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歌話§ショパン―マイカテゴリー―前奏曲集 [ショパン]

小学校の音楽室に並んでいた作曲家の肖像の中にあって繊細そのもの表情を見せていたショパンを“ピアノの詩人”という表現は、あながち外れていないでもなく、彼の音楽にロマンを感じることが多いのは頷けるものである。

そんなショパンのピアノ曲の聴き初めは、ご多聞に漏れず幻想即興曲やら、子犬のワルツなどいくつかのワルツ、英雄ポロネーズに“あの”ノクターンあたりだったが、長じるに従ってよく耳にするようになったのは、24の前奏曲集や作品10と25の練習曲集だろうか。

とりわけ前奏曲集に惹かれたのは、ドイツ生まれのピアニストであるクリストフ・エッシェンバッハが演奏した録音に興味を持ったからだった。とりわけ“ショパン弾き”ではない――ショパンの録音はこれ一つだけ――がゆえなのかどうか、センチメンタルでもロマンチックでもない、不思議な魅力を秘めた音楽だったからか、聴き飽きもせず頻繁に聴き続けてきたのだ。

もう一つ、2つの練習曲集はエッシェンバッハの前奏曲集の一年後、1972年にマウリツィオ・ポリーニが録音した衝撃的な一枚にとどめを刺しておく。作曲家が「どうだ弾けるか? 弾いてみろ!」と提示した楽譜から、苦もなく圧倒的な音楽を展開してみせたポリーニの力量に舌を巻くしかなかった。

彼らの演奏を聴いていると、ショパンが軟弱なだけの作曲家ではなかったと理解できるのである。

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