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銀話§ばらの騎士~バイエルン国立歌劇場~ [リヒャルト・シュトラウス]

カルロス・クライバーも指揮をしたバイエルン国立歌劇場の看板舞台だったリヒャルト・シュトラウスの『ばらの騎士』が先月新演出上演された……。

1972年にオットー・シェンク演出、ユルゲン・ローゼの舞台で上演が始められて、50年の長きにわたってミュンヘンのオペラ好きに愛好された名舞台が消えてしまったのである。

過去、旅行中に2回観ることができた舞台は、何とも贅沢で“オペラを満喫した”という充実した時間を過ごせたのだが、もうあの舞台は存在しない。

欧米におけるオペラ上演は、それがどんなに優れた演出&舞台であっても、演出家以下の制作陣を一新、新しい舞台を構築しての上演を試みるのだ。

そこが、演出家なるものが存在しない歌舞伎舞台とは異なるところだろう。新作歌舞伎でもない限り、黙阿弥や近松が描いた時代そのままで、間違っても白浪五人男がスカジャンで登場することはない。

だが、欧米におけるオペラ演出は、時代や場所を軽々と超越し、宇宙船の中で『パルジファル』の舞台が展開したりもする。

というわけで、個人的にも好きだった舞台がなくなり、ミュンヘンの新しい『ばらの騎士』がライブストリームで上演されたのを少しだけ観たが、その少しだけでやめてしまった。



かつての演出でよかったのにと思っていたら、やはり似たようなことを考えている現地の愛好家が「我々の『ばらの騎士』を返せ!」という署名活動を始めていたので、早速賛同しておいた……仮に、ミュンヘンに行って新演出の『ばらの騎士』が上演されていたとして、観に行くとは考えにくい。

頭ではわかっていることだが、素直に受け容れることが難しいこともある。

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