という伝統芸能の舞台は“いるはずのない人”が下支えの仕事を敢えて観客に見せてしまうのだ。

役者に小道具を渡したり、舞台衣装の引き抜きをしたり……特に小道具をやり取りしつつ舞台上を片付けるのは歌舞伎にとって大切なことなのである。

大がかりなところでは、舞台で死んだ役者まで、布で隠しながら舞台上からいなくすることまでやってしまう。

それが歌舞伎だとわかっていても、何かをやっている黒衣に眼が行ってしまうのは、集中力がないからか、それともこれはもうしかたがないことと考えるしかないのだろうか。

常に芯の役者を引き立てるのが歌舞伎という舞台芸術で、そのために様々な工夫をしているのだが、自分がかつて携わっていた仕事が、ある意味で下支えのような性質だったりしたがゆえかどうか、黒衣や後見を務める人たちの仕事ぶりが気になってしかたがない……というのは言い訳なのだけれども。

《歌舞伎のトピックス一覧》
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節話§一日一句~思い切り寝過ごして~ [俳句]

季語は・・・寝正月

カーテンを 透かし朝知る 寝正月

【去年の今日】週話§土曜恬淡~新年会~
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顧話§今日の歴史~バスは走る~ [歴史]

1924年1月18日、東京市で市営バス運行開始。

日本で路線バスが走り出したのは昭和に入ってからとばかり思っていたら、大正の終わりには東京の町を走り始めていたとは知らなかった。

東京都民となって半世紀近くになるが、都営バスを利用したことは少ない。比較的頻繁に利用したのでよく覚えているのは、渋谷駅からアークヒルズを通る都営バスで、サントリーホールに行くために乗ったのだが、1997年には銀座線の溜池山王駅ができたので、それ以来乗らなくなってしまったのだ。

そして、記憶をたどってみるのだが、サントリーホールに行くため以外には都営バスに乗ったことがない。要するに路線の状況が把握できず、山手線内であれば、地下鉄に乗れば事足りるので、わざわざ乗ろうとはしなかった。

たぶんおそらく、他の路線を利用したのは10回もなさそうである。

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連話§ワタシの酒肴[155]納豆への愛 [納豆]

[承前]

物心ついた時には、何の疑問もなく納豆を食べていた。当時は食料品店で買うのではなく、朝方に納豆売りが自転車でやって来るので、買いに行かされるのだ。

荷台に積まれた木箱から納豆を三角経木に入れ、辛子と青海苔を付けて10円とか20円、そんなものだった。たぶん買いに出るのは週に一回か二回。

“出来立て”だったからかわからないが、発酵臭を感じた記憶がなく、苦もなく食べていた。偏食だったにしては納豆が食べられたのは不思議な話だがまあそんなものである。

ごく普通に醤油と辛子でよく混ぜて食べる以外に、好きな食べ方は2種類ある……生卵を割り入れるのと、大根おろしを和えて食べるのだが、特に大根おろしは、大根の辛味がほどよく、加えるなら納豆特有の粘りとか臭みが緩和されるのだ。納豆が苦手でという人には、大根おろしで食べてみることをお勧めしたい。

蛇足ながら、おろし納豆は酒の肴としても絶妙であることを付け加えておくことにする。
                               [続く]

《酒肴のトピックス一覧》
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節話§一日一句~ひょいと肩にとまる~ [俳句]

季語は・・・日脚伸ぶ

ヤマガラは 人懐こくて 日脚伸ぶ

【去年の今日】独話§旅先はドイツ~酒・歌・女~
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週話§日曜粛々~阪神淡路大震災26年~ [地震]

1995年に発生した阪神淡路大震災が26年が過ぎた。しかし、記憶は少しずつ薄れていって、激しい地震と大きな被害、それにいくつかの地震直後の映像くらいなものとなってしまっている。

数えるまでもなく、小さな地震は週に一度くらいの頻度で発生して体感しているし、日本という国が地震の発生する地勢にあることもまた不幸な宿命であることは避けようがない。

そうして2011年3月には東日本大震災が発生。その後も熊本を震源とした大きな地震が発生して、地震が起きないことはないと思い知らせるのだ。

だが、しばしば“喉元過ぎれば……”とやらで、わかっていても忘れてしまうのが人間であることはわかっているのだが、為政者のような位置にある人間まで、忘れがちになって、やらずもがなの政治を行うようなことだけは、何としても押し留めなくてはならない。

《日本のトピックス一覧》
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節話§一日一句~肉は後回しだ~ [俳句]

季語は・・・牛鍋

牛鍋や 殊に豆腐で 一献す

【去年の今日】新話§正月松の内はいつまで?
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週話§土曜粛々~一月ど真ん中~ [日常]

月日の流れが劇的に早くなって数年……六十代に入ったあたりからである。コロナに弄ばれたこの一年は特に早くて、それが年明けになっても継続しているようだ。

何かやっているのなら、時間が過ぎるスピードはそこそこであるように思うのだが、何となく、何もせずに過ごしている時のほうが早いように感じる。

とっくに松も取れ、世間も日常は戻ってきたが、コロナ感染者の数は変わらず高い数値のまま推移していて“すぐそこにあるコロナ”というおそれが、いよいよ現実のものとなっているような気がしないでもない。

《日常のトピックス一覧》
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節話§一日一句~日脚やや伸びて~ [俳句]

季語は・・・冴ゆ

残照や 一番星の 冴えをるか

【去年の今日】睦話§一月既に半ば
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告話§ビッグイシュー399号発売中! [ビッグイシュー]

ビッグイシュー399号は1月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。伊藤詩織が表紙。

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表紙&スペシャルインタビュー 伊藤詩織

リレーインタビュー 中村航(小説家)

特集 『PFAS』永遠の汚染

焦げつかないフライパン、米粒がくっつかない炊飯器釜、撥水効果のある洋服や靴……。

便利なものですが、これらの多くには熱や水、油に強く、壊れにくいという化学的な性質をもつ「PFAS」(ピーファス)が使われています。

「PFAS」は5千種もある有機フッ素化合物で、自然界での分解に数千年もかかることから「永遠の化学物質(フォーエバー・ケミカル)」とも呼ばれます。1930年代に米国で開発が始まり、世界中で数えきれない製品に使われましたが、地球の土壌や空気、川や海を汚染し、微量でも人体に健康被害を及ぼす恐れがあります。

その危険性から欧米政府はすでに規制を始めていますが、日本ではまだほとんど知られていません。

「PFAS」汚染に詳しいジョン・ミッチェルさん(ジャーナリスト)、小泉昭夫さん(京都大学名誉教授)、そして健康被害を受けている沖縄や東京・多摩地区の住民の方に取材しました。「PFAS」汚染を知るための、最初の特集。

新春インタビュー 梨木香歩

[国際記事]
移民女性25人、祖国の思い出を綴ったレシピ本出版

『羊飼いと風船』ペマ・ツェテン監督

[連載記事]
浜矩子の新ストリート・エコノミクス 救世主が疫病神化する時

コミック 『マムアンちゃん』 ウィスット・ポンニミット

ホームレス人生相談×枝元なほみの悩みに効く料理
       お金はありませんが、親孝行したい☆しらすと卵のおかゆ☆

春を待ちながら、タンポポの秘密に迫る

池内了の市民科学メガネ 数を数える動物

販売者に会いにゆく イギリス『ビッグイシュー英国版』マケンジー

                              [その他]

《ビッグイシューのトピックス一覧》
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転話§雉始雊~七十二候~小寒 [七十二候]

小寒の末候“雉始雊(きじはじめてなく)”である。

酒が健康にいいか悪いか……食べ物と同じで過ぎたるは及ばざるがと思っているのだが。まあ、お休肝日も律義に守っているし、日々呑むときの酒量も
(のり)を越えず――七十而從心所欲不踰矩――の齢七十も近いのである。

それで、財布に優しい値段なのと“糖質ゼロ!”という売り文句に惹かれ、ここ何年かは、ビールの後に焼酎や泡盛を呑むようになった。

夏場は、もっぱら炭酸水で割って呑んでいるが、冬はやはりお湯割りがありがたい。炭酸水で呑むこともあるが、この時期はお湯割りなのだ。

カップにおおよそ一合ほどを入れ、電子レンジで温めたところに熱湯を落として割る。アルコール度数30度の泡盛なので、同量の湯で割ってやれば、日本酒換算二合ほどと、実にいい塩梅の量なのである。

でまあ、それで晩酌は打ち留めとなるのだが、酔ったと感じるほどでなく、呑めばまだ呑めるところを、深追いしないのが老人の知恵ということだ。

3月くらいまで、お湯割りと炭酸割りのどちらかを、適度に楽しむ酒の日々である。

《七十二候のトピックス一覧》
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節話§一日一句~寂れた街を往く~ [俳句]

季語は・・・寒念仏

寒念仏 街はシャッターだらけなり

【去年の今日】滓話§天かすを語れ!
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贄話§春の祭典~ストラヴィンスキー~ [ストラヴィンスキー]

ストラヴィンスキーが作曲したバレエ音楽『春の祭典』は衝撃的な音楽だと初めて聴いた時から強烈な印象をもたらして、今に至っている。

1913年、ディアギレフ率いる“バレエ・リュス”によって初演された時の騒ぎは伝説にすらなっていて、どんな状況だったか誰でも知りたいと思うはずだろう。

音楽以前に作品の存在を知ったのは、中学生くらいの頃だったか、百科事典でモーリス・ベジャール振付による春の祭典の舞台写真を見た時が初めてのことだった。その時以来、何となく気になる存在なのだった。

ようやく音楽を聴けたのは大学生になってからのことで、聴いた最初は……訳若布としか言いようがなかったが、なぜかはわからねど、どこか惹かれるものがあったのかどうか、聴き続けていくうちに、音楽に引きこまれるようになってしまったのだ。

とはいえ、変拍子満載の音楽をどう捉えようかと考えた揚句、しかたないとブージー&ホークスの――高い――輸入スコアを買って聴き始めたが、素人がどうこうできるような代物ではなく、表面を眺めるだけに終始したのは言うまでもない。

そうしてようやくモーリス・ベジャール振付の舞台を観たのは、1980年代になってのことだった。音楽だけでも十分に成立はするけれど、ベジャールの舞台の衝撃は、観て40年近くが経っても強烈な印象として残っている。

そうして、我が現代音楽の限界点は“ハルサイ”どまりでもあるのだ。

《クラシックのトピックス一覧》
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壽話§初春大歌舞伎~第二部~ [歌舞伎]

[承前]

デパート上のレストラン街で、高いがどうってことのない蕎麦を食べ、少しばかり買い物をしたら、ちょうど第二部の開場時刻となった。

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一本目は“坂田藤十郎を偲んで”と銘打たれた『夕霧名残の正月』が鴈次郎の伊左衛門、扇雀の夕霧。2005年、坂田藤十郎襲名披露興行で上演された作品を、昨年逝去した藤十郎を追善する舞台である。

残念ながら二人の息子……鴈次郎と扇雀は芯を務めるには魅力に乏しく、仇花のような一幕と感じてしまった。

休憩後は、お目当ての仮名手本忠臣蔵七段目『祇園一力茶屋の場』である。いつもの“由良さんこちら”の茶屋遊びや、赤垣源蔵以下赤穂浪士とのやり取りといった前半は省略。斧九太夫と鷺坂伴内のやり取りから、由良之助が釣灯籠で手紙に読み始める。

いつもの吉右衛門……とは思われず。いささか衰えたかなと感じた。全体に声が弱々しいまま安定せず、動きも重い。やはりというか膝が悪そうで、こんなところで合引を使うのかと思ってしまった。

言うまでもなく、今の大看板全員が七十代半ばに差し掛かり、とにもかくにも無理はできなくなっている。だから、そう感じてもまったくおかしくなどないが、ついつい全盛期の恰幅の大きさを思い出してしまうから、余計に今の衰えを見ると寂しい気持ちになってしまう。

そんな吉右衛門を、雀右衛門の遊女おかると梅玉の寺岡平右衛門が、折り目正しい芝居で支えていたが、やはり芯になる役者の衰えは如実に反映するものだと痛感した。

16時半終演、地下の駐車場から車を走らせて自宅に戻ったのは18時10分前。

《歌舞伎のトピックス一覧》
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節話§一日一句~人込みの中へ~ [俳句]

季語は・・・初場所

初場所や 大川端に 触れ太鼓

【去年の今日】日話§作文のお稽古~平易に平易に~
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懐話§昭和三十年代~街角の有線放送~ [昭和]

[承前]

実家のあった町には、主要な街角の電柱に有線放送のスピーカーが設置されていた。

有線放送といっても、居酒屋とかスナックで音楽を流す“あれ”ではなく、もっぱら商店の情報を宣伝していたのだ。

その他にも行政からのお知らせが流れてきたり……今であったら、住民からうるさいと苦情が出るような類だったと思われる。

ただし、いつもは右の耳から左の耳へと通り過ぎるような放送ばかりだった中に、スピーカーの周りに近隣住民がワラワラと集まってくることがあってそれは火災発生のお知らせの時だったのだ。

我が町で火事が起きると、まずは消防署からサイレンが鳴らされる。サイレンの回数によって、市の北部か南部かがわかり、サイレンを聞いたら、有線放送を聞きに行くのである。

ややあって、アナウンサーが「ただいまの火災は〇×町2丁目、凸凹医院の近くの模様です」とかいった放送が行われるのだ。

狭い町のゆえに、ひょっとしたら知り合いが出火元の近くにいやしないかという、そんな思いが大きな需要となって、田舎町の有線放送最大の存在理由であったのは間違いない。
                               [続く]

《昭和のトピックス一覧》
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壽話§初春大歌舞伎~第一部~ [歌舞伎]

三連休の最終日、密を避けて車で歌舞伎座を往復してきた。11時開演の開場時刻に合わせて10時過ぎには到着したが、中央道も首都高も渋滞はなし。

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第一部は『壽浅草柱建(ことほぎてはながたつどうはしらだて)』なる舞踊劇で、今年公演中止となった新春浅草歌舞伎に出演する予定だった花形役者が勢揃いして『寿曽我対面』を元にした正月らしい一本。化粧坂少将を務める莟玉(かんぎょく)が病気休演とは残念。

歌昇の工藤左衛門祐経が小柄ながら存在感を示していた。松也の五郎に隼人の十郎は力不足で、全体を見渡せば小ぢんまりとした舞台に終始した。。

15分という忙しない休憩の後には、猿翁十種の内『悪太郎』が猿之助の悪太郎、悪太郎を懲らしめる伯父安木松之丞を猿弥、太郎冠者を鷹之資、そして修行者智蓮坊を福之助というもの。

すっかり自家薬籠中となっている猿之助の悪太郎そのものの存在感が際立つが、やや抑制気味というか辛口の仕上がりと感じた。だから、笑おうと待ち構えていた客にすれば、肩透かしを喰わされたと感じたかもしれないが、今の猿之助の在り様がこういうことなのだと思うのだ。

二本立てとはいっても終演は12時半。第二部の開演は14時45分と2時間以上あり、この間を利用して昼食を食べに行くことにした。現状の歌舞伎座は、各部総入れ替えになっていて、劇場に居残って引き続き観ることができないのである。
                               [続く]

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節話§一日一句~午後の軽い散歩~ [俳句]

季語は・・・寒林

寒林や 木漏れ日に吐く 息真白

【去年の今日】週話§日曜恬淡~冷え込み強く~
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顧話§今日の歴史~仕切りに制限時間設定~ [相撲]

1928年1月12日大相撲実況ラジオ放送開始。

その昔……昭和三十年代の情報源はラジオだった。商店の中には、日がな一日ラジオをつけたままだったりすることも珍しくはなかった。

銭湯も同様で、プロ野球のナイター中継はもちろん、夕方の早い時間に行けば、番台に置かれたラジオで大相撲中継が流れていたのである。

1928年にラジオ中継が始まったことで、その11年後に取り組まれた双葉山が安藝ノ海によって70連勝を阻まれた一番も全国放送され、当時の人たちは、こぞって受信機にしがみついていたことだろう。

かくして、ラジオ中継が始まったことで、放送時間内に取組を終了させる必要が生じたがゆえに、仕切りに制限時間が設定されることとなった。それまでは無制限だったということで、さぞや延々と仕切りを繰り返していたことだろう。

こうしてスポーツの形態がメディアによって変容するという如実なケースだが、今もって野球ばかりは試合時間が不確定で、完全中継と断らない限り、試合途中でも、アナウンサーが「残念ですが、このへんで中継を終わらせていただきます」と無情に宣告するのである。

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頭話§社長なる存在 [私事]

元より、会社に入って仕事ができればそれでよく、偉くなってやろうとか、そういった欲とか野望の類は持ち合わせていなかったと断言できる。最後も管理職の下っ端で定年退職となって、まあ自分らしいと思ったのである。

だから、役員になろうとか、ましてや社長になろうなどとは、一度も考えたことなどなかった……何百人、何千人という社員を束ねて率いるなど、滅相もないと考えていた。

昨年、古巣の会社で行われた役員人事で社長に昇格した人間は、自分よりも年下……それはそれで何とも不思議な感慨に囚われたのだ。

そして、社長という存在はどのようなものだろうか、37年半宮仕えしたが、自分の会社の社長であっても、その間に会話らしきことをしたのは、数回もなかっただろう。社員数百人の会社であっても、まあそんなものである。

社長という存在の責任について考えてみれば、社業を滞りなく進めることで社員の雇用を保証し、社会的信用を高めるというのが第一の基本であろう。

などと考えていたら、昨年も押し詰まった頃に、一国の総理大臣たる存在が国会で百回を超える虚偽答弁をしたので訂正したいと申し出るという由々しきことがあって、その折“普通の会社で、社長が百回もの嘘をついたら、辞めるのが当然”と言われても、その意味を理解しようなどとは思わずに、得意ののらりくらりを繰り返した愚か者がいて、実に不愉快になったのだ。

《日常のトピックス一覧》
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節話§一日一句~機体も赤く染まって~ [俳句]

季語は・・・寒夕焼(ゆやけ)

飛行機は 西へ真っ直ぐ 寒夕焼

【去年の今日】週話§土曜恬淡~一月も第二週~
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説話§短語は語る~12月25日製造終了~ [健康]

赤チン

昨年末、世田谷区に本社を構える製薬会社が“赤チン”の製造を終了した。

↓三栄製薬のページより
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昭和四十年代くらいまでは、赤チン(マークロキュロム)とヨードチンキが傷
口消毒薬の主流で、家庭薬として必ずどちらかが常備されていたのである。

そんな、赤チン&ヨーチン全盛期も1971年に発売を始めた“マキロン”のよ
うな透明な消毒薬の登場で、次第に影が薄くなっていったのだ。

加えて“製造工程で水銀化合物を含む廃液が発生する”という理由で、1998
年のアメリカを皮切りに、徐々に製造を停止する国が増えていき、遅ればせ
ながら、ようやく日本でも製造終了の運びとなった。

時代が進むにつれて、様々な物が使い勝手よく、そして質が高くなっていく
のは世の常で、赤チンもまた淘汰されるリスト入りとなったのである。

それにしても、小学校の頃はしょっちゅう擦り傷を作っては保健室に駆け込
んで赤チンを塗ってもらったのだが、いつしか擦り傷にも縁がなくなってい
たことに気がつく。

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散話§理髪店~通い慣れた店~ [日常]

今の床屋さんは、もう四半世紀近く通い続けている。通い始めた頃は、まだ四十代はじめ、一か月ちょっとに一回くらいの間隔で切ってもらっていたのが、五十代になると二か月に一回となり、この2、3年は三か月に一回までペースが落ちた。

髪の毛の伸びが格段に遅くなったのだ。二か月もすると、耳にかかるようになって、ちょっと鬱陶しくなるが、頭頂部はほとんど伸びることなく、ズルズルと三か月が経ってしまう。

というわけで、前置きが長くなってしまったが理髪店の話である。四半世紀通っているというのは、66年の人生の中でも一番に長いお付き合いである。

たいした髪型でもないので、どこでもよさそうに思うかもしれないが、それはそれ。今の店では“カルテ”を作っていて、常連客の髪型や切り方を記録している。常連だからといって、客それぞれの切り方を覚えきれないのは、当然のことだろう。ゆえに、毎回“ほぼほぼ”な様子になってくれるのだ。

とはいえ、独りで奮闘している店主も我が身も歳を取った……はてさて、あと何年切ってもらえるものかと思いを馳せるのだが。

《日常のトピックス一覧》
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節話§一日一句~餅の在庫はたっぷり~ [俳句]

季語は・・・雑煮

「はい今日も!」 餅好きゆえの 雑煮かな

【去年の今日】懐話§昭和四十年代~富士山とスモッグ~
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転話§水泉動~七十二候~小寒 [七十二候]

小寒の次候“水泉動(しみずあたたかをふくむ)”である。

小寒とはいえ、候名は春を兆している。だが“あたたかをふくむ”などとは感じられず、水は手が切れるように冷たい。

おおよそ一か月ほど前から日没時刻は徐々に遅くなってくれて、17時頃でも明るさが残ってくれるのは、毎年のことながら何より一番に春を感じさせてくれるのだ。

このように春を感じるのとは裏腹に、ここから世間は真冬となって、厳しい2か月ほどが待ち構えている。

春は遠くないけれど、日常を過ごす頭の中に“春”という一文字を見つけることはできない2か月が続く。

《七十二候のトピックス一覧》
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