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遍話§ニーベルングの指環+3演目 [ワーグナー]

バイロイト音楽祭に詣でたのは5回……1991、1997、2000、2008、2016年である。

その年に上演される7演目をひととおり観たのは2回、指環以外の3演目を観たのが2回、指環だけが1回というものだった。

1991年の初詣では、指環とパルジファル、さまよえるオランダ人、ローエングリンを観たが、それ以上にタフだったのが2008年の時である。この年に観たのは、指環に始まって、トリスタンとイゾルデ、ニュルンベルクのマイスタージンガー、そしてパルジファルと、後期重量級7演目を立て続けに観ることができたのだ。詳しい様子はこちらのリンクを。

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同じ演出での上演は最長5年、それをローテーションしていくから、この組み合わせになるタイミングで行けるのもまた珍しい。

というわけで、一度はこの重量級7演目を観たかったという夢が叶ったのである。そして7演目を観るのは9日間というものだった。

つまり、ワルキューレの後に一日、ジークフリートの後に一日の空き日を挟み、神々の黄昏からパルジファルまでの4演目は、休みなしで上演されたのだ。

指環を観ていた間は余裕しゃくしゃくだったが、さすがに登山口からはるか先の山頂を見上げる気分だったが、まあ……懸念したほどのこともなくあっさりクリアしてしまった。

もっとも、その時は指環、トリスタン、マイスタージンガーと音楽はともかくも演出にはがっかりさせられ、最後7つ目のパルジファルで音楽も舞台もようやく満足できたのだ。

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祝話§ワーグナー211歳~年に一度は~ [ワーグナー]

毎年、飽きもせずに書いているが、ワーグナー211歳の誕生日である。

19世紀の前半から後半にかけての生涯の中で『ニーベルングの指環』であるとか『トリスタンとイゾルデ』などなど、一作だけでも十分に業績として認められるのに、バイロイト音楽祭で上演される10作品すべてが、21世紀の今でも人々を魅了してやまないというのは、まさに巨人と言えるだろう。

海外旅行に行かなくなってしまったことで、日本では観る機会が限られてしまうワーグナーの楽劇を観に出かけることも叶わなくなってしまったのは、何とも残念だ。

現状はといえば、年に一度の東京・春・音楽祭の演奏会形式上演を辛うじて聴きに出かけるのがせいぜいで、まあ今年は新国立劇場でトリスタンが上演され、期せずして東京・春との競演になったのは僥倖なことだったが、それ以上に舞台上演は期待できない。

とはいいながら年齢的な衰えのゆえもあって、数年前と比べてワーグナーへの執着が明らかに減退しているのもまた事実であると言わざるを得ないのである。

そして気がついたことはといえば、間もなく我が身がワーグナーの没年齢と同じになるということだった。

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週話§日曜枯寂~バイロイトの日々[下]~ [ワーグナー]

[承前]

2008年と2016年、最後2回のバイロイト詣はレンタカーを借りたので、ホテルと祝祭劇場の間を車で往復することができたが、これは超楽ちんだった。

一番遠かったホテルは、祝祭劇場まで約2km、タキシード姿に革靴で30分をかけて歩いたのだが、当時まだ三十代だからできたことだろう。

街散策をしても、14時頃にはホテルに戻ってきて身支度を始めなくてはならない。実はかなり忙しないのだ。昔々読んだバイロイト詣にまつわる文章の中に「街を散歩して昼食を食べ、ホテルに戻って昼寝をする」みたいなことが書かれてあったと記憶しているが、実は昼寝をする余裕などあらばこそなのである。もちろん、やってやれないことはないのだけれど。

そして15時頃にはホテルを出発して祝祭劇場に車を走らせる。駐車場は劇場裏手に十分なスペースが確保されているが、できるだけ劇場近くに駐車したいのも人情だ。

~~~~~~~~~~~~~ 数時間以上経過 ~~~~~~~~~~~~~

そして22時過ぎ、車を走らせてホテルへ戻る。終演後、どこかにしけ込んで1杯という人も少なくなさそうだが、それをしたことがあるのは20時半前に終演となる『さまよえるオランダ人』1回だけで、残りはおとなしくホテルに戻り、用意した軽食とゼクトやビールで腹を収めてベッドに潜り込む……けっこうという以上に、まじめな巡礼の旅であることがわかるだろう。

↓カップ麵バンザイ!
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2008年に観た7演目は『ニーベルングの指環』四部作に始まって、最終夜の『神々の黄昏』から休みなしに『トリスタンとイゾルデ』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』『パルジファル』が連続した過密日程だったのだ。

ちなみに指環の上演は『ワルキューレ』と『ジークフリート』の翌日を休日と設定している。

『パルジファル』が2008年音楽祭の最終公演だった。その翌朝、ホテルのカウンターはチェックアウトする客の長い列が伸びていた。

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週話§土曜枯寂~バイロイトの日々[上]~ [ワーグナー]

気がつけば、2023年のバイロイト音楽祭が先週のはじめには終わっていた。初めてのバイロイト詣は1991年で、2016年を最後に打ち止めとし、我がバイロイト体験は5回、24公演で終わりを迎えたのだ。

バイロイト詣は長丁場である。上演される7演目すべてを観ようとすれば、公演前日にバイロイトのホテル入りして、最後の公演の翌朝チェックアウトしても、10泊11日を要することになる。

↓2008年に滞在したホテル
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休憩のない2演目『ラインの黄金』と『さまよえるオランダ人』の開演は18時で、それ以外は16時開演。1時間の休憩2回を挟んで終演時刻は22時半を過ぎることもあるので、まずもって体力温存……ひたすら祝祭劇場でのワーグナーを体験するためにバイロイトの時間はあるのだ。

一日は、ホテルの朝食に始まる。これはしっかり食べておいたほうが吉なのだ。朝食が終われば8時過ぎ。この先の予定はというと街の散策がせいぜいで、18時開演の日であればニュルンベルクを鉄道で往復しないでもないが、まあ、あまり無理はしないほうがよく、音楽祭のための時間は意外と忙しなかったりする。

市内の観光スポットといえば、ワーグナーが住んだヴァーンフリート荘とか世界遺産の辺境伯歌劇場程度で、たかが知れているから本当にぶらぶら歩きのウィンドーショッピングをするしかない。で、時折カフェでお茶したり。

朝食をしっかり食べているので昼は軽め。サンドイッチのようなものを店で買ってきて食べたりもした。そうして半日ほどが過ぎてゆき……。
                               [続く]

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週話§日曜枯寂~秘するが・・・・・・バイロイト~ [ワーグナー]

7月25日に開幕した2023年バイロイト音楽祭も、28日の金曜日の『タンホイザー』で千秋楽を迎える。

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コロナ禍あれこれもあって、ここ何年かは動向を観察していなかったが、どうも雲行きが怪しき様子だ。

まずもって今年の音楽祭では、ほぼ全公演のチケットが売れ残ったと聞く。かつては、10年待ちとか言われていたプラチナチケットだが、今世紀に入ってほどなく、インターネット予約が行われるようになってこのかたと思われるが、チケット購入が容易になってきていると思ってしまう。

その後、チケットは公演日が近づくにつれて売れていったかもしれないが、詳しいところはわからない。

個人的に1991、1997、2000、2008、2016年と5回のバイロイト詣をしているが、2008年と2016年と最後の2回は、音楽祭の雰囲気もずいぶん変わったように感じた。

20世紀の間は、まだまだフランケン地方の片田舎で“ワーグナー教徒”が集結する、世界一チケットが取りにくい音楽祭だったが、世紀が明けると次第に客席の様子が変化してきたような気がしたのだ。熱心なワグネリアンの中に“記念詣”をするだけの一般客が増えてきているのではないか。

加えるなら、今や多くの歌劇場でワーグナーが上演されるようになって、バイロイト音楽祭の専売特許ではなくなり、もはやバイロイト祝祭劇場という存在は、ピットが覆われた“神秘の奈落”から噴き上がるオーケストラの音を愛でることでしか価値がないのではというのは言い過ぎか……とはいえ、半世紀近く前、一度もワーグナーの舞台など観たことも聴いたこともなかった我が身に、あれほど行ってみたいと思わせたバイロイトは……既にない。

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駄話§ファーフナーという巨人は・・・・・・ [ワーグナー]

ワーグナーが作曲した『ニーベルングの指環』の『ラインの黄金』と『ジークフリート』に登場する巨人ファーフナーというキャラクターが存在する。

『ラインの黄金』の時は、兄弟であるファゾルトと仲違いした揚句、彼を殺し、指環と、思ったものに変身できる隠れ兜、そして膨大な黄金を手に入れたのだった。

そして『ジークフリート』では、隠れ兜を使って巨大な蛇に変身し、黄金を隠した洞窟に引き籠ってしまった。しかもファーフナーは、世界を我が物にできるという指環を所有しているというのに“何もしなかった”のだ。

↓バイロイト音楽祭クプファー演出の巨人兄弟。3m以上あった
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1991年にバイロイト音楽祭で観たハリー・クプファー演出の指環では“大男総身に知恵が回りかね”とでも言いたいかのように、頭の小さい巨人を舞台に登場させた。

そうしてファーフナーは、指環の力も使わず、あり余る黄金も死蔵したまま最後はジークフリートに殺されて一巻の終わり……奸計、陰謀渦巻く指環の世界に、ただ一人“得ただけ”で満足してしまった存在がファーフナーなのである。

まあ、ファーフナーを殺して指環を手に入れたジークフリートも、指環を有効活用することなく、ハーゲンに背中を刺されて死ぬ。結局のところ『ニーベルングの指環』の中で、世界を支配できた者など誰一人としておらず、指環はラインの少女たちの手に戻ることになったのだ。

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祝話§ワーグナー210歳~そして~ [ワーグナー]

今年も誕生日が巡ってきた。ちょうど10年前には、生誕二百年を迎え、バイロイト音楽祭では『ニーベルングの指環』新演出上演が行われていたのだ。

最後にバイロイトを訪れたのは2016年8月。その時は『パルジファル』の新演出に始まって『トリスタンとイゾルデ』と『さまよえるオランダ人』3演目を観たが、この時をもってバイロイト詣は打ち留め……ワーグナーの長い楽劇を旅先で観るのは、体力的&年齢的にきつくなってしまったのである。

結局我々のバイロイト詣は1991年に始まり、1997、2000、2008、そして最後が2016年と合わせて5回。24演目を観た。指環の通しが3回、オランダ人が2回、ローエングリン1回、トリスタンとイゾルデ3回、マイスタジンガー2回、パルジファル4回というもの。なぜか『タンホイザー』には縁がないまま……1989年、東急文化村オーチャードホールの柿落としでバイロイト音楽祭の『タンホイザー』は観ているけれど。

というわけで、日本というワーグナー辺境の地で、公演がある時は細々と出かけるくらいになってしまった。

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顧話§今日の歴史~あまりにも蠱惑的な~ [ワーグナー]

1865年6月10日、ミュンヘンで『トリスタンとイゾルデ』初演。

バイロイト音楽祭で上演されるワーグナーの作品で、一つだけ挙げろと言われたら、躊躇しつつ『トリスタンとイゾルデ』を選ぶような気がしている。

遡って調べてみたら、バイロイト・レパートリーの中の鑑賞回数は、21回とあって、一番に多い。そしてつくづく不思議な音楽を創り上げたものだなあと思う。

まずもって初演された時、その音楽を聴いた人たちはどう感じただろうか。我々が、トリスタンとイゾルデの音楽に惹かれるのは、第1幕前奏曲が持つ不可思議さで“トリスタン和音”と呼ばれる、当時としては斬新で媚薬的な音色のゆえなのだ。

おそらくは拒否反応を示した人たちが過半数は超えていたであろうことは、想像に難くない。ただ、この媚薬的な音楽の中毒になってしまった人たちもけっこうな数が生まれたことも事実だと思われる……そして、そんな一人が21世紀の辺境日本にいる。

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週話§日曜有閑~ワーグナー209歳~ [ワーグナー]

1876年、ワーグナー自らが建てたバイロイト祝祭劇場の柿落としが行われ、四部作『ニーベルングの指環』が上演された。

そんなワーグナーの聖地詣を合わせて5回……1991、1997、2000、2008、そして2016年である。内訳は指環通し3、さまよえるオランダ人2、ローエングリン1、トリスタンとイゾルデ3、ニュルンベルクのマイスタージンガー2、パルジファル4、延べ24回である。

通い始めた当初の目論見としては、指環の通し上演を5回観られればなあと考えていた。まあ、あながち実現不可能な設定ではなく、定年後に3回ほど出かければ観られたはずだ。

だが、このコロナ禍のおかげで目論見が完全にくずれてしまった。70歳をめどに3回詣でて、バイロイトとさようならするつもりだったが、この状況の中で、そうすることは無理そうだと判断。今年初め頃に、バイロイト音楽祭に別れを告げた。

クプファー演出の指環、ハイナー・ミュラー演出のトリスタンとイゾルデ、ヘルハイム演出のパルジファル、そしてティーレマンが振った指環。特に、2008年は、指環4演目通しに加えて、トリスタン、マイスタージンガー、パルジファルの後期重量級7つを9日間で観ることができた。これは、一度でいいからやってみたかったことである。

演奏も演出も、それぞれよかったりよくなかったりだったが、上で書いた舞台がバイロイト詣の白眉と言っていい。

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一つだけ残念なのは現地で『タンホイザー』を一回も観ることができなかったことだが、これも1989年に東急文化村の柿落としで行われた、バイロイト音楽祭引っ越し公演で観たことでよしとしておきたい。

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奇話§ローエングリン~東京・春・音楽祭~ [ワーグナー]

都心の桜が満開となった先週の水曜日、3年ぶりとなる東京・春・音楽祭のワーグナー・シリーズ『ローエングリン』演奏会形式を“聴いて”きた。

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指揮:マレク・ヤノフスキ

ローエングリン(テノール):ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー
エルザ(ソプラノ):ヨハンニ・フォン・オオストラム
テルラムント(バス・バリトン):エギルス・シリンス
オルトルート(メゾ・ソプラノ):アンナ・マリア・キウリ
ハインリヒ王(バス):タレク・ナズミ
王の伝令(バリトン):リヴュー・ホレンダー
ブラバントの貴族:大槻孝志、髙梨英次郎、後藤春馬、狩野賢一
小姓:斉藤園子、藤井玲南、郷家暁子、小林紗季子

管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン

久々に聴く生ワーグナーに満足しての帰宅。とはいえ、演奏会の直前には、SNSで何やらなあれこれが流れてきて、少しばかり不安を抱いて東京文化会館4階席へ座る。

あれこれというほどのことはなく、ワタシ的には(当社比)楽しめたというところだが、幕間には次の幕を必死にさらいまくるオーケストラの音が聴こえてきて……はてこれまでの東京春祭でこれほどに聴こえたことがあったかと思った。

ヤノフスキの指揮は相変わらず速めのテンポで、時にせっかちと感じなくもないが、特に第三幕では拍手が鳴りやまないうちに前奏曲のタクトを下ろしたのは、かつてのクライバーを思わせないでもなく。

歌手では、エルザを歌ったオオストラムがいかにもエルザらしい清純さを表出していて満足。タイトルロールのヴォルフシュタイナーは、最初不安定で大丈夫かと心配したが、徐々に調子を上げて最後の名乗りまで行ってくれたのはよかった。

合唱指揮のエベルハルト・フリードリヒは、ベルリン国立歌劇場の合唱指揮者で、バイロイト音楽祭の合唱指揮者を20年以上続けている。

というわけで、生クラシックを聴くのは去年9月の神奈川フィル以来だから半年ぶりである。

この日もコロナ禍に鑑み、車での往復……行きは首都高の渋滞で2時間ほどかかったが、帰りは1時間10分とサクサク走って、帰宅したのは23時直前。そそくさと風呂に入って何とか午前様にはならず。

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週話§日曜粛々~バイロイト音楽祭~ [ワーグナー]

昨年は中止を余儀なくされたバイロイト音楽祭だが、今年は観客数を制限してチケットを発売。本日7月25日に『さまよえるオランダ人』の新演出上演で開幕する。

収容観客数は満席の15%程度……それで採算が取れるかどうかはわからないが、夏ひと月だけが“商売”する期間なので、とにもかくにも厳しいことに変わりはない。

ただでさえ密室も同然の祝祭劇場内空間、さらに覆いで塞がれたオーケストラピットと悪条件が揃いまくっている。

いずれニュースで報道されるだろうが、どのような音楽祭となるものか。

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響話§バイロイト音楽祭開幕の日ですが [ワーグナー]

今年のバイロイト音楽祭は、コロナウイルス感染拡大を受けて、3月末には中止が宣言された。予定では『ニーベルングの指環』四部作の新演出上演が行われるはずだったのだが。

↓以下、写真はすべて2008年に訪れた時のもの
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この決定の結果『ニーベルングの指環』上演は、さらに遅れて2022年と2年遅れることになってしまい、来年も指環のないバイロイト音楽祭になってしまう。

↓開演15分前、10分前、5分前と演奏されるファンファーレ
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我々も2016年以来のバイロイト詣を来年あたりに予定していたのだが、先行きが見えなくなってしまった。年齢も年齢だし、今度の指環を観てバイロイト詣納めにするつもりでいたのだが。

↓幕間休憩時に正面入口から
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とはいうものの、換気環境が良好とはいえない祝祭劇場の客席がどうなっていくものか……しかも、祝祭劇場の“神秘の奈落”と呼ばれているピットは覆いが被さっているので、オーケストラのメンバーにとっては危険極まりない仕事場でもある。

↓同じくファンファーレが演奏されるバルコニーから
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そんなわけで、来年以降の音楽祭がどのような形態で開かれるものか、まだまだ想像することはできない。そんな中にあって、オーストリアのザルツブルク音楽祭は、規模と期間を縮小したものの、8月1日から30日までの予定で音楽祭を行うということだ。

↓右が舞台最奥部で、装置の搬入口が
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多くの音楽祭が中止を余儀なくされ、コロナ禍の中における開催についての試行錯誤は、なおも続く。そして我々のバイロイト詣だが、2年後、あるいは3年後にきちんと訪れて“納め”とすることができるだろうか。

↓劇場ホワイエにあった座席表。客席定員1974名
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祝話§ワーグナー207歳 [ワーグナー]

コロナウイルス騒ぎの中、リヒャルト・ワーグナー207歳の誕生日である。

こんな時世だから世界中のオペラハウスは閉鎖され、7月のバイロイト音楽祭も中止となってしまった。

音楽好き、クラシック好き、オペラ好き、そしてワーグナー中毒者にとっては、自宅にこもりながら手持ちのCDや録画された映像で我慢するしかないのだ。

生音至上主義者にとっては、さらに試練の日々が続くことになるだろう。

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