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詐話§狂信の果てに [日常]

物心ついた頃から“狂信”とは無縁な中で生きてきた。それはおそらく、自分の中に、確固とした価値観を持ち合わせていなかったからではないか……もしも中途半端に持ってしまってしたら、あるいは引きずられかねないと考えたからかもしれない。

自分に自信がないゆえに身についた自己防衛なのかもしれない。そう思って見ていると、むしろ自信を持ち合わせている人のほうが狂信に陥りやすいのではないかという、そんな節が見受けられるような気がする。

改めて狂信とは何なのだろう?そして狂信が生み出すものは、決まって破滅という結末ではないだろうか。おそらく“狂信”はわかりやすく、耳にも優しく響いて聞こえるのだろう。そしていつしか気がつかないうちに取り込まれてしまうのだろう。

70年に及ぶ人生の中で、そうした狂信に巻き込まれなかったのは、不思議な危険回避能力があったからだろうか。最初に書いたように、自分自身の中途半端さが功を奏したのかどうかはわからないが、熱狂の渦らしきものに対して絶妙な距離を置くことができたのは、幸運なことだっと思うのだ。

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タグ:日常 政治 宗教
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労話§定年退職後の再就職 [日常]

早いもので、2015年9月の定年退職から9年が過ぎようとしている。37年半勤め切った自分をほめてもやりたいが、それにしてもあっという間の9年である。

ところで、退職後については希望すれば嘱託として古巣に再就職することは可能だった。どうしようかと迷っていた時に、高校の同級生から「退職したらどうするんだ?」と聞かれた。彼は総合病院で要職にあったのだ。

「特に予定がないのだったら、うちの広報の仕事をやってくれないか?」と打診された。条件は週2日で一日6時間勤務、ギャラも申し分なく、断る理由もない。なかなかおもしろそうと感じられて引き受けることにした。

その後、会社の人事から再就職を希望するかどうかという面談があったが、かくかくしかじかでと伝えると、何だかほっとしたような顔をされた。再就職のポスト探しも大変なのかなと思った記憶である。

さて、半年ほどの失業給付を終えた翌年の4月から仕事に出向いた。主な仕事は、年4回発行する広報誌の編集制作で、材料集めに手間はかかるが、集めてしまえば、それをまとめるのはさしたる手間ではなかった。

既に4月発行は終わっていて、7月発行分に取り掛かることになったが……そんな最中、ゴールデンウィークが終わって出勤したら、同級生の姿がないのだ。事務局長に聞くと“入院されました”と言う。

しばらくしたら、別の病院から戻ってきてそのまま入院したので、病室まで会いに行くと「実は……」と告げられたのは、余命いくばくもないという。彼が亡くなったのは7月の終わり。

そんな彼の誘いで仕事を始めたこともあって、そのまま続けることもできはしたが、あまりにも早い旅立ちのショックに仕事を続ける気力を失い、手をつけていた広報誌を仕上げたところで職を辞すことにした。ほんの5か月の再就職はこうしてあっけなく終わりを迎えたのだった。

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週話§土曜流転~根拠のない自信……過信?~ [日常]

七十年も生きていると、世の中、人はさまざまだとしみじみ感じる。何だか理由も根拠も不明ながら、妙な自信を持って蛙の面で平然としている人をしばしば見かける。

それは多分に皮肉含みだが、自分のように物心ついてこのかた、自信の類を持ち合わせてこなかった身にしてみたら、何とも羨ましいことではあるが。

だが、そんな自信を任じる人の中に、どう考えても見かけ倒しとしか思えない……なぜそんなにも自信を持ち得るものか、あれやこれやと考えを巡らせた結果、それは“無知”の為せる技では?という結論にたどり着いたのだ。

知らなければ恐れることなどはなく、そうしたことを考えに入れる必要などない。

そうした人たちはだから、挫折することがあっても、そうした対象に対する無知のゆえに、失敗したとも感じることなく、勇躍その次に進んでいこうというそんな鈍感さの人たちなのであろう。

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暮話§老いゆく団地・・・・・・ [日常]

とっくにニュータウンなどと呼べるはずもない地域に住んで40年を超えた。今の団地に住み始めて、間もなく30年が過ぎようとしている。

ある日、ふと団地の中のあまりの静けさに、引っ越してきた当時もそうだったのだろうかと思い返してみた。朝方、起きかかるタイミングで、何台かのバイクが通勤するためにエンジンを響かせて出ていく。

そして、近くの小学校や中学校へと登校していく生徒たちが、おしゃべりをしながらこもごもに歩いていき、幼稚園や保育園の送迎バスを待つ幼児の声も聞こえたりしていた。

今や、そんな音も声も聞こえてはこず、実に静かな朝の始まりなのである。

静かというなら、それに越したことはないとは思うけれど、何がなし人の気配であるとか、ある種の“ざわめき”とでもいえるような音といえない音が存在していたと思うのだがそれも感じられない。

13年前の東日本大震災の時、家で地震に遭遇した同居人が、誰一人として家から出てこなかったと、今でも当時の団地の様子を話してくれるのだが、それもまた異様な雰囲気だったのだろうと想像できる。

今、しみじみと団地も老いていくということを実感しているところなのだ。

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緊話§救急車がやって来る [日常]

順調に高齢化が進んでいる我が団地には、ここ何年か頻繁に救急車が出動してくるようになった。

そうしてやって来る救急車が停まるのは、いつも同じ2つの棟で、出動してきた救急士も、いつもと同じ場所だとわかっているからか、手慣れた様子でストレッチャーを運び出して救護に向かうのだ。

ということは、いつも同じ人が救急車を要請しているということなのかと、そう思うわけだが、そんなに頻繁に呼ぶのであれば、入院が必要なレベルではないかと思うのだ。入院の必要もない程度であるならば、ひょっとして病院に行く“足代わり”として便利に救急車を呼んでいるということなのかと邪推の一つもしたくなる。

あまり想像で物を言うのは避けたいとは思うけれど、かくも頻繁に……今は月に一回+αの出動要請となると、いかなる事情があるものかと思うのだ。そして、優先度がより高い病人が救急車を頼んでも、出払ってしまっている可能性だってありやしないだろうか。

体調を崩してどうにもならない時に、救急車を呼ぶことを躊躇する人と、タクシーを呼ぶように電話を掛ける人……その2種類がいるようだ。

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卯話§2024年4月の予定あれこれ [日常]

月初めにつき、東京の一か月間の日の出&日没時刻を。

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4月1日の日の出は5時26分で日没は18時5分、月末の日の出は4時49分で日没は18時29分。目覚めれば、明るくなっている時期がやって来てくれた。ただし、少しずつ朝方の気温も上がり始めるのだが。

今月のお楽しみ……リーグワンラグビーはシーズンも終盤となり、プレーオフ進出チームが固まっているはずである。4月に観るのは2試合。これまで観たのはクロスボーダーラグビー2試合を含めて11試合。なかなかの精勤である。

四月大歌舞伎は夜の部に、仁左衛門と玉三郎が登場するので、行かねばなる
まい。昼の部をどうするかだが。

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クラシックは、興味深い演奏会を見つけたので聴きにいくことにしているがけっこうな長丁場だったりするので、今から身構えているところである。

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週話§日曜流転~弥生三月おしまい~ [日常]

元旦の大地震からあっという間に3か月が過ぎようとしている。3月はじめには房総半島付近を震源とする地震が頻発した。

日本海側から、さらに太平洋側へも地震が頻発するようになるとは、さすが地震国であると感心をしている場合ではない。いつ何時、東日本大震災や能登の大地震が自分たちを襲うとも限らないのだ。

万が一にも大きな被害を蒙ったら、そこから日常が失われ、すべては非日常となって、旧に復するためには、気の遠くなるような作業を進めていかなくてはならない。

古希を迎えようとしている今、我々のような高齢者にとって、そうした労力を割くことは何とも過大な負担でしかなく、これ以上大きな地震が起きることのないようにと祈り続けるばかりである。

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タグ:日常 弥生 地震
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与話§給料日は二十五日? [日常]

結婚してしばらくの間、夫婦共稼ぎを続けていたことがあった。ローンを組んだりしていたものだから、とても一人だけの収入で家計あれこれを賄えるわけではなかった。

そこでおもしろいことがあった。夫婦それぞれ会社からの給料日が違っていたのだ。一般的かつ普通には毎月25日が給料日というものだが、夫の給料日は26日で同居人は28日だったのである。

そのことに気がついたのは、同居を始めて最初の月末がやってきた時で、それぞれが「うちは26日だよ」「えっ、うちは28日」と言い合ったかして、どちらも25日ではないことを不思議がったのだ。

会社の経理セクションは、月の半ばまでは取引先との決済が行われるので、給料計算は半ばより後なり、25日あたりを給料支払い日として設定されたということのようだ。

なのに我が給料日が26日、同居人が28日というのは、いかなる事情によるものなのだろうか。夫婦顔を見合わせて「2、3日後にずらし、その間の利息を稼いでいるんじゃないの?」と不可解さについて言い合った記憶がある。

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弥話§2024年3月の予定あれこれ [日常]

月初めにつき、東京の一か月間の日の出&日没時刻を。

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3月1日の日の出は6時10分で日没は17時39分、月末の日の出は5時28分で日没は18時4分。一日がずいぶんと明るくなってきたと感じる。中旬の終わりには桜も咲くだろう。

さてさて、今月は忙しくなりそうだ。歌舞伎は三月大歌舞伎で、今月は昼の部だけを観る。菅原伝授の『寺子屋』は、菊之助の松王丸に愛之助の源蔵という顔合わせが珍しい。そして『御浜御殿綱豊卿』は仁左衛門が徳川綱豊卿を務める。真山青果脚本は苦手だが、観ずばなるまい。

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そして『トリスタンとイゾルデ』祭りである。

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何と新国立劇場と東京・春・音楽祭がそれぞれ上演するという悩ましい状況が生まれてしまった。そんな過密日程のやり繰りに頭を絞ったのは言うまでもない。新国の舞台は2010年に初演した時と同じなので、あまり期待はできない。とにかく音楽さえ聴くことができればいいということだ。

最後にラグビーだが、上記のような込み込みの中にあって、なおもラグビーリーグワンのゲームも詰め込んでしまった。いよいよかきょうとなるゆえ、行けるだけ行ってみようということだが、その中には今シーズン一番となるサプライズも待ち構えている……刮目して待て!

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短話§はい! 如月二月終わります [日常]

人生18回目の閏(うるう)年である。つまり、生まれてから夏季オリンピックが18回開催されたということだ。

記憶にあるオリンピックは1960年のローマ大会から1972年のミュンヘン大会くらいまでで、それ以降は断片的に覚えている程度でしかないが、たまたま海外旅行中だった時に、ほとんど時差がなかったりして暇つぶしにテレビ中継を眺めていたことはある。もっとも、ローマ大会の記憶は父親に連れられて観たモノクロのオリンピック記録映画で、コロセウムの前を裸足のアベベが走っているところだけが記憶にあるのみだが。

だが、本当に2021年の東京オリンピックはほとんど何の記憶もない。多くの人が同じ思いを抱いているのではなかろうか。

そして、オリンピックの年が閏年に当たると知ったのはいつのことであっただろう。そんなわけで、一日か二日短いだけなのに2月はあっという間に終わってしまうような印象……それも2月を過ごすたびに感じることである。

暦変われば弥生三月。世間の明るさはいや増しになっていってくれるのだ。

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毛話§整髪料は“シーブリーズ” [日常]

整髪料の類を使い出したのは中学生の頃だったか。発売して間もないMG5の、最初はヘアリキッドだった。これは髪の毛に振りかけてマッサージしているうちに、少しばかり粘りだして、整髪しやすくしてくれるのだった。

しばらくすると、そんな不自然さを嫌って、ヘアトニックに鞍替えしたが、粘るわけではなく、単に寝癖を直す程度であり、ちょっとした香りづけとでもいった感じだった。しばらくはMG5のトニックだったが、新しく登場した“ギャラック”の香りが気に入って、結婚してからもひとしきり愛用していたが、残念ながら製造中止になってしまったのだ。

そうして、今使っているのは“シーブリーズ”という、本来は何ちゃって化粧水なのだが、理髪店で頭に振りかけているのに目をつけて使うことにしたのである。

あっさりとしたメンソールの香りが付いている以外は、ほとんど水みたいなもので、とても整髪料とは呼べないが、ワタシ的にはこれで十分に事足れるのでありがたい。

以前は1リットル入りボトルがあったが、これがいつの間にかなくなって、700ml入りのソフトパッケージボトルに代わってしまった。

使い勝手は悪くないので、このまま使い続けることになるだろう。

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危話§QRチケットの落とし穴 [日常]

今、コンサートやスポーツ観戦のチケットをネットで予約すると、コンビニで引き取るか、QRコードが表示されたやつを履歴ページからピックアップして、スマホに取り込むか、自宅でプリントして持参できるようになった。

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コンビニでチケットを引き取るよりも手数料が安い、もしくは手数料なしということもあるので、このところはQRコードのチケットを利用している。何より気兼ねがなくて助かる。

そうしたら、ふとしたことで気がついた。事情があって行けなくなった時、そのチケットを第三者に譲渡しようとしたら……もしも譲渡された人が悪意を持っていて、QRコードチケットを何枚もプリントして売ろうと目論んだら……とんでもないトラブルを引き起こす可能性を考えてしまったのだ。

もちろん、第三者に譲渡する機会などがそうそうあるはずなどないのだが、ひとたびトラブルが起きようものなら、取り返しがつかないことになる。

便利なシステムには不都合な何かがあることを承知しておかなくてはならないということか。

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如話§2024年2月の予定あれこれ [日常]

月初めにつき、東京の一か月間の日の出&日没時刻を。

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2月1日の日の出は6時40分で日没は17時10分、月末の日の出は6時11分で
日没は17時38分。月末になると、朝も6時前には明るくなりつつある。

さてさて、今月もクラシックのコンサートはなし。歌舞伎は十八世中村勘三郎十三回忌追善と銘打たれた猿若祭二月大歌舞伎で、昼の部は『野崎村』で鶴松がお光を務める抜擢があり、さらに『籠釣瓶花街酔醒』では、勘九郎が佐野次郎左衛門を、七之助が八ツ橋を務め、仁左衛門が繁山栄之丞に付き合う豪華版。

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夜の部は、勘九郎が親獅子、長三郎が仔獅子の『連獅子』と賑やかである。

ラグビーは、2月前半のリーグワン休息週を利用してクロスボーダー・ラグビーが行われる。スーパーラグビーのギャラガー・チーフスとブルーズが来日してリーグワン前シーズンのプレーオフ進出4チームと2試合ずつを戦うというもの。2試合くらいは観に行きたいものだ。

2月後半はリーグワンが再開するので、一試合は観に行く予定だが、さて。

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茫話§睦月一月が終わります [日常]

まだ、年明けから2週間くらいしか経っていないように感じているのだが、現実の時間は“1月終了”だと言っている……逆らっても意味などないので現実には従うしかない。だが、何とも釈然としないものが身体の中でぐずぐずと燻っているのだ。

何度も書いているように、子どもの頃は時間の進みがもどかしいくらいに遅く感じられたが、それが気がつけば、いつの間にか速度を増して、その速さを目を回すようになった。

そんな風に時間が素っ気なく過ぎていくようになったのは、おそらく会社に入って20年くらいが過ぎた頃ではなかっただろうか。それまでの午前様&朝帰りの悲惨な生活から、例えば会社の帰りに1杯呑んで帰れるような、いくぶんか人間らしい時間帯に戻ることができてからのことのような気がする。

愉しい時は、あっという間に過ぎていく……そうして時間が速く過ぎるようになったのではなかったか。人生の最終コーナーを回りつつあるのか、回り切ったのかはわからないが、さすがにそこからラストスパートをかけるほど体力など残ってはいないのだ。

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光話§えっ? [日常]

あと一週間で1月が終わるとは……ついこの間、おせち料理をつまみに酒を呑んでいたではないか。

今月は賑やかなことに、歌舞伎が4回、それにラグビー観戦も入っている。だからなのか、暦の進みが速いと感じてしまう。

家にいようと思えばいくらでも籠ってしまえるので、こうして意図的にでも外出する機会を作り出しているのだ。

そうすることで辛うじてではあるが、世間との接点を繋ぎとめておくことにしているのである。そして外気に触れればいくぶんかはリフレッシュしたような気分にもなってくれる。

それにしても“えっ?”という時の速さではないか。そんな目まぐるしい時の速さに押し流されないよう、淡々とかつ冷静に日々を過ごしていきたい。

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