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充話§トリスタンとイゾルデ~東京・春・音楽祭~ [オペラ]

前週水曜日に新国立劇場の後、今週水曜日は東京・春・音楽祭の『トリスタンとイゾルデ』(演奏会形式)を聴いてきた。

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指揮:マレク・ヤノフスキ
トリスタン:スチュアート・スケルトン
マルケ王:フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ
イゾルデ:ビルギッテ・クリステンセン
クルヴェナール:マルクス・アイヒェ
メロート:甲斐栄次郎
ブランゲーネ:ルクサンドラ・ドノーセ
牧童:大槻孝志
舵取り:高橋洋介
若い水夫の声:金山京介
管弦楽:NHK交響楽団(ゲストコンマス:ベンジャミン・ボウマン)
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン

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まずもって、ヤノフスキ指揮のNHK交響楽団の演奏に“すげぇ!”と感心したが、前週の大野和士&都響を凌駕する音楽だった。もちろんピットの中からとステージ上の違いはあるだろうが。それにしても圧倒的な音楽表現の違いに驚かされたのだ。

どちらもワーグナーの毒とか官能性といったところからは距離を置いたような印象を抱いたが、弦楽器の厚みが格段に違って聴こえた。3階席中央というロケーションもまた、自分たちにとっては好みのアコースティックだったようで、全体のバランスも良好……満足満足である。

歌手陣は、女声二人がやや弱めかと感じたが、男声は総じて満足。スケルトンのトリスタンに始まって、アイヒェのクルヴェナール、ゼーリヒのマルケ王、さらに日本人組は甲斐栄次郎のメロートに存在感を感じた。

ラグビー4試合(花園遠征あり)、歌舞伎座一回、そしてトリスタンとイゾルデ2回という怒濤の3月が間もなく終わる。

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逢話§トリスタンとイゾルデ~新国立劇場~ [オペラ]

ワーグナーの作品の中で、一番観た回数を重ねているのが『トリスタンとイゾルデ』で、この日で22回目を数えた。白状するが、観始めた最初の半分以上は、何を聴いているのか、まるでわかっていなかったようだった。

おぼろげに見えてきたと感じたのは、1997年バイロイト音楽祭。ハイナー・ミュラー演出、バレンボイムの指揮。トリスタンはジークフリート・イェルザレム、イゾルデがワルトラウト・マイヤーという伝説の舞台。

……という前史のおかげで、ようやくトリスタンとイゾルデが何とか手の内に入ってきた時には古稀を迎えていたという。

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指揮:大野和士
演出:デイヴィッド・マクヴィカー

トリスタン:ゾルターン・ニャリ
マルケ王:ヴィルヘルム・シュヴィングハマー
イゾルデ:リエネ・キンチャ
クルヴェナール:エギルス・シリンス
メロート:秋谷直之
ブランゲーネ:藤村実穂子
牧童:青地英幸
舵取り:駒田敏章
若い船乗りの声:村上公太

合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京都交響楽団



大野和士指揮の都響は、危なげなく安定したまじめな演奏。それゆえ『トリスタンとイゾルデ』の毒のある耽美的な陶酔感というところまでは行かず、サラサラとあっさりしたオーケストラ。そして歌手陣もまた、丁寧な歌唱を聴かせてくれた。

トリスタンもイゾルデも、当初発表された歌手がキャンセル。そうした中でゾルターン・ニャリのトリスタンが悲劇的な騎士を表現していたと感じる。リエネ・キンチャのイゾルデも悪くはなかったが、ニャリのトリスタンが印象深い。シュヴィングハマーのマルケ王、シリンスのクルヴェナールも文句ない歌声。

藤村実穂子のブランゲーネは、変わらぬ誠実な歌いぶりだったが、演技には生硬なものがあった。まあ……歌手の動き全般については、特にどうのこうのと云々するほどのことはなかったのだが。

それにしても、2010~11年シーズンに上演された舞台の再演とは。やはり、新演出された舞台を上演してほしいのだ。

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終演は19時20分で予定より5分ほど早かった。それほど速い演奏とは思えなかったけれど。劇場を出た後は、隣のオペラシティで夕食を済ませ、21時半前には帰宅。

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南話§台北で指環~北緯25度~ [オペラ]

昔々の2006年9月、台湾は台北の國家交響樂團創立20周年記念で演奏会形式『ニーベルングの指環』上演のうち『神々の黄昏』だけ行ってきた。たぶんおそらく、最も赤道に近いところで演奏された指環ではなかろうか。

ちなみに『ニーベルングの指環』は『尼貝龍指環』で『神々の黄昏』は『諸神黄昏』である。

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台北旅行の計画を立てつつ、チケットの予約に苦労した。確か予約ページは繁体字と英語の選択だったと記憶していて、試しに繁体字のページに入ってみたが、なかなかに手強く、現地のチケットセンターで引き取れた時には、ほっと一安心したのだ。

簡文彬が指揮するワーグナーは、手堅いものだった。バイロイトのピットと同じく、コントラバスが4本ずつ上手下手に分かれる配置だったが、効果的だったかどうかはわからず。

ジークフリート以下、主役を歌ったのは欧米の歌劇場でワーグナーを歌っている歌手で揃えられ、声楽的にも申し分のない上演だったが、欧米組が全員暗譜で歌っていたのに、グートルーネやノルン、ラインの少女を歌った現地歌手たちは譜面台から眼を離せないというのはいかがなものかではある。

とはいえ音楽的には充実したもので、ラインの黄金、ワルキューレ、ジークフリートも聴きたかったと思ったのだ。

3泊4日の初台北滞在だったが、茶館での台湾茶や現地の食事も楽しめて、肩の凝らない旅となってくれた。

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親話§マイスタージンガー~東京・春・音楽祭 [オペラ]

4月6日、東京・春・音楽祭『ニュルンベルクのマイスタージンガー』初日に行ってきた。10年前の4月7日も同じく『マイスタジンガー』を聴いているので、10年ぶりである。出演者は下のとおり。指揮は前回はセバスティアン・ヴァイグレ、今回はマレク・ヤノフスキである。

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合唱指揮のエベルハルト・フリードリヒは、ベルリン国立歌劇場の合唱監督から現在はハンブルク国立歌劇場の合唱監督でバイロイト音楽祭の合唱監督でもある。そして今年も、ウィーン国立歌劇場のコンサートマスターだったライナー・キュッヒルがゲスト・コンマスとして来てくれた。

さて前奏曲……これが鬼脚の速さ。個人的にはそこそこの“タメ”があってほしいと思いつつ第一幕へ。

いくぶんかテンポは落ち着いたが、相変わらず快調に音楽は進んでいって、速いところとタメがないのは終始変わらず。

歌手の中では10年前にもベックメッサーを歌ったアドリアン・エレートが圧倒的に出色。ほとんど暗譜で、演技しながら舞台上を自由に動き回り、一人飛び抜けていた。

それから、ポーグナーと夜警のアンドレアス・バウアー・カナバスのバスが深々として聴き惚れてしまった。ザックスのエギルス・シリンスは過不足なく歌っていたけれど、もう一つ貫禄のようなものがあってほしかったのと、ワルターのデイヴィッド・バット・フィリップは力不足か。

ライナー・キュッヒル率いる第一ヴァイオリンが時折“キュッヒル”憑依を起こすところがあり、またヴィオラとチェロがよく歌ってくれていた。

15時5分に前奏曲が始まり、30分2回の休憩を挟んで終演は20時15分。

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嗜話§クラシックの大好物~オペラ編~ [オペラ]

[承前]

モーツァルト:『フィガロの結婚』
ワーグナー:『神々の黄昏』
リヒャルト・シュトラウス『ばらの騎士』

3作品挙げたが、この中でも鉄板なのは『フィガロの結婚』である。最初に実演を観たオペラでもあり、今だに強い愛着を持っている。

歌われるアリアもいいけれど、モーツァルトの恐るべき才能に舌を巻いたのは2幕終わりの七重唱。初めて聴いた時から、その凄まじさに眼を回しそうになってしまった。このオペラはアリアよりも、重唱に聴くところ多いような気がするのだ。

ワーグナーからはとりあえず『ニーベルングの指環』最終夜にした。四部作の中で最長の上演時間の作品だが、その中でも第2幕があまりにも劇的で、聴きながら一番にアドレナリンの噴出量が多いと感じる。

そして第2幕で、ドラマの歯車がギシギシと音を立てて回っていくのだ。そしてハーゲンの奸計がオペラを破滅へと導いていく。

四部作の中で、初めて合唱が登場するのもまた第2幕である。

『ばらの騎士』は同居人が教えてくれたオペラで、溢れるばかりの情感がオペラ全体を支配していて、様々な思いに囚われてしまう。

個人的に感じるのは“女性のためのオペラ”というもので、若さと老いとが微妙に絡み合っていく……傾いていく午後の陽射しとでも言えるような、そんな物思いに沈んでいく作品なのだ。        
                               [続く]

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音話§オペラのチケットを売りさばく [オペラ]

日本では一度もそんなことはなかったが、海外旅行中に諸々の事情あって、オペラのチケットを売ったことが3回ほどあった。今回はその話を……。

最初は1992年10月のウィーン。日本から既に国立歌劇場『ラ・ボエーム』のチケットを予約済みだったが、楽友協会のチケット売り場を覗いたら、同じ日にアルフレート・ブレンデルのベートーヴェン・ピアノソナタ連続演奏会の第1回が行われることが判明。ギリギリで残っていたチケットをゲットしてオペラのチケットが余ってしまった。

しかたがないので、公演当日国立歌劇場のあたりでチケットをかざして誰か買って!という顔をしていたところ、通りかかった一人の男性が「今夜の?買うよ」と2枚定価で買ってくれたのだ。で、やれやれとブレンデルを聴きに楽友協会大ホールに向かったのだ。

もう一回は2015年7月のミュンヘン。ワルトラウト・マイヤーがイゾルデの歌い納めをする『トリスタンとイゾルデ』のチケットを買ったら、後から条件のいい席が出てきて、そっちも買うことにした。最初のチケットをどのようにさばくか、2枚持っていたチケットのうち、1枚はバイエルン国立歌劇場のチケットフォーラムに、もう1枚は日本のコンサートチケット売買サイトに出してみた。

両方とも数日のうちに反応があって、公演当日歌劇場で受け渡しができた。一人はミュンヘン在住、もう一人は日本人……これはもうインターネットの時代ならではのやり取りだったのである。

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そうして、同じ時のミュンヘンでもう一件。ミュンヘン滞在中に7回のコンサートとオペラに行く予定だったが、あまりの暑さに体力が奪われてしまい『ペレアスとメリザンド』のチケットはミュンヘン在住の知り合いに譲り、プレミエ上演の『アラベラ』は端っこの立見席だったので、あっさりとドタキャンだと決めて歌劇場まで売りに出かけた。

初日のことゆえ、お客さんはそこそこの服装で来場してきているそんな中、そこそこの姿でもチケットを持っていない人はいて、そんな人たちがワラワラと寄ってきて、あっという間に2枚が引き取られていった。時間も夕食時のことゆえ、30オイロほどのチケット代はおいしいビールと焼きソーセージに消えていったのだ。

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懇話§オペラの字幕 [オペラ]

外来歌劇場などの引っ越し公演で字幕スーパーが出るようになったのは、いつ頃からだったのか、はっきりした記憶はないが、ここ30年くらいのことだろうと思われる。

字幕スーパーがありがたいのは言うまでもないことで、舞台上で行われている劇進行理解の大きな助けになっているのは言うまでもない。

もちろん、字幕ばかり見ていて舞台を見ないなどとは論外だが、字幕があるおかげでオペラの中身の理解度が飛躍的に上がったのは感謝感謝である。

本来であれば予習するのに、録音を聴きながら対訳にしっかり目を通してというところまでやっておくべきところだが、時間がないとか、色々と言い訳をしてサボってしまうことのほう多い……決して字幕スーパーありき前提ではないぞよ。

限られた字数の中で、翻訳者は悪戦苦闘しながら訳出作業を進めていくのだろうが、読んでいく側からすると、時として画数の多い漢字が使われて、しかも難読系漢字ゆえに、意味を考えることに時間を取られることがなきにしもあらずだったりするのは一考を要する。

最後、これはちょっとなあという翻訳を思い出したので紹介しておきたい。いつぞやの東京・春・音楽祭のワーグナー・シリーズで『タンホイザー』の演奏会形式の時、第2幕冒頭でエリーザベトが歌う『殿堂に挨拶を』の歌い始めの字幕が「殿堂さん、こんにちは!」とあって、客席でのけぞりながら「島倉千代子じゃねーよ!」と毒づいたのだった。

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泡話§ワタシ的バブルの時代 [オペラ]

日本のバブル経済が大崩壊したのは1989年から1990年のことだった。

三十代半ばの働き盛りだったが、世間がバブルに浮かれているほどバブルの恩恵を受けた記憶はない。

何かして遊びまくるとか、シャンパンを空けまくるとか……そんなことなどなく、月曜から金曜の5日間というもの、午前様か朝帰りという日常を過ごしていたのだ。バブルを享受する時間などあるはずもなかった。

バブルの恩恵とは逆に、むしろとばっちりだったのは、深夜帰宅で使うタクシーの配車に時間がかかったことで、バブル以前には頼めばすぐやって来たのに、真っ盛りの時期には30分待ちということも珍しくなく、こちとら働いての帰宅なのにと、なかなか来ないタクシーを恨みがましく待ったのだ。

というわけで、株価がどうとかなど完全に無関心だったので、世間が囃し立てるほどバブルという状況を実感したこともない。

これはバブルの恩恵かなと後になって思ったのは、オペラハウスの引っ越し公演がとっかえひっかえやって来て、そのことごとくが満員御礼だったことではなかったか。

1987年頃からそれは顕著になって、まずベルリン・ドイツ・オペラのワーグナー『ニーベルングの指環』四部作一挙上演に始まり、バイエルン国立歌劇場、メトロポリタン・オペラ、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場と、1990年までの4年間で7つのオペラハウスが日本にやって来た。

それに加えて、アレーナ・ディ・ヴェローナの野外オペラのようなものが、代々木の屋内体育館やら東京ドームで上演された……さすがに、そこまでは観に行くことはなかったが、上に挙げた公演のほとんどに出かけて、楽しんだことがワタシ的バブルの恩恵だったのかもしれない。

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旅話§オペラハウスの引っ越し公演の黄昏 [オペラ]

最後に観た海外オペラハウスの引っ越し公演は、2013年9月のミラノ・スカラ座『ファルスタッフ』だったので、おおよそ10年近く引っ越し公演を観ていないことになるようだ。

1980年のカール・ベーム&ウィーン国立歌劇場来日公演以来。ざっと数えてみたら、延べ50団体にもなっていた。ヨーロッパの主要歌劇場……ミラノ、ミュンヘン、ベルリン、ハンブルク、ウィーン、コヴェントガーデン、アメリカのメトロポリタンなどなどである。

1980年から1990年代にかけて、そうした大歌劇場が、一度の来日でオペラ4演目を持ってきていた。まさに壮観そのもので、それらを可能な限り観て観て観まくったのだった。中には初めて観る作品もあったりしたが“誰でも、最初は初めて”とばかりに、果敢に挑戦しては討ち死にしていたのだった。

そのように各歌劇場が覇を競い合ったオペラの引っ越し公演は、バブル崩壊から緩やかに退潮基調となって、3公演から2公演へと規模は縮小し、それまで一か月以上も滞在していたのが、20日ほどで帰っていくようになったのだ。

そんな引っ越し公演を観続けた我々夫婦にとっての白眉は、言うまでもなく1994年、カルロス・クライバーがウィーン国立歌劇場を指揮しての『ばらの騎士』だったのである。

しかも7回も公演を重ねたのだ。我々も必死に資金を調達して、そのうちの3公演を観に行った。その3回が3回とも、違って聴こえたが、そのどれも心に深く刻み込まれたのだった。

その後、バレンボイム率いるベルリン国立歌劇場が『ニーベルングの指環』四夜通し上演という巨大なプロジェクトを実現させたが、その先は、徐々に黄昏ていくばかりと感じ、少しずつオペラ熱も冷めていったのだ。

ただ言えることは、およそ30年ほどの引っ越し公演を鑑賞していた間は、まさに居ながらにして贅沢を享受できた30年だったのである。そして今の日本にはそんな体力が失われていることに気がつく。

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奏話§ワーグナーのオペラとオペレッタ [オペラ]

ワーグナーの10作品だけを上演するのがバイロイト音楽祭、会場は言わずと知れたバイロイト祝祭劇場である。今日は、そこで小耳に挟んだ“小ネタ”をご紹介。

バイロイト音楽祭の中の人たちの間では、上演される10作品の内で、前期に作曲された3作……『さまよえるオランダ人』『タンホイザー』『ローエングリン』を軽い“オペレッタ”と呼んでいるようなのだ。

そして後期の7作品……『ニーベルングの指環』の四部作『ラインの黄金』『ワルキューレ』『ジークフリート』『神々の黄昏』そして『トリスタンとイゾルデ』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』『パルジファル』以上を“オペラ”と呼んでいるということである。

バイロイト音楽祭では、新演出された舞台は5年間続けて上演される。巡り合わせの中で“オペラ”7演目が上演される年があって、我々にとっては、2008年がその年にあたっており『ニーベルングの指環』4演目に始まり『トリスタンとイゾルデ』から『パルジファル』まで、後期重量級7演目をコンプリートできた。

↓2008年のチケット。指環は4演目通しで1枚だ
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ただし、舞台の出来は指環からマイスタージンガーまで、決して褒められたものではなく、堪能できた舞台は、唯一『パルジファル』のみである。そして気がついたのは、指環上演では『ワルキューレ』と『ジークフリート』の後に一日ずつ休日が置かれるが『神々の黄昏』から『パルジファル』までは4日間ぶっ通し休みなしでの上演で、これはかなりタフな鑑賞体験だった。

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顧話§今日の歴史~リヒャルト・シュトラウスの傑作~ [オペラ]

1911年1月26日、歌劇『ばらの騎士』がドレスデンで初。

最後に『ばらの騎士』を観たのは、2019年6月のベルリン・コーミッシェオパーだった。今時の演出だったが、何だかなあという舞台が多い中にあって自分なりに納得できた。何よりアンサンブルが充実していたのが楽しめた理由である。

海外旅行中に観た『ばらの騎士』は合わせて5回。そのうち4回は『ばらの騎士』を演奏させたらこの3つの歌劇場という、ウィーン、ミュンヘン、ドレスデンで一通り観ることができた。

その中でも楽しめたのは、2006年6月のバイエルン国立歌劇場。オックスがジョン・トムリンソン、元帥夫人がフェリシティ・ロットというサー&デイムの、まさに“貴族”な顔合わせ。

何度観ても、楽しみながら色々と考えさせられるオペラなのである。

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顧話§今日の歴史~歌に生き~ [オペラ]

1900年1月14日、プッチーニのオペラ『トスカ』がローマで初演。

オペラを聴き始めて10年ちょっとくらいで、ドイツ・オーストリアの作品にシフトしてしまった。モーツァルト、ワーグナー、リヒャルト・シュトラウスに特化してしまったのである。

そうしてイタリア・オペラから離れることになってしまった。もちろん、旅行中の歌劇場で何かやっていればよほど興味を惹かれない作品でない限り、ヴェルディでもプッチーニでも、観に行くことはやぶさかではないけれど。だが、日本でわざわざ観ることはない。

そもそも、あれもこれもと風呂敷を広げることは苦手で、オペラ以外でも好んで聴く作曲家は限られている。

というわけで『トスカ』だが、けっこうな人気演目であるにもかかわらず、一度も観てはいない。もう一つ『蝶々夫人』も観たことがないが、それは作品の筋が好きではないという理由で、そうして観ないままのオペラがけっこうあるのだ。

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悼話§エディタ・グルベローヴァさん(歌手) [オペラ]

半世紀以上という驚異的な期間、トップクラスのコロラトゥーラ歌手として歌い続けたのがエディタ・グルベローヴァである。

たとえて言えば、フィギュアスケートですべての4回転ターンを失敗することなく完璧にやって見せるような歌声だった。

同居人は1980年に来日したウィーン国立歌劇場来日公演でカール・ベームが指揮した『ナクソス島のアリアドネ』のツェルビネッタを歌ったグルベローヴァを聴いているが、それはまた見事だったとのこと……羨ましい限り。

そして、初めてのグルベローヴァ実演は1982年4月。旅行中のウィーン国立歌劇場『セヴィリアの理髪師』のロジーナだった。

彼女が『今の歌声は』を圧倒的に歌って、当然のように盛大な拍手とが出た後、フィガロ(だったか?)が入れ言で『Che bella voce!(美しい声だ)』とやったら、再び盛大な拍手がという記憶がある。その時のアルマヴィーヴァ伯爵は、早逝した山路芳久である。享年七十四

合掌

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顧話§今日の歴史~詰め込んだというか~ [オペラ]

1989年9月3日、東急文化村(Bunkamura)開業。

この日、東急文化村のオーチャードホールでは柿落とし公演として、バイロイト音楽祭のプロダクション『タンホイザー』が上演された。演出はヴォルフガング・ワーグナー、指揮はジゥゼッペ・シノポリ。

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この日の公演は観に行っている。バブル経済真っ盛りの中あって、チケットの争奪戦が繰り広げられ、何とか4公演行われたうちの2回を取ることができた。

バイロイト音楽祭のプロダクションを丸ごと――舞台、オーケストラ、合唱団、指揮、ソロ歌手――持ってくることが、いかに大変なことかといえば、オーケストラや合唱のメンバーは、それぞれ異なる団体に所属しているので個別に契約をする必要があるとか、何とも手間のかかる公演だったらしい。

しかも、本拠地での音楽祭は例年8月28日まで行われるので、9月3日の本番初日まで、中5日というスケジュールで、オケや合唱メンバーは、自宅に戻るような時間もないまま、日本に直行したのではなかろうか。それゆえに相当なハードスケジュールだったと想像できる。

それにしても、あの程度のスペースに大ホール、小ホール、映画館に美術館まで、入れ込んだことに感心はするが、もうずいぶんと長いこと(10年以上)オーチャードホールには行っていない。

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親話§今日のマイスタージンガーは中止です [オペラ]

今日は、オペラ 夏の祭典2019-20 Japan⇔Tokyo⇔World『ニュルンベルクのマイスタージンガー』と長ったらしく銘打たれた公演に行くはずだった。

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スタッフにコロナウイルス陽性者が発生して、この日の中止が決まったのは一昨日のことで、知ったのは昨日の朝である。

2月の『タンホイザー』以来のワーグナーで、しかも休憩挟んで5時間半とたっぷり浸れるので楽しみにしていた……ただし東京の感染者激増については懸念するのみで、それでも往復は車を運転するので、第三者との接触は、最低限にと気は遣っていたのだ。

今回、上野の東京文化会館の公演は今日と土曜日の2回で、土曜日に公演が行われるかどうかは決まっていない。

というわけで中止にはなってしまったが――なぜか――11月に新国立劇場で5回公演が行われる……チケットの前売り発売を待つことにしようか。

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