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意話§スパゲッティ・ペペロンチーノ [スパゲッティ]

我々世代において、最初のパスタの記憶は言うまでもなくナポリタンで、その次にミートソースがやってくる。それが1970年代前半までの貧しいパスタの記憶である。

ところが、そんな自分自身のスパゲッティの常識をひっくり返すような出来事があったのは、1970年代半ばのこと。知り合いで生まれついての東京人間が、六本木のアントニオというイタリア料理店に連れていってくれたのだ。

そこで“これを食べるといいよ”と勧められたのがペペロンチーノだった。当時のアントニオでは“にんにくとオイルのスパゲッティ”と呼ばれていたのだが、ややあってテーブルに置かれたのは、スライスされたにんにくや鷹の爪が散らされ、オリーブオイルにまみれた、色そのままのパスタだった。

それに塩と胡椒を適宜振って一口食べた時の衝撃……あまりにもシンプルであまりにもうまい。ものも言わずにあっという間に食べてしまった記憶だ。

ところで日本人は、パスタを焼きそばか焼きうどんと同類と見たてているかのようで、様々な日本風アレンジのパスタを創出している。それを見たイタリア人が眉を顰めるのもおかまいなしなのに、彼の国の人間たちが不思議な日本料理を創り出しているのは見逃せないようである。

追記:六本木にあったアントニオだが、再開発を受けて南青山に移転した。

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