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描話§ドビュッシー―マイカテゴリー―牧神 [ドビュッシー]

初めてドビュッシーを聴いたのはいつのことだったか、記憶がはっきりしない。気がついたら耳に入っていたような気がする。

一点一画も揺るがせにしないベートーヴェンの古典的作風から、一気に印象主義と言われるドビュッシーの音楽が何と新鮮で刺激的に聴こえてきたことか。

まずもって『牧神の午後への前奏曲』冒頭、ゆらゆらと陽炎が立ち上るようにフルートのソロが奏でられた瞬間、一気にドビュッシーの魔力に憑りつかれたのは間違いなかった……ここまで絵画的と聴こえる音楽が存在していたことに何より驚かされたのだ。

その後、ぽつりぽつりとドビュッシーに親しんでいったが、中でもお気に入りといえば、ピアノ独奏の『映像Ⅰ・Ⅱ』や『前奏曲集』で、これらの曲はドビュッシーの本領であると思っている。

さらにフルートを吹いていたこともあって、無伴奏の『シリンクス』を何とか吹けるようになりたいと齧りついてみたものの、体裁らしきあたりまではなったが、実際に曲としてどう聴こえたかまでの自信はない。

ドビュッシーの音楽がすんなり耳に入ってきた理由の一つとして、日本的な五音階を使っていたことも大きいのではと想像できるが、何よりも彼独特の“揺らぎ”の表現が、日本人の感性と合っているような気がする。

交響詩『海』が、葛飾北斎の版画である富嶽三十六景『神奈川沖浪裏』からインスピレーションを得ての作品だということも忘れてはならない。

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