週話§土曜枯寂~旧盆~ [宗教]
明日からお盆である……実家があったあたりは8月の旧盆だった。
父親と弟の三人で、墓に“お迎え”に行く。春彼岸以来なので、水をざぶざぶ使って墓石を洗い、せいせいと連れ帰って来る。家には茄子などに割り箸を刺して動物に見立てたものが用意されているのがお盆のお約束みたいなものだったのだ。
まあ、それほど信心深い家でもなかったが、昭和の頃でもそれくらいは風習として少しくらいは残っていたのだ。そうしたあれこれを主導していたのは明治生まれの祖母。素朴な信仰心でもって、家の中の司祭的役割を果たしていたのである。
別に信仰心を押し付けるようなこともなく、至極淡々と事に当たっていた。そんな祖母は七十代に入るあたりで認知症となってしまったが、それでも仏壇や神棚の差配は続けていたのだ。
その後、数年ほどで上京。すっかり田舎の風習とは縁遠くなってしまったのだった。
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父親と弟の三人で、墓に“お迎え”に行く。春彼岸以来なので、水をざぶざぶ使って墓石を洗い、せいせいと連れ帰って来る。家には茄子などに割り箸を刺して動物に見立てたものが用意されているのがお盆のお約束みたいなものだったのだ。
まあ、それほど信心深い家でもなかったが、昭和の頃でもそれくらいは風習として少しくらいは残っていたのだ。そうしたあれこれを主導していたのは明治生まれの祖母。素朴な信仰心でもって、家の中の司祭的役割を果たしていたのである。
別に信仰心を押し付けるようなこともなく、至極淡々と事に当たっていた。そんな祖母は七十代に入るあたりで認知症となってしまったが、それでも仏壇や神棚の差配は続けていたのだ。
その後、数年ほどで上京。すっかり田舎の風習とは縁遠くなってしまったのだった。
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