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顧話§今日の歴史~鉄のカーテンを越えて~ [バレエ]

1961年6月16日、ソ連のダンサーであるルドルフ・ヌレエフが亡命。

厳しい監視の目をかいくぐって、ルドルフ・ヌレエフが西側に亡命したのはもう60年以上前のことになってしまった。

それがどれほどの監視であったのか……想像するだけで、実際にどのようにして亡命に成功したのか、後日彼をモデルにしたフランス映画で、その時の様子が描写されていた。それが事実に近いのであれば、ギリギリの一発勝負としか思えず、それが成功したがゆえに、ヌレエフは西側で広く知られることになったのである。

彼が踊るのを一度だけ観ている。1983年だったか、エトワールに指名されて昇進したシルヴィ・ギエムの相手役として『白鳥の湖』の王子だったが、残念ながら、そこに往年の面影を見ることはなく、10年後エイズに感染して、54歳で死去したのだ。

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惜話§ノイマイヤー&ハンブルク・バレエ [バレエ]

84歳になったジョン・ノイマイヤーが、2024年にハンブルク・バレエの芸術監督を退くにあたって、最後の日本公演である。2016年、2018年と観たプログラム『ジョン・ノイマイヤーの世界』と、内容はほぼ同じだが、いくつか微調整されての上演。

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【ジョン・ノイマイヤーの世界-Edition 2023-第一部】

『キャンディード序曲』(『バーンスタイン・ダンス』より)

『アイ・ガット・リズム』(『シャル・ウィ・ダンス?』より)

『くるみ割り人形』

『ヴェニスに死す』

『シルヴィア』

『アンナ・カレーニナ』

『椿姫』

『クリスマス・オラトリオⅠ-Ⅵ』

**********************休憩**********************

【ジョン・ノイマイヤーの世界-Edition 2023-第二部】

『ニジンスキー』

『ゴースト・ライト』

『作品100-モーリスのために』

『マーラー:交響曲第3番』



そのほとんどは、過去の2回で観ているのだが、覚えていないものである。そうはいいながらも、群舞の圧倒的な見事さに感銘を受け、シューベルトのピアノ曲を使った『ゴーストライト』の空虚さに端然とさせられる。

『作品100-モーリスのために』は、モーリス・ベジャールとの友情を描いたもので、使われているのは、サイモンとガーファンクルの『オールドフレンド』と『明日に架ける橋』で、彼らS&Gをリアルタイムで聴いている世代の身にとっては、特に『明日に架ける橋』のあまりにもベタな俗っぽさな使い方に戸惑いは隠せないが、それもまたノイマイヤーの素直な感情の発露ということだろう。

俗っぽさと前衛と、ノイマイヤーの醸し出す世界は、巧みにしてかつ、したたかな表現なのだった。

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悼話§パトリック・デュポンさん(エトワール) [バレエ]

21歳の最年少でパリ・オペラ座バレエ団のエトワールになったパトリック・デュポンが亡くなった。エトワールに指名されてほどない1983年に来日し、モーリス・ベジャール振付の『ボレロ』を踊っているのを観たのが最初。

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何度も何度も彼が踊るステージを観ているが、まさに天馬空を翔けるが如くの、闊達で自由奔放といった舞台姿を楽しませてもらった。

31歳でバレエ団の芸術監督となった後は、様々なトラブルに巻き込まれて、数年で監督を辞任。それからは滞在していたモーリス・ベジャールの別荘で火事騒ぎを起こしたり、後半生はお騒がせな存在になってしまったようだ。享年六十一

合掌

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顧話§今日の歴史~バレエ音楽の傑作~ [バレエ]

1877年3月4日、チャイコフスキー作曲のバレエ『白鳥の湖』初演。

チャイコフスキーは『白鳥の湖』の他に『眠れる森の美女』と『くるみ割り人形』と3つの、まさに傑作といっていいバレエ音楽を作曲した。それぞれ優劣をつけることなどできようはずもないのはもちろんである。

どれもチャイコフスキーらしいオーケストレーションで、単なる踊りの伴奏にとどまらず、耳も楽しませてくれるという点では、先人の作品をはるかに凌いでしまう。

『白鳥の湖』のバレエ全幕を初めて観たのは1983年の秋頃だっただろうか。初演を行ったボリショイ・バレエの日本公演で、折しもソ連空軍機が、大韓航空機を撃墜した直後だったゆえ、冷え冷えとした雰囲気だったことを記憶している。

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踊話§バレエ―マイカテゴリー―御無沙汰 [バレエ]

最後にバレエを観たのは去年の6月19日……ベルリン国立歌劇場での『バランシン~フォーサイス~シーガル』と題されたトリプル・ビル(三部作)である。

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かつては、年に数回ほどは観ていたと思う。同居人がバレエ好きであれこれ詳しいことに影響されて、結婚前からバレエを観るようになった。最初は、お約束のチャイコフスキーの『眠れる森の美女』や『白鳥の湖』といった古典物に始まったが、ほどなくモーリス・ベジャールのモダン物にも興味を持つようになった。

1980年代から30年ほどは、外来のバレエ団による公演も数多く行われて、質の高いパフォーマンスを楽しむことができたのだ。

ところが、世紀が明けて数年でバレエの熱が冷めていることに気がついた。バレエの技術は向上し、全体的な平均値が劇的に高まっていったにもかかわらずである。

理由として、芯を務めるプリマ・ダンサーの個性が失われたと感じるようになってしまったからだった。

かつて、1980年代から90年代に活躍した数多くのプリマ・ダンサーそれぞれが持ち合わせていた色気とか個性といったものが、昨今にダンサーから感じ取ることかできないのだ。

20年前に比べれば、テクニックは飛躍的に向上したとは思うが、テクニック重視の御時勢なのかどうか、特に古典作品が持っている香しさが消え去ってしまったようで、時に出汁の使われていない料理を食べているような気がしたのである。かくして、バレエから足が遠ざかることになってしまった。

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