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懐話§昭和三十年代~遊び場は原っぱ~ [昭和]

[承前]

小学生の頃、学校が終わって家に帰ると、宿題もそこそこにランドセルを放り出して家の近所の“原っぱ”と呼んでいる場所に集まっては遊んでいた。

原っぱとはいっても町中のことゆえ、猫の額ほどの土の地べたのスペースでどなたかの家の洗濯物が干してあるような場所である。

そんなところですることといえば、せいぜい三角ベースとか、石けり、あとは路地裏で展開される隠れんぼみたいなものだった。ゴムボールを使っての三角ベースは、時折そのボールが原っぱの塀を越えて、他人様のお宅の庭に入ってしまう。それを恐る恐る取りにいくのだが、ごくたまに入り込んだところを見つかっては、お目玉を喰らうなどという経験も珍しくはなかった。

もう一つの別の原っぱには、何やら材木が野ざらしで保管されている区画があったり、空き家になった家が放置されていたりして、勝手に隠れ家というか秘密基地認定をして遊んでいたのである。

そんな原っぱは、小学生のサイズにはちょうどよかったが、中学生くらいになると、身体も大きくなったし、小学生の時のような遊びなどをするようなはずもなく、原っぱは日常の中に埋没していったのだ。
                               [続く]

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タグ:昭和 日常 生活
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