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菜話§四月大歌舞伎~於染久松色読販と神田祭~ [歌舞伎]

すっかり桜も散って、今年の我が家周辺は花水木(ハナミズキ)が期待外れの咲き具合。という4月下旬が始まったところで歌舞伎座に行ってきた。四月大歌舞伎夜の部である。

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お目当ては2018年、2021年に続いて三度目となる仁左衛門&玉三郎コンビによる『於染久松色読販』と『神田祭』の二本立て。

もう、何も言うことはなく、仁左玉が持てる魅力を振り撒き尽くした贅沢な時間だった。とにかく仁左衛門の“悪”の凄みは比類なく、それが玉三郎と共演することで魅力が二倍にも三倍にも膨らんでいく。脇を固めた橘太郎の久作、錦之助の清兵衛、彦三郎の太郎七などなど、手堅くまとまっていた。

そして“お口直し”に置かれた『神田祭』の贅沢なこと。二人が“じゃらつく”様子は、まさに恋仲の二人の濃密さで、ほぼ満員の客席の喜ぶまいことか。

1970年に始まった孝玉から仁左玉へと、半世紀以上続いた稀有なコンビだがもう終わりは遠くないところにあるだろう。せいぜい、舞台に登場する時を待ち構えて、せっせと通わなくてはと思う。

最後に『四季』が、春“紙雛”~夏“魂まつり”~秋“砧”冬~“木枯”と踊られたが、相変わらず舞踊は苦手なのと、さすがに冗長な踊りばかりで、帰ってもよかったかと思っていたら、最後に冬の木枯の冒頭、群舞の中の一人がバレエの“トゥール・アン・レール”で三回転して見せたのでびっくりした……心の準備ができていなかったのだ。

まったく予想などしているはずもない唐突なことだったが、それにしても、名題下の役者の中にバレエの経験者でもいるのか……まさか、たった一回の回転のためにエキストラを呼んだとも思えないし。

夜の部は19時半と珍しくも早い時間の終演。ちょっと軽いと思わないでもなかったが、それでも帰宅は21時過ぎだった。

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