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散話§理髪店~通い慣れた店~ [日常]

今の床屋さんは、もう四半世紀近く通い続けている。通い始めた頃は、まだ四十代はじめ、一か月ちょっとに一回くらいの間隔で切ってもらっていたのが、五十代になると二か月に一回となり、この2、3年は三か月に一回までペースが落ちた。

髪の毛の伸びが格段に遅くなったのだ。二か月もすると、耳にかかるようになって、ちょっと鬱陶しくなるが、頭頂部はほとんど伸びることなく、ズルズルと三か月が経ってしまう。

というわけで、前置きが長くなってしまったが理髪店の話である。四半世紀通っているというのは、66年の人生の中でも一番に長いお付き合いである。

たいした髪型でもないので、どこでもよさそうに思うかもしれないが、それはそれ。今の店では“カルテ”を作っていて、常連客の髪型や切り方を記録している。常連だからといって、客それぞれの切り方を覚えきれないのは、当然のことだろう。ゆえに、毎回“ほぼほぼ”な様子になってくれるのだ。

とはいえ、独りで奮闘している店主も我が身も歳を取った……はてさて、あと何年切ってもらえるものかと思いを馳せるのだが。

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