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援話§黒衣~動くものに眼が~ [歌舞伎]

歌舞伎舞台を観ている時、いかんいかんと思いながらも、ついつい視線を向けてしまうのが黒衣や後見の人たちだったりする。

歌舞伎という伝統芸能の舞台は“いるはずのない人”が下支えの仕事を敢えて観客に見せてしまうのだ。

役者に小道具を渡したり、舞台衣装の引き抜きをしたり……特に小道具をやり取りしつつ舞台上を片付けるのは歌舞伎にとって大切なことなのである。

大がかりなところでは、舞台で死んだ役者まで、布で隠しながら舞台上からいなくすることまでやってしまう。

それが歌舞伎だとわかっていても、何かをやっている黒衣に眼が行ってしまうのは、集中力がないからか、それともこれはもうしかたがないことと考えるしかないのだろうか。

常に芯の役者を引き立てるのが歌舞伎という舞台芸術で、そのために様々な工夫をしているのだが、自分がかつて携わっていた仕事が、ある意味で下支えのような性質だったりしたがゆえかどうか、黒衣や後見を務める人たちの仕事ぶりが気になってしかたがない……というのは言い訳なのだけれども。

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