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翔話§パーヴォ・ヤルヴィのジュピター [クラシック]

“恒例”オペラシティでのパーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団の演奏会。ヒラリー・ハーン急病でキャンセルとなって、樫本大進の独奏でベートーヴェンの協奏曲となった。


シューベルト:イタリア風序曲第2番 C-Dur D591
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 D-Dur Op.61

[ソリスト・アンコール]
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 C-Dur BWV1005“ラルゴ”

~~~~~~~~~~~~休憩~~~~~~~~~~~~

モーツァルト:交響曲第41番 C-Dur Kv.551『ジュピター』

[アンコール]
シベリウス:悲しきワルツ Op.44-1

軽い前菜のようなシューベルトに続く樫本のベートーヴェンは、華やかさはないものの、貫禄で手堅くまとめた安全運転+α……こんなタイミングでレベルの高い代演が日本にいてくれたことに感謝しなくてはならない。アンコールはバッハの無伴奏。

そしておめあてのジュピター。いつものとおりパーヴォらしく、ダイナミックレンジにメリハリをつけて機能性の高いオケをドライブしていく。これまでだったら、とりたてて不満を感じることはなかったのだが、ジュピターである。個人的にも思い入れの強い曲ゆえ、あるべき高みへと誘ってくれるところを、なかなかそこまで行ききってくれない、どこかもどかしいものを感じる。

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そして、心待ちにしていた“C-D-F-E”の主題がホルンによって奏されるところ―リヒャルト・シュトラウスが「私は天国にいるかの思いがした」―と述懐したところ……残念ながら昇天が叶うことはなかった。いや、これは贅沢なわがままであることは十分にわかっているのだ。

jupiter.jpg

というわけで、この日は期待したカタルシスを得ることは叶わなかったが、手術直後に充実した音楽を聴けたことは間違いないことだった。

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直話§“一流”と言われるものを・・・・・・ [クラシック]

結局、残念ながら審美眼のようなものは我が身の中に育ってくれなかった。

世間的にな評価として“これは優れている”と言われるあれやこれやを鑑賞してきたはずなのに、眼の前にあるものの優劣評価が、ほんの少ししか為すことができないのだ。

まあ、それが凄いと感じられるのは“超”と言われるような弩級のパフォーマンスを体験した時くらいなものだし、逆のほうでは、やはり“超”がつくようなトンデモなパフォーマンスでないとひどいとは感じられない。

そして問題なのは、その間に膨大に存在している“どうってことのない”とか“普通の”パフォーマンスなのである。

それらが単に普通で、どうってことのないものなのか、それとも聴く耳がある人間であったら、キラリと光る何かがあると感じ取れるものなのか、そして残念ながら、自分にはそうした感性を持ち合わせていないのだ。どうやらこのまま人生の終わりを迎えそうだ。

そんな“鈍ちん”ではあるけれど、時には全身から“わおー!”と叫びたくなるようなパフォーマンスに出くわすことがあって、2013年だったか、ベルリンのフィルハーモニーで聴いた、ダニエレ・ガッティ指揮のアムステルダムコンセルトヘボウが演奏したプロコフィエフの『ロメオとジュリエット』組曲がそれだった。



アムステルダムで行われた同じ演奏の一部を見つけたので貼っておくが、それはもう、阿鼻叫喚というか“組曲如き”などと、客席で呑気に構えていた我々夫婦を吹き飛ばしたのである……まあこういうこともあるってことだ。

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聳話§音楽がイメージさせるもの~オルガン~ [クラシック]

時折だが、音楽を聴いていて具体的な映像が頭の中に浮かび上がってくることがあるのは自分だけだろうか。

カミーユ・サン=サーンスは19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスの作曲家だが、彼の作品に交響曲第3番『オルガン付き』という傑作があってしばしばコンサートで演奏されている。そして、パイプオルガンが前面に出て演奏される“ここ”にやって来ると、いつも同じ映像が見えるのである。



それは、ヨーロッパの大聖堂の柱が建ち並んで見上げているところなのだ。オルガンの分厚い強奏に、弦の合奏がせり上がっていく……それがこれだ。

↓ミュンヘンのフラウエン教会(ウィキペディア)
Frauenkirche,AinmillerSchwindL1020016_(2).JPG

つまりは、こんな映像が頭の中に存在しているのである。音楽と映像とは、あまり関連性がないのだと論じる人は少なくない。だが、人間の深層心理は時として勝手に頭の中で映像を創造してしまうのである。

そしてそれはたぶんフランスの印象派の音楽に顕著に表れる。ドビュッシーのピアノのための映像とか前奏曲集と、作曲者もそのことを意図しての音楽だったりしないでもない。だが、時に表題とは違う映像が頭の中を流れていくことも珍しくはない。

音楽が脳を刺激して勝手に映像を創り出す様は、それはそれでおもしろいものだと思っている。

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顧話§今日の歴史~享年五十三~ [クラシック]

1893年11月6日、チャイコフスキー逝去。

交響曲6曲、ピアノ協奏曲にヴァイオリン協奏曲、そして“三大バレエ”といった傑作を創り上げたチャイコフスキーの命日である。

彼の作品の実演を初めて聴いたのは、小学生の時の群馬交響楽団移動音楽教室で『くるみ割り人形』から何曲かだった。その時は、ただ単に楽しい音楽ばかりだとしか感じなかったが、長じて他の作品に接したところで、オーケストレーションの見事さに舌を巻くようになった。

主題が流れていく裏で、様々な色付けが為されていく様子は、まさに耳の愉悦そのものである。表に出てくるメロディーだけでも美しいのに、そうしたメロディーを彩る副旋律が見事で洒落ているところ……もはや脱帽である。

そんなチャイコフスキーは、ある集まりの席で周囲の人が止めるのも聞かずに生水を飲んだことからコレラにかかって死に至ったという話だが、53歳とはいかにも早い死が痛ましい。

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波話§ターリヒ弦楽四重奏団[2024.11.2] [クラシック]

武蔵野市民文化会館小ホール……月曜日のアレクサンダー・コブリンに続いて、土曜日はターリヒ弦楽四重奏団のスメタナとドヴォルザークを聴いてきた。

開演前、おもむろに招聘元が登場して「第2ヴァイオリンの荷物がロストになってまだ届いていないので“普段着”で演奏します」とお断りのアナウンスがあって客席が笑いに包まれた。そんな少しリラックスした空気の中を4人が登場したが、全員が黒シャツ&黒ズボン姿だったので違和感なし……第2ヴァイオリンの靴がスニーカーと見えたくらいだが。

talichquartet.jpg

スメタナ:弦楽四重奏曲第2番 d-moll

ドヴォルザーク(J.カバット編):ジプシーの歌 Op.55
第1曲:我が歌ひびけ
第2曲:きけよトライアングル
第3曲:森はしずかに
第4曲:わが母の教えたまいし歌
第5曲:弦を整えて
第6曲:軽い着物
第7曲:鷹は自由に

ドヴォルザーク:モラヴィア二重奏曲より
第4曲「仲良く別れよう」 第11曲「とらわれた花嫁」

**********************休憩**********************

スメタナ:弦楽四重奏曲第1番 e-moll「わが生涯より」

[アンコール]
ドヴォルザーク:ワルツ第2番 Op.54-2
ルーマニア民俗曲“Hora Martisorului”

本当に久しぶりのボヘミア音楽を聴いた。このところ弦楽四重奏といえば、ベートーヴェン度高めで聴いていたが、スメタナやドヴォルザークの音楽に少しばかりほっとさせられた……そんな演奏会だったのである。

4人のテクニック、音色が揃っていて、音楽が締まって聴こえてきた。もちろん、ベートーヴェンともシューベルトとも違う、というよりも親しみやすい音楽が、スメタナやドヴォルザークの身上であろう。

スメタナの2曲に挟まれたドヴォルザークの編曲物は、取ってつけた感じがあって、スメタナの端然とした音楽からしたら物足りなさも感じないではなかった。

本プロでは、やはり最後に演奏された1番の音楽が、各楽器の主張も十分に聴き取れてこの日の白眉である。

2曲演奏されたアンコールのうち、ルーマニア民俗曲がロマ(ジプシー)風と思われるテクニックがふんだんに詰まっていて客席もおおいに沸いたのだ。

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蕪話§アレクサンダー・コブリン[2024.10.28] [クラシック]

平日月曜日の14時開演という、暇な高齢者しか来れないような演奏会に行ってきた。武蔵野市民文化会館小ホールらしいというか。

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ロシア生まれで現在はアメリカ国籍のアレクサンダー・コブリン。ピアノはShigeru Kawaiのコンサートグランド。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 E-Dur Op.109
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番 As-Dur Op.110
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 c-moll Op.111

この日は休憩なし。3曲をほとんど切れ目なくアタッカで弾き繋いでいってくれた。この3曲だが、個人的には休憩を入れずに演奏してくれるほうがありがたい。というか、1曲目の後であろうが2曲目の後であろうが、休憩を入れるのは中途半端でしかないと感じる。弾くほうも聴くほうもきついが、70分一気に演奏してくれたほうが緊張感が持続するような気がするのだ。

さて、実演も10回近く聴いているはずだが、相変わらず3曲を掴みきれないままでいる。何というか、捉えどころがないと感じてしまう。30番の冒頭はロマンチックな楽想で、またこの曲が聴けるのかと期待を抱かせるのだが、この日も聴き進んでいくにつれ、道に迷って途方に暮れている自分がいる。



コブリンのピアノだが、もう少し粒立ちがはっきりしていてほしいところがあった。時に打鍵が強くて、ワタシ的にはもう少し音量をセーブしてほしいとも感じた。

コブリンの2週間前、同じ武蔵野でイモージェン・クーパーが同じプログラムを演奏する予定だったが、直前に腕を負傷してキャンセル……聴き比べの機会だったのに残念である。

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顧話§今日の歴史~ため息のような~ [クラシック]

1885年10月25日、ブラームスの交響曲第4番が初演される。

つい先日、97歳のヘルベルト・ブロムシュテット指揮のN響で聴いたばかりの“ブラ4”が、1885年のこの日に初演された。

ブラームスが書いた交響曲は全部で4つ。第1番は1876年に完成したので、交響曲の創作期間は10年に満たない。それだけ、力を入れ、自分の持てる能力を注ぎ込んだということだろう。

Orchesterwerke_Romantik_Themen.pdf.jpg

上は第1楽章冒頭で、ため息のような音型が上下するだけ……昔々「これが主題と呼べるのかねえ」と呟いた指揮者がいたとかいなかったとか、センチメンタルそのものである。それが壮大な大伽藍のような終楽章に行き着くとは、げに作曲者の頭の中で何がどう考えられていたものか。

たった4曲しか書かなかったので、時折何番が好きなのか順番をつけてみるが、だいたい1番か2番が首位争いをして、4番がトップに立つことは少ない。まあ、そんな順位付け自体がナンセンスなのではあるけれど。

はい、4曲とも好きですよ!

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歩話§ウォークマン今昔 [クラシック]

ソニーからウォークマンが発売されたのは、宮仕えを始めた2年目1979年のことだった。その製品を見た時「こういうのが欲しかったんだ」と思った。

だが、購入したのはずいぶん後になってからのことで、新製品に飛びつくような質(たち)を露呈させたのである。

ただ、カセットのウォークマンとCDウォークマンを買ったのだったが、ほとんど活用することなく終わってしまったのだ。

その理由はと問われたら、外出して表で音楽を聴くという行動形態が自分の性に合わなかったからである。

電車の中で本を読んだりはしても、ことさらに音楽を聴こうとは思わなかったのは、自分が聴いている音楽がロックのような音量大き目ではなく、フォルテとピアノの変化が大きいクラシックだったからではないか。

iPod touchを手にした時、再度聴いてみようと試みた。だが、電車内では、ピアノの音量に合わせると、今度はフォルテがとんでもない音量で耳を脅かすことになり、結局は自分にとってウォークマンの類とは縁のないまま。

だから今、多くの人が使っているワイヤレスのイヤホンで聴くことなどとは金輪際ないままである。

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連話§ブロムシュテット九十七歳 [クラシック]

……という年齢を微塵も感じることのない演奏会だった。日曜日のNHK交響楽団A定期を聴いてきたのだ。

オネゲル:交響曲第3番『典礼風』

*****************休憩*****************

ブラームス:交響曲第4番 e-moll Op.98

今年も一回券を購入し、3階席てっぺんでの鑑賞。半世紀近く前に2年ほど定期会員になっていたが、その頃から比べると、ホールの音響がずいぶんと向上したように感じる。半世紀の間にN響の性能が格段に上がって、ホールにはまるようになってきたということもあるだろうか。

1曲目のオネゲル……初めて聴くので、どう聴いたらいいのか手探り状態。3楽章構成のうち、終楽章“われらに安らぎを与えたまえ”の静謐さが印象的だったが、30分ほどの音楽を捉えきれないまま。静かに音楽が終わって、10秒ほどの沈黙が音楽を物語っていたようだ。

休憩後のブラームスは、何の衒いもなく真正面からブラームスの音楽に切り込んでの“何も足さない、何も引かない”すっきりとしたフォルムの音楽が展開していった。ブラームスのセンチメンタルが凝縮されているような交響曲で、やろうと思えばいくらでもセンチメンタルに演奏できる音楽だが、そうした誘惑をすっぱりと断ち切ってのブラームスだった。

97歳とは思えないテンポとダイナミズム、N響が渾身の演奏で指揮に応えたのである。管楽器グループのアンサンブルも見事だったが、とりわけ弦楽器の雄弁さが際立っていたのではなかったか。フライング・ブラボーもなく、音楽が終わって少しだけ間を置いての喝采。

九十七.jpg

足元がおぼつかないブロムシュテットはコンマスに支えられて舞台袖からの登場。簡単なカーテンコールで終演したのだった。

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週話§土曜流転~カセットテープ~ [クラシック]

カセットテープでマメにエアチェックしていたのは1980年代のことだった。FMで放送している演奏会のライブをタイマー予約録音したものだ。

録音したら、当時愛読していた隔週のFM-fan誌の番組表を切り抜いてカセットケースのカ
バーに貼り付けたりして保存していた。

もっぱら使っていたのは往復90分テープで、それ以上薄い往復2時間はテープが薄くて、切れやすいと言われていたので、よほどのことがない限りは手を出すことはなかったのである。

↓愛用していたのはTDK
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カセットデッキだが、最初は片道録音の機種で、手動で裏返すものだったが数年でオートリバースに買い替えた。オペラなどは長時間の演奏ゆえ、一度はひっくり返さなくてはならず、できるだけ継ぎ目なく録音したいと買い替えたのだ。

そんなエアチェックもFM-fanが廃刊になってしまったりして、次第にしなくなってしまった。そんな中にお気に入りのライブ録音が何点か残していたのを、同好の知人に譲ったら、何と親切なことに、CD-Rに焼いてくれたのは、本当にありがたいことだった。
 
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顧話§今日の歴史~音のない音楽~ [クラシック]

1952年8月29日、ジョン・ケージの『4分33秒』初演。

ゲンダイオンガクとは何なのだろう……ストラヴィンスキーの『春の祭典』で思考がストップしている人間にとっては、今だに答えなど出てきてくれていない世界である。

『4分33秒』の存在を知ったのは、クラシック音楽を聴き始めてまだ間もない頃に読んだ音楽の友の記事ではなかっただろうか。

記事には“無音の間のノイズを聴く”とかみたいな御託が書かれていたが、それでもピンとくることはなかった。

4分33秒は3楽章構成のピアノ曲で……

Ⅰ:TACET……33秒
Ⅱ:TACET……1分20秒
Ⅲ:TACET……2分40秒

……と指定されている。TACETは音楽用語で“長い休み”である。

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ジョン・ケージ生誕百年を記念して発行された楽譜の写真を貼っておく。

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興話§音楽のスコアを眺める・・・・・・だけ [クラシック]

我が家に数十冊のクラシック音楽の交響曲や協奏曲、弦楽四重奏曲などなどのスコアが本棚に収まっている。

初めて買ったスコアは、中学2年くらいの時でドヴォルザークの新世界交響曲だった。なぜスコアを見てみたいと思った最初の動機が何だったのか……それは記憶にはないけれど、テレビでオーケストラのコンサート中継を見た時に、指揮者が眼の前でめくっている“あれ”が何なのか興味を惹かれたのは間違いない。

それから、あのスコアの中に音楽が詰まっているのではと想像して、それを眼にしてみたいと思ったのだろう。そうして、新世界交響曲のスコアを見つけて手に入れたのは、実家近く大通りの商店街の中にあった楽器屋だった。

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半世紀以上前の全音楽譜のポケットスコアの表紙は青いビニール装幀で、その当時買ったのは、新世界とベートーヴェンの交響曲第五番の2冊である。

そして……読めないのだ。

音楽を聴きながら、1ページから目を通し始めたが、五線譜に書かれた音符であることはわかっても、それらをどのように読んでいってやればいいのかさっぱりわからなかった。

だが、しばらく同じことを繰り返しているうちに、何となく音楽を聴きながら音符をたどれるようになったのだ。だが、そこ止まりでそれ以上先に進むことはできないまま。

読譜して、頭の中で音楽を鳴らすなどということなどできようはずもなく、音楽を聴きながら楽譜をなぞるだけである。ちょっと音楽を学んだ人たちであれば、調性がどうだとか、様々な情報を楽譜から読み取ることができるところを、素人にして音楽的素養皆無の人間にできることといったらその程度でしかないのだ。

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週話§土曜流転~演奏会は2時間~ [クラシック]

もちろん伸び縮みはあるが、大雑把にクラシックの演奏会は2時間である。オペラやバレエだったら3時間とか4時間、ワーグナーの楽劇であれば5時間から6時間を要することもある。

日本における夜のコンサートの場合、19時に開演、21時が終演時刻である。欧米では、これから一時間遅い開演時刻が一般的である。もちろんマチネーも同様。

かつてお約束的にあった典型的なプログラム構成は、序曲や前奏曲が10分、協奏曲が30分、そこに20分の休憩を挟んで、最後に40~50分ほどの交響曲でちょうど2時間というもの。

そして、そこに様々な要素が入る。たとえばブルックナーやマーラーなどの交響曲は、短くても70分から90分くらいを要するので、休憩なしの一本勝負ということも珍しくない。

記憶の限りだが、オーケストラの演奏会で最も公演時間が短かったと思われるのは、1987年のザルツブルク音楽祭でカラヤンがベルリンフィルを振ってのタンホイザー序曲(約15分)、ジークフリート牧歌(約20分)、そしてトリスタンとイゾルデ前奏曲と愛の死(約20分)と一時間足らず……おそらくは休憩なしで3曲演奏しておしまいだったのではないか。

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これでチケット代が他と同じでは身も蓋もないなあとは、その当時に思ったことである。
 
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報話§モーツァルトの社会学 [クラシック]

歴史上の出来事と同時代に生きていた人たちとが、どのように関りを持っていたのか、個人的には興味があって調べてみたりすることがある。

例えば、アメリカが独立宣言を出した1776年、二十歳のモーツァルトはザルツブルクで宮廷音楽家として仕事の日々にあったわけだが、そんなモーツァルトが、アメリカという国の存在や、独立を宣言した……そうした出来事を知っていたのだろうかと考えたことがあった。

それで、ネットの中を自分が考えられる範囲で調べてみた。残念ながらモーツァルトとアメリカとの関りあいについて日本語で書かれた資料を見つけることはできず。

ならばと、1989年……モーツァルトの死の前々年に起きたフランス革命について、どれほど知っていたのだろうかと。これも調べてみたが、日本語については見つけ出すことができなかった。

はたしてアマデウスは“幼なじみ”のマリー・アントワネットが、断頭台で最期を迎えたこととかをどれくらい知っていたのだろうか。

さすがに新大陸の出来事については知らなくとも、お隣さん同然の国の大事件を知らないはずはあるまい。

個人的には、こうした事象について興味を持ったりしているわけだが、史学では、学問的に興味を持たれることなく、個人的な事象として顧みられることはなさそうだ。

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週話§日曜流転~電子チケット~ [クラシック]

電子チケットを最初に利用したは、日本ではなくドイツのコンサート会場でのことだった。

↓ベルリンでコンセルトヘボウを聴いた
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旅行前、日本からインターネット予約をするのだが、予約サイトでチケットの引き取り方法を尋ねられ、そこで「電子チケットを発行するから、プリントアウトしたものを持参するか、スマホにチケットをキャプチャーして」と指示され、これは何とも便利なものだと感心したのである。

そして相変わらず日本はこうしたソフト面でのサービスが遅れて、どうしてさっさと導入しないのかと思っていたのだが、10年前あたりだったか、ようやく電子チケットを発券するところが現れてきたが、本当に動きが遅い。

そうしたら、電子チケットの発券システムが複数出現してきていて、中には「スマホを持っていないと使えません」なんていうのもあって、ガラケーを今だに使っているワタシはどうなるの?なのである。

しかも、ドイツの電子チケットを購入したときは、券面のチケット代のみでそれ以外のシステム利用料は発生しなかった。ところが、日本の電子チケットにはシステム利用料を取るところもあって、何とケチ臭いことよと、我が国の希薄なサービス精神を嘆くのであった。

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