SSブログ

愉話§一日一句~漉し餡あっさり~ [俳句]

季語は・・・葉月尽

大福餅 ひとつおやつに 葉月尽

【去年の今日】涼話§立秋の候の尾瀬
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

連話§コース料理は~根が根なので~ [私事]

いわゆるコース料理とか和食のおまかせとかは、食べる身にすれば不安要素が大きい。単純にどれほどの量なのか、最後まで食べ切ることができるものだろうかと考えてしまって、たぶん最後にコースを食べたのは数年前、高校の同期会のイタリア料理だった。

その時は、それぞれ量もほどほどだったので、残すことなく食べることはできて楽しいものだったが、いつもそうだとは限らない。

というわけで、年齢的な食欲事情もあるのかどうかはわからないが、例えば居酒屋の小皿料理とか、とんかつ屋とか天麩羅屋あたりのワンディッシュで料理が出てくるというのがありがたかったりする。

そして、たまには小洒落た旅館に泊まってみたいなどとも考えたりするが、そうした旅館にありがちなのが、これでもかと出てくる料理のオンパレードで、既にしてそんなに出されても食べ切れるものでないのは明らかなのだ。

せっかくの“おもてなし”であるのは重々理解できるけれど、食べられないものは食べられないわけで、例えば予約の時に軽いコースにしてくれとか、そうした調整が可能であればありがたいと思うが、そうした融通をきかせてくれるところがどれほどあるものかと思う……フードロス軽減に協力したいのだから。

《B級グルメのトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

伝話§葉月八月・・・・・・終わります [日常]

今日で8月も終わり。明日から長月九月となるが、暑さが変わることなし。

Tシャツとハーフパンツの日々が引き続き、まだまだこの先当分はそれらの世話になるのは言うまでもなく、日常を過ごすのに気楽な時季ではあるが。

ところで“5類”に移行したコロナウイルスのその後だが、各地で感染者の増加が認められて、場所によっては薬剤が不足していたりという事態も起きているようだ。

5類移行によって、感染者データなども発表されなくなり、正確かつ詳細な現状を一般人が把握することが難しいことは問題ではないか。

年齢が年齢なので、外出時のマスクは必携だが、電車に乗っていると7人掛シートでマスク着用は、4人いれば上の部で、自分ともう一人などということもあったりする。

コロナが日常化したといえばそれまでだが、対策は進んだとはいえ、感染しようものなら当事者の不安は隠しようがない。

今の政府は、きちんと仕事をやる気がないようで、コロナを5類に格下げしてこのかた、国民任せで、何ら実効性のある対策を一つとして為していないとしか思われず、先々に感染が拡大しても知らぬ存ぜずを決め込みそうだ。

《日常のトピックス一覧》
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

愉話§一日一句~朝霧薄く~ [俳句]

季語は・・・秋澄む

尾瀬沼の 朝玲瓏と 秋は澄む

【去年の今日】麥話§エーデルピルスが呑みたい・・・・・・なあ
nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

街話§神保巷塵[98]一人すき焼きの店 [神保町]

[承前]

“ぼっち食”だなどと揶揄されるお一人様の食事だが、個人的には必要でない限りは、一人で呑み食いするほうがずうっと気楽と感じている。

神保町は比較的一人で食事しやすい場所ではないかと考えているが、そんな中にあって、世紀が変わる頃まで“すき焼きはらの”という一人鍋を提供する店があった。

確か一度だけ入った記憶で、カウンター一つ一つに一口ガスコンロが置かれていて、すき焼きあるいはキムチチゲなどなどを食べることができた。お勘定は1000円でお釣りがくるというお得さだった。

隣が人生劇場という名のパチンコ屋だったので、おそらくはそこのお客さんが食事をするのにうってつけということもありそうだ。

そこそこ流行っていたと思っていたが、ある日“しゃぶっち”というしゃぶしゃぶの店に変わった……そのあたりの迷走の理由はよくわからないが、それからほどなく店は閉じられてしまった。

結局今は、どうってことのない居酒屋に変貌していて……既に面影はない。

まあ、昨今は一人だろうがグループだろうが、テーブルを囲んでそれぞれが思い思いに楽しんでという、あの頃の一人すき焼きの場末感のようなものはもはや存在していないのである。

                               [続く]

《神保町のトピックス一覧》
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

情話§電子チケットのやる気 [インターネット]

日本のチケット予約システムは相変わらずの旧態依然で、購入したチケットをコンビニなどの端末があるところか郵送かの選択が主流になっていて、自宅でプリントするような電子チケットへの移行が遅々として進んでいない。

理由は単純で、200円とか300円とかの法外な手数料目当てではないかと……これはもう犯罪的ではないか。

手数料不要の自宅プリントがなかなか進まない理由についてチケット業者は「受け入れ態勢が遅れている」みたいなことを挙げるかもしれないが、日本はIT先進国と言われていなかったか。ドイツあたりはIT化が遅れているというが、そうしたサービス面ははるかに先を行っているように感じる。

要は“やる気”で、日本の実現場を見る限りでは、サービスが充実していてユーザーの視線に立っているようにはとてもとても思えない。

↓自宅でプリントアウトしたドレスデン・ゼンパーオパーのチケット
IMG_2540.JPG

ドイツあたりでは、コンサートのチケットばかりでなく、DB(ドイツ鉄道)の指定席なども日本にいる時に予約ができて、チケットを手にすることができる。自分はチケットをプリントアウトして持参するが、もちろん送られてきたチケットデータをスマホに取り込んでおいて、それを提示しても問題はないのだ。

日本の状況を見るにつけ、IT強者とIT弱者と極端に分かれていて、その溝を埋め切れていない状態が続いているような気がするのである。

《日本のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

愉話§一日一句~耳を傾けよ~ [俳句]

季語は・・・鉦叩(カネタタキ)

鉦叩の 警鐘を聞く 夜更け過ぎ

【去年の今日】刻話§正確な時計
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

酔話§八月納涼歌舞伎第一、二部~勘九郎~ [歌舞伎]

東京の最高気温32.3度の真夏日。立秋を過ぎてもまだまだ暑い中を歌舞伎座八月納涼歌舞伎千秋楽の日に第一部と第二部を観てきた。

2308_kabukiza.jpg

第一部は次郎長外伝『裸道中』と『大江山酒呑童子』の二本立。まずもって勘九郎の酒呑童子が抜群のすばらしさ。萩原雪夫が十七代目勘三郎のために作り、中村屋の芸として孫の勘九郎まで引き継がれている。

前ジテの童子では、酒を呑んで狂ったように踊る様子が、圧倒的に見事……稚気と踊りの凄味に見惚れるばかり。今さらながら、歌舞伎界随一の踊り手であるのは言うまでもないが、勘九郎の踊りの中に古臭さのようなものは微塵もなく、シャープな所作の中に現代性が横溢しているように感じられるのだ。歌舞伎の舞踊を観ていてそれが感じられるのは勘九郎ただ一人なのだ。

第一部一本目『裸道中』は、かつて次郎長の世話になった一文無しの博打打ちが、自分の家で次郎長一家をもてなそうと悪戦苦闘をする……新国劇から歌舞伎舞台化された喜劇仕立て。獅童と七之助の貧乏夫婦の絡み、とりわけ獅童の弾けっぷりの居直りがおもしろく、彌十郎の次郎長が大親分らしい貫禄を見せていた。

続く第二部は、超苦手な真山青果作『新門辰五郎』は、幕末の京都が舞台。だが、これが難物。徳川将軍上洛の供として同道した新門辰五郎と会津方との確執が描かれているのだが、そこにあれやこれやと要素が盛られているので、肝腎の主筋がまったく見えない。維新の略史を知っている程度では手も足も出ないだろう。登場人物の中では獅童の山井実久なる存在がいかなるものか何とも不可解な役。およそ2時間の長丁場はきついきつい。

幸四郎の辰五郎、勘九郎の会津小鉄とも、存在感を示していたが、主要な役者が時として群衆の中に埋もれてしまい、それも芝居全体をわからないものにしていた……まあ、もう一度観るとは思えない。

最後に15分足らずの『団子売り』が、巳之助と児太郎の夫婦でさらりと軽く踊られ、真山青果の台詞劇の長さをクールダウンしてくれた。

終演は17時前で、どこかで夕食でもと予定していたが、さすがに二部通しで観たので疲れてしまい、デパ地下で惣菜あれこれを買ってあっさりと帰宅。

《歌舞伎のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

謀話§弾丸登山はやめろ~山のルール~長文 [尾瀬]

尾瀬の山小屋でアルバイトしていた時から、山をなめた行動をする人たちを散々見てきたので、昨今の富士山弾丸登山が後を絶たないというニュースを眼にしても驚きはしない。

やりたい人は懲りもせず、勝手次第に繰り返していくだろうが、何かあった時、多くの人の手を煩わすことを腹立たしく思うのだ。

話は単純で、3000m級の山に登るに見合った装備で臨むこと、完全予約制の山小屋なのだからきちんと予約して登っていけ、天候が芳しくなかったら、無理をせず潔く撤退しろ……それが富士登山における三大基本ではないか。

話を尾瀬のほうに戻す。もちろん、厳しさは富士山の比ではない。まして、鳩待峠から尾瀬ヶ原までは下っていくだけという簡単さに、軽装の人たちを多く見かけるのも当然だと思うしかない。

だが、下界では桜が散って新緑になろうとする頃、尾瀬ヶ原や尾瀬沼はまだ雪の下にある。そして、東京あたりで30度の真夏日を観測しかねない10月半ば、尾瀬では朝晩の気温が氷点下を記録して真っ白い霜に覆われたりする。

山に行くのだという認識の人間は、そうした山の気象状態に応じた装備を用意して臨むけれど、観光&物見遊山の人たちは、どう都合よく解釈するのかわからないが、銀座や原宿を歩くのと同じスタイルで鳩待峠から下ってくるのだ。

KEN04620.JPG

上の写真のように、女性はぺらんぺらんのパンツに靴の裏はと見れば、見事に真っ平らのつるんつるんで、雨でも降れば滑ること必至であろう。

KEN04607.JPG


ついこの間も、鳩待峠から山ノ鼻に向かう、少し急な階段から男性が沢に滑落したことを聞いた。登りと下りの写真を貼っておくが、ここはすれ違ったりする時に十分な注意が必要な場所なのである。

DSC04503.JPG

最後に、去年龍宮小屋でのんびりしていた14時に撮った1枚。

IMG_4077.jpg

女性一人、男性3人のグループで、女性はブランド物のポシェットを肩に、全員がスニーカーで、いとも気楽に鳩待峠から日帰り往復を楽しんでいるようだったのだ。だが、龍宮小屋から山ノ鼻経由で鳩待峠に戻る標準的なコースタイムは、約3時間ということで、鳩待峠到着はちょうど17時頃となる。

なお、鳩待峠発最終バスは16時40分……彼らがどのような末路をたどったのか、その後のことはわからない。ちなみに、写真の日の朝と翌朝は、大霜に見舞われ、外気温は氷点下4度だった。

追記:数十年にわたって歩いた尾瀬で、歩いているところは、木道が敷かれて迷うはずなどはないが、年齢などを考慮して3泊4日五百円の登山保険に加入している、写真のような急階段で何かあったらを見越してのことだ。

《尾瀬のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

愉話§一日一句~ある日晩夏の午後~ [俳句]

季語は・・・(ヒグラシ)

蜩に カナカナカナ?と 問われけり

【去年の今日】週話§日曜有閑~1950年代生まれは既に~
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

異話§天地始粛~七十二候~処暑 [七十二候]

処暑の次候“天地始粛(てんちはじめてさむし)”である。

8月も終わりに近づいたが、もちろん相変わらずTシャツとハーフパンツの日々である。

夏の洗濯が楽だとは、同居人の弁で、衣類の量は少ないし天気はよいしで、昼を過ぎればさっさと乾いて取り込める。

どうして、衣類の量が多くて厚手ばかりの冬がそんな天気でないのだと……そう思うのも無理はない。こればかりは天気と気温と洗濯物の質と量が相反していて、何とも悩ましいとしか言えない。

それこそ真冬の洗濯物は、15時を過ぎても今一つの乾き具合だったりして、せめてはもう少し風でも吹いてくれればと思いたくなるのである。

《七十二候のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

圧話§東京の道の狭いこと [ドライブ]

運転免許を取って実家を往復するのに車を使うようになった。だが、時間がやたらかかったのである。

自宅から、府中街道を所沢まで。所沢から関越自動車道で東松山を降りて、その後は熊谷や太田の下道を走り、合わせて4時間近くを要してたどり着いていた。

そのうち府中街道を所沢ICまで1時間半から、ひどい時は2時間近く要してしまうのだ。片道一車線が延々と続き、時にはバスが前を走っていたりで、ストレスフルこのうえなく、やっと乗った関越道もせいぜい30分程度走って降りるしかなかったのだ。

そんな道は都内近郊にはいくらでもあって、モータリゼーションの急激な進捗に現実が追いつけないという否定できない状況があちこちから噴き出したのである。

だからといって、おいそれと片道2車線の道路をほいほいと作れるはずもなく、慢性的な渋滞が延々と放置されているのだ。

その昔、外国の道路の広さのようなことが比較対象として言われたりしたのだが、アメリカあたりはいざ知らず、例えばドイツのミュンヘン旧市街などは、道はうねうねと曲がっているし、車線が多いところもあるが、多くは車線が一つしかなく、ご多分に漏れず渋滞は日常なのである。

ただ、不思議なことにそんな渋滞の、不慣れでしかもわかりにくい旧市街を走っていてもストレスをさほど感じないのはなぜか、それが不思議なのだ。

《ドライブのトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

愉話§一日一句~西日の台所~ [俳句]

季語は・・・とろろ

とろろ芋 すり下ろす手に 夕焼(ゆやけ)かな

【去年の今日】週話§土曜有閑~八月終わります~
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

週話§日曜枯寂~間もなく八月終了~ [日常]

暑いまま8月が過ぎていく。

この夏休みも水の事故が多かった。多くは誤って深みにはまるケースなのだが、知識不足と過信も多いのではと感じる。

小学校、中学校の頃は、夏休み直前に川遊びについての注意書が配られていて、市内に2つある中小の河川の危険箇所などが詳しく図示されていた。

元より、学校にプールがあったので、わざわざ川で泳ぐ必要もなく、たまに自転車に乗って小さいほうの川に遊びに行くことはあったが、注意書にあるような淵のような場所、カーブで流れの早い場所などは避けていたのだ。

今でも、そうした注意書は各所で配布されていると思うが、わかっていてもということは少なくないということか。

そしてあと2週間足らず……9月になれば、ラグビワールドカップ2023フランス大会が始まる。日本のプール戦の対戦相手は、チリ、イングランド、サモア、アルゼンチン(日程順)と、侮れない相手ばかりである。2019年の日本大会のように“う・ま・い・こ・と・い・く・な・ぁ”になるようなことはないと思わなくてはならない。

まあ……8月前半までに行われた“壮行試合”5試合が1勝4敗で、負けたうちの2試合も、前半早々にレッドカードが出て試合の形を作れずの自滅というもので、これはもう不安要素しかなく、10月早々には帰国ということになりそうだ。

《日常のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

愉話§一日一句~陽射しに煌いて~ [俳句]

季語は・・・滴り

滴りは プリズムなりて 岩清水

【去年の今日】顧話§今日の歴史~ナポレオンの石~
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

週話§土曜枯寂~ホワイトボードからメモ~ [私事]

日常使いのスーパーマーケットに買い物メモを持参するようになって久しいものがある。時にはメモ書きした物すら買い忘れたりすることもあるから、どうあっても買い物メモは必須である。

そうして、冷蔵庫には小さいホワイトボードが貼られていて、あらかじめその日に買うあれこれを書き込んでおき、それで買い物メモを作成するのだ。

そんな風にしても、思わぬ買い漏らしが起きるのは、チェック不足なのか、すっかり買ったと思い込んだりしたり、まるで眼中になかったり……これが加齢によるもので、物忘れもあるが、そこに“うっかり”という要素も加わり、状況を複雑にしている。

もちろんレジに並ぶ直前に、メモと籠の中身を照合することは忘れないけれど、ごくたまに――“ごく”ですぞ――チェック漏れが起きてしまうのは、本人としても忸怩たるものがあるのだ。

この先、我が身の状況が好転するとは考えられず、そうであれば自己防衛のためにホワイトボードとメモの書き込み及び照合は、より厳密に履行しなければならない……たかが買い物、されど買い物である。

《私事のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

愉話§一日一句~味わい軽やか~ [俳句]

季語は・・・新豆腐

沢水に 冷やし沈めて 新豆腐

【去年の今日】貧話§JR東日本の赤字線
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

遭話§被害者を叩く人たち [日本]

“被害者が悪い”といったようなニュアンス、もしくはその言葉のままを発して、被害者を責めるような風潮が日本には(日本だけ?)あるようだ。

至極当たり前のことだが、加害者が全面的に悪いに決まっている。ちょっとことをあげつらって被害者にも非があるなどと、どんな理屈なのかと思う。

もちろん、日頃から注意していれば防ぐことが可能な犯罪行為もないとはいえないが、家に帰るために暗い夜道を歩かなくてはならなかったりして……そんな状況でも被害者を責めるのだろうか。

何度も繰り返すが、加害者がすべての責を負うべきもので、被害者には一片の落ち度もないのである。

《日本のトピックス一覧》
タグ:日本 日常 犯罪
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

珈話§エスプレッソ・マシーンを [コーヒー]

大学時代の2年間ほど、デパートのフランス風“カフェ”で、ギャルソンのアルバイトをしていたとは何度か書いていること。

黒蝶タイに黒ベスト、長い前掛け“サロン”といういでたちで、おフランスを何ちゃってで気取ってはみたものの……お里は知れるわけだが。

そんなカフェでは、その当時でも珍しかったエスプレッソ・マシーンでコーヒーを淹れて出していた。扱い方は簡単で、カウンターの中の人の代わりに自分のようなアルバイトでも、操作してエスプレッソを出すことができたのである。

そして、高温の蒸気を出すノズルも付いていて、そこに牛乳を入れた容器にそいつを差し込むと、ほんの数秒で沸騰してカフェ・オ・レもお茶の子さいさいなのだった。

まだ、バリスタがどーたらこーたらな時代ではなかったから、泡だったミルクの表面に小洒落たアートなど作ることもなく、そのままをお出ししていたのだ。

そして気がつけば、SタバだのTリーズだの、Vローチェといった、普通にエスプレッソ+αのコーヒーを出すチェーン店がいつの間にか増殖していたのである。

《コーヒーのトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

愉話§一日一句~冷えた白ワイン~ [俳句]

季語は・・・無花果(イチジク)

無花果や 生ハム二枚 ひと口に

【去年の今日】品話§オーセンティックなバー
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

努話§通し狂言の上演について [歌舞伎]

お堀端は隼町に建つ国立劇場が、建て替えのため10月をもって閉場となる。

IMG_4251.jpg

大劇場でさよなら公演として9月、10月に『妹背山婦女庭訓』の通し上演が行われる……いわば“はなむけ”とも言えるかという、上演ではないか。

Sep2023kabuki_flyer_f.jpg

歌舞伎座の本興行で、なかなか大物の通し上演を出してくれない。個人的に記憶にあるのは、仮名手本忠臣蔵を何回か、菅原伝授手習鑑を2回くらい、そして義経千本桜といったあたりだが、このあたりもここ数年音沙汰がないようだ。

商業演劇でもあるし、作品の伝承という責務も追っている歌舞伎興行において、通し狂言が行われない、あるいは行われにくいというのは、自らの首を絞めているように感じる。

既に、大看板は菊五郎、仁左衛門、白鸚の3人、立女形の玉三郎は歌舞伎座の舞台に立たないと宣言した。

こうした状況の下で大きな通し狂言を出すことが難しいのは理解できないわけではないが、歌舞伎役者たちによる芸の伝承というシステムが活かされていないように思われてならない。

このままでいくと、歌舞伎座で大掛かりな通し狂言が実現することなく、安易な見取り狂言ばかり見せられ続けるような気がする。

追記:そして新しい国立劇場の柿落としは2029年……生きているだろうか。

《歌舞伎のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

籍話§本を読み始める時は・・・・・・ [小説]

読書量は少ない。仕事で本を読む機会が多かったからかどうか……あまり、読まない理由とか言い訳にはならないが。

まずもって第1ページから読み始めることが、超億劫だったりする。なぜ億劫なのかは自分でもよくわかっていないが、一つ考えられるのは、初対面と似たようなところがあるからではないか。

1ページ目の1行目の書き出しがどのようになっているのか……そのことを考え出すと、初対面に臨むことが面倒になってきてしまうのだ。これはもう単なる天邪鬼なだけであろう。

とにかく最初の数ページさえ乗り越えれば、何とか読み続けることができるのだが、これが自分にとってはなかなか厄介なハードルだったりするのだ。

そうしてペースが掴めたら、あとは速い。もっとじっくり文章を吟味しながらと言われるかもしれないが、それよりは文章の流れに合わせて、時には飛ばし気味なくらいのスピードで詠み進めていく。

もちろん、文章が意図するところが見えなければ、そのあたりはじっくりと遅いテンポでもって、文章を理解するべく眼を通していくのである。そしてそんなやり方で読める小説も少なくはないが、時としてお手上げ……即行で放り出してしまいたくなる小説もままあったりはするが。

《読書のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

愉話§一日一句~檜枝岐に秋近く~ [俳句]

季語は・・・蕎麦の花

蕎麦の花 出作り小屋に 老夫婦

【去年の今日】戯話§八月納涼歌舞伎第二部~猿之助代役!~
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

異話§綿柎開~七十二候~処暑 [七十二候]

処暑の初候“綿柎開(わたのはなしべひらく)”である。

処暑の候となった。

暑いことに変わりはないが、日の出時刻が遅くなり、日没時刻が早まってきて、何となく世間が落ち着いたと感じるのだけれど。

“夏疲れ”という言葉があるかどうかわからないが、暑さに慣れることもないし、いつまで続く猛暑ぞと思いつつ、うんざりしながら日々を過ごしている。

もちろん我々は、この暑さがまだ一か月以上続くことを知っているから、隠忍自重でうんざりを奥にしまい込んでいるわけだが。

学校の夏休みもあと一週間……まだあるまだあると思って遊び惚けているうち、時間はどんどん過ぎて、眼の前のやり残した宿題の山にげっそりして、やる気を出そうにも出せないでいることだろう。

《七十二候のトピックス一覧》
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

過話§上京五十年~広い通りだとばかり~ [昭和]

地方小都市のど真ん中に暮らしていた。広い表通りから入った先の道は狭いものだが、半世紀以上前のことゆえ、まだまだ車の通行もさほど多いわけではなかった。

だが、小学生や中学生だった身にしてみれば、そんな道でも十分に広いのだという認識をしていたが、帰省するごとに実家付近の道の見た目がどんどん狭くなっていくように見えてしまうのである。

南北に並行して走っている2本の道があるのだが、そこは高校に通うのに自転車を飛ばしていった道で、車も行き交っていたいたはずだが、我が物顔で漕ぎまくっていたのだ。だが、その道は想像していた以上にずっとはるかに狭い道だったのだ。

そんな道が、それぞれ一方通行の狭い道だと気がついたのは、もう20年以上前のことで、それをグーグルのストリートビューで確認してみれば、車一台がやっと通れて、歩行者が肩身の狭い思いをするように道だったのである。

十代の視線と二十代以降の視線がどれほどの差異を生み出していたものか、しみじみと実感した道の風景なのだった。

《東京のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

顧話§今日の歴史~地球温暖化顕著に~ [天気]

1995年8月22日、東京で31日間連続の真夏日。

今年の東京は、7月に猛暑日――真夏日ではないぞ――が13日もあった。月終わりには猛暑日が8日連続でということまであったのだ。

そんな暑さがいつ頃から始まったのかと記憶をたどってみるが、おおよそだが1980年代には、より一層暑い夏になってきていたのではと思うのである。

21世紀が始まる頃から、毎年6月か8月にドイツ、オーストリアを旅行したが、ある年……2003年は現地でも記録に残る猛暑だったらしく、泊まったホテルにはエアコンの設備がなかったので閉口した記憶だ。

1995年8月のこの記録についてだが、ほとんど記憶していない。阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件が起きたこの年は、自分自身にとって谷底にあったような時期にあたっていて、季節のことなどまったく眼中になかったということでしかない。

《歴史のトピックス一覧》
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

祈話§C神父のこと [英語]

生まれ育った北関東の関東平野どん詰まりの町は、キリスト教が盛んだったのかどうか、プロテスタント系教会が数軒、カトリック教会1軒、さらに修道院まで2つもある。まあ、自分もプロテスタント系の保育園に通っていたのだが……。

さて、カトリック教会は、我が家から中学校に向かう通学路の間に建っていた。そこにアメリカ人のC神父が、教会に隣接した宿舎に暮らしていた。

なかなかに陽気で豪快。小学生くらいの悪ガキが寄ってくるのを待ち構えて「握手シマショ!」と言っては、強烈な握力で握ってくるものだから、みんな悲鳴を上げて逃げ回るのである。

そんなC神父との接点があったのは中学校3年の時。なぜかわからぬが、市が主催した英語暗誦大会に、通っていた中学校の代表で出ることになって、そのトレーニングにと英語教師に言われて教会まで出向いたのだ。

彼が中学校に来ることがなかったのは、さすがに公立学校に宗教人がというそんな事情があったのであろう。

というわけで、数回ほど“レッスン”を受けたが、これがネイティブからの初めての教えで、得るところは多大なものがあった。市の大会ではめでたく2位を獲得したが、県大会では思ったほどの成績とはならずに終わった。

その後も、中学校の行き帰りにC神父のところに遊びに行って、英会話力を向上させてもらった……浴衣姿で夏祭りの盆踊りの輪に参加するほど、我が田舎町を愛してくれた神父だが、後年、別の町の教会に異動しろという要請を潔しとせず、さっさと本国に戻ってしまったということである。

《英語のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

街話§神保巷塵[97]神保人 [神保町]

[承前]

こんなしがない身の上でも、37年半を神保町で過ごしたのだから“神保人”の端っことか頭数に入れても罰は当たらないだろう。改めて、神保町というエリアで過ごすことのできた我が身のを、謙虚に“よくやった”とほめてやりたいと思う。

何度か書いているように、同じ区の中にあって、永田町、霞が関、日比谷、大手町とは無縁だった。就職を考えた時もまったく眼中にはなく、それこそ自分の柄ではないと考えていた。あるいは、法学部とか経済学部で学んでいたりしたら、そのあたりでと考えたりしたかもしれないが、しがない文学部専攻にはお呼びでない場所で、むしろ神保町のほうが似つかわしかったのである。

今でこそ高層ビルみたいなものが少しはあるが、神保人成りたてだった頃の神保町は、首都高速を挟んだ南側一帯とは、一線を画す如きの佇まいだったのだ。

それは古書店街を中心に、下世話な商店や食べ物を商う店、そして出版を生業とする会社などから構成された、独特の空気感を醸し出しているエリアなのだった。

その空気感は、霞が関や大手町とはまったく違う、より自由かつ気ままな、らしき雰囲気の町だったのである。
                               [続く]

《神保町のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog