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拙話§フルート~大学に入ったら・・・・・・~ [フルート]

所詮は“井の中の蛙”の地方出身者ということだった……大学に入って、講義以外に出向いたのは、管弦楽部の部室だった。中学校を卒業する頃から、フルートを吹き始めていて、独学ではあったけれど、まあまあ指も動くようになってくれたのを勘違いして、それで大学に入ったらオーケストラにと考えたのだ。

それが井の中の蛙と思い知るまでに一週間もかからなかった。みなさん上手なのである。そしてフルート人口は多く、一学年4人か5人の腕っこきがゴロゴロいた。あまつさえトップクラスは(彼も地方出身者だが)、大学オケから選抜されるジュネスのメンバーに選ばれたりもしていた。

そんなわけで、技量の優劣などたちどころにわかり、今度は身の振りかたを考えなくてはならなかったが、まずもって木管、金管セクションは競争率が高く、残された選択肢は弦楽器でも、ヴィオラかチェロあたりで、そうすると楽器の調達を考えなくてはならない。

さらにわかったことだが、夏休みには合宿に加えて地方を巡回して移動音楽教室みたいなこともやるのが恒例なのである。

貧乏大学生で、夏休みはアルバイトしてとか考えていたが、オーケストラに入っていては、アルバイトはできないばかりか、干上がってしまうのは火を見るより明らかだった。

そして……数少ない可能性がすべて潰え去ってしまった6月、未練などなく潔く退部を申し出て、2か月在籍した管弦楽部員が一人消えていったのだ。

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管話§ドビュッシーのフルート~シリンクス~ [フルート]

合わせて15年くらいはフルートを吹いていた時期がある。結局はうまくなることもなく終わってしまったのだが。

そんなわけでフルートの“名曲”と呼ばれるいくつかはお約束のように試みて、まあまあ何とかなったのもあれば、まるで歯が立たずだった曲も山のようにあった。

ドビュッシーが作曲した無伴奏フルートのための“Syrinx”という傑作がある。牧羊神パンの持つ葦笛のことで“シリンクス”と発音するのか“シランクス”なのか……フランス語なので、たぶん後者のほうだろうと思われる。



35小節、4分足らずの小曲だが、まさにドビュッシーそのものとしか言いようのない、印象的な音楽で、十代半ばに初めて聴いて以来、心の中から離れていこうとはしない。

ドビュッシーは『牧神の午後への前奏曲』という、フルート独奏に始まる管弦楽曲の傑作もあって、つかず離れず……フルート奏者にとっての憧憬のような作品と言えるだろう。

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笛話§フルート―マイカテゴリー― [フルート]

フルートを吹いていたことがある。

高校生から大学、社会人になって少しばかりだがレッスンも受けてみたりしたが、あまり上達することなく終わってしまった。それでも就職した記念にと、村松フルート製のいい楽器を奮発してローンを設定し、購入したのだ。

元よりフルート独奏曲が好きで、ヘンデルやバッハのソナタに親しみつつ、ドビュッシーの『シリンクス』のような無伴奏の曲まで、脈絡なく手当たり次第に吹いていた……いや、吹いていたなどとはおこがましい。ただ単に、表面をなぞっていたにすぎなかったとしか言えない。

吹く機会などもちろんなかったが、ベートーヴェンの交響曲第7番やドヴォルザークの交響曲第8番などではフルートが大活躍して、木管楽器の中でも際立った存在だと思っている。

一つ不思議なことは、ワーグナーがフルートに冷たかったと思われるのことで、ほとんど大活躍する場が与えられていなかったとしか思えないのだ。せいぜい『ニュルンベルクのマイスタージンガー』前奏曲のソロ部分くらいしか出てきてくれず。

ちなみに、オーケストラ楽器の中にあって、フルートほど経済的にも身体的にも優しい楽器はないのではなかろうか……普段のメンテナンスも、キーの部分に油を注す程度で済むし、オーボエやクラリネットのようにリードを削る必要もない。

ヴァイオリンなどの弦楽器は、しばしば弦の張り替えをしなければならないし、金管楽器に至っては、トランペットのように違う形状の楽器を用意する必要がある。

身体的という部分だが、ヴァイオリンのような少しばかり不自然なポーズで演奏したり、ピアノのように思いきり鍵盤をひっぱたいて腱鞘炎になることもあるが、フルートに関する限り、身体に何か悪影響を及ぼすこともない。

とはまあ屁理屈のようでもあるが、本人はまじめに思い込んでいることだ。

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