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週話§日曜有閑~彼女は家を出て行く~ [ビートルズ]

ビートルズの“She's Leaving Home”は、彼らが作った中で最高傑作のアルバムと世評に高い『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の中に収録された一曲である。

デイリーミラー紙に掲載された、ある一人の少女の家出のニュースを読んだポール・マッカートニーが、記事に触発されて作詞したのだったが、詩の内容を知れば知るほどこうした日常の淡々とした出来事が歌詞になるんだと、聴けば聴くほど驚嘆するのだ。どんな歌詞であるか下手糞な訳を試みたが、間違いもありそうで……まあ、こんなものだという様子を掴んでもらえればと思う。

そして死ぬほど美しい音楽。



Wednesday morning at five o'clock, as the day begins
Silently closing her bedroom door
Leaving the note that she hoped would say more
She goes downstairs to the kitchen clutching her handkerchief
Quietly turning the backdoor key, stepping outside, she is free

水曜日の朝5時……一日の始まり
静かに寝室のドアを閉め
書ききれない思いを認めた置き手紙を残す
ハンカチを握りしめ階段を下りて台所へ
そっと裏口の鍵を回し……外に一歩踏み出せば彼女は自由

She (We gave her most of our lives)
Is leaving (Sacrificed most of our lives)
Home (We gave her everything money could buy)
She's leaving home after living alone for so many years (Bye bye)

彼女は……
(私たちは娘にすべてを捧げた)
出ていく……
(人生の大半を犠牲にしたんだ)
家を……
(お金で買えるものは何でも贖った)
彼女はずうっと孤独をかこっていた家を出て行く
(バイバイ)

Father snores as his wife gets into her dressing gown
Picks up the letter that's lying there
Standing alone at the top of the stairs
She breaks down and cries to her husband, Daddy, our baby's gone
Why would she treat us so thoughtlessly?
How could she do this to me?

夫はベッドで高鼾、妻はガウンを羽織って起き出すと
娘の置き手紙に気がつき、それを読むや階段の上で茫然自失
そして夫に向かって泣き叫んだ
「あなた、私たちのあの子が出ていっちゃったわ!」
「なぜ、こんな心ない事をするの?」
「どうして、こんな仕打ちをするの?」

She (We never thought of ourselves)
Is leaving (Never a thought for ourselves)
Home (We've struggled hard all our lives to get by)
She's leaving home after living alone for so many years (Bye bye)

彼女は……
(こんなこと考えもしなかった)
出ていく……
(私たち自身のことを考えてもいなかった)
家を……
(必死に生活することに心を砕いてきたんだ)
彼女はずうっと孤独をかこっていた家を出て行く
(バイバイ)

Friday morning at nine o'clock, she is far away
Waiting to keep the appointment she made
Meeting a man from the motor trade

金曜日の午前9時……彼女ははるか遠く
待ち合わせの相手は自動車販売の営業マン

She (What did we do that was wrong)
Is having (We didn't know it was wrong)
Fun (Fun is the one thing that money can't buy)
Something inside that was always denied for so many years (Bye bye)
She's leaving home (Bye bye)

彼女は……
(私たちは間違っていたのだ)
求めている……
(間違ってたなんて気づきもしなかった)
楽しいことを……
(楽しみとは金で贖えないこと)
長いこと彼女の心情のすべてが否定され続けてきた
(バイバイ)

彼女は家を出ていく
(バイバイ)

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週話§日曜有閑~Let It Be~ [ビートルズ]

1970年の今日、ビートルズ最後のアルバム“Let It Be”が発売された。

発売に先立つ4月10日、ポール・マッカートニーがビートルズから脱退すると発表。ビートルズ解散を求める訴訟を起こし、翌年には裁判所が訴えを認め“ビートルズ解散”が確定したのである。

そんな最中、秋にはアルバムと同名の映画が封切され、高校生だったワタシは東京は有楽町スバル座に馳せ参じ、入れ替えなしをいいことに、連続3回観るという暴挙をしたのだった。

今にして思えば、映画の中の彼らの間には冷ややかな風が吹いていたのだと感じるが、世間知らず真っ盛りのワタシには、そこまで読み取れるはずなどなく、ラスト……ビルの屋上で突然に始まった『ゲットバック』のライブにけっこう興奮したのだ。

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顧話§今日の歴史~イマジン~ [ビートルズ]

1980年12月8日、ジョン・レノンがニューヨークで射殺。

ジョン・レノンが射殺されたというニュースは、阿佐ヶ谷駅近くの居酒屋にいた時、ラジオのニュースで訃報が流れてきたのだった。

ビートルズの解散から10年、イギリスではなくニューヨークを拠点に活動をしていたのだということも知ったのだが、インターネットなどが存在していない時代ゆえ、動向などは早々わかるものではなかったのだ。

ラジオからの訃報を聞きながら酒を呑む手が止まり、しばし粛然とした……そんな冬の居酒屋から41年の年月が流れたのである。

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週話§土曜粛々~Let It Beを聴こう~ [ビートルズ]

1970年の今日、ビートルズ最後のアルバム“Let It Be”が発売された。

同じ年、高校1年だった秋、同名の映画が封切された。田舎町までやって来るのは年明けなのは間違いないので、東京まで出向いて観ることにした。今はなき有楽町のスバル座である。

入れ替え制ではなかったのをいいことに、朝一番から3回続けて観るという何ともな暴挙を試みたのだ。

おかげで、この不可思議なドキュメンタリー映画を観た当時は、かなり把握したつもりになっていた。

彼らのレコーディング・セッションを脈絡もなくダラダラと撮影しただけの映画だったわけだが、何となく4人全員が他人事として、白々とした空気が全編漂っているように感じられ、唐突に屋上で行われた『ゲット・バック』の印象のみが強烈だったという記憶である。

この年、ビートルズは解散。残されたのが『レット・イット・ビー』のアルバムなのだ。

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懐話§昭和三十年代~ビートルズ小史~ [ビートルズ]

[承前]

ビートルズの存在を知ったのは、東京オリンピックが行われた1964年のことで昭和三十年代最後の年のことだった。

当時は小学校4年で、クラスの中でも物事に目ざとい同級生が、休み時間に「知ってるか、イギリスにビートルズっていう男なのに髪の毛の長いグループがいるんだぜ」と教えてくれて、それからしばらくして写真で彼らの姿を見たのだ。

今の基準からしたら“長い”とはとても言えない程度の長さで、それでも、へえ……こういうのが流行りになるのかと思ったのである。小学校6年生の時に来日公演が行われたが、コンサートよりも周辺の騒動の記憶しか残っていない。

ビートルズの音楽を聴いたのは、その後しばらくしてからで、小学生の身には何が何だかわからないまま……すこしおもしろく感じてきたのは、中学生になって英語の勉強が始まって以降のことではなかったか。実家にレコードプレイヤーがなかったので、友達の家に押しかけては、何人かで新しい録音を聴いたのだった。

一番強烈な記憶は、その頃に聴いた『ヘイ・ジュード』で、シングルレコードA面に7分超という、当時でも5分を超えるような曲などなかったので、印象に残っているが、最後のほうは“ダーダーダーダダダッダー”が延々と続いたことに閉口したのだが。

その後、まあそこそこにビートルズの音楽に親しんでいたところが、1970年4月にポール・マッカートニーがビートルズからの脱退を宣言し、翌年には正式解散となった。そんな最中の10月頃に、映画『レット・イット・ビー』が封切りされ、田舎町から東京は有楽町スバル座まで観に行ったのである。

letitbe.jpg

ビートルズに感謝したいのは、彼らの音楽のおかげで英語への親しみが増したことであろう。
                               [続く]

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