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戯話§八月納涼歌舞伎第一部~手塚治虫の空気~ [歌舞伎]

SHOW Must Go On!

先週はじめから、納涼歌舞伎は大騒ぎである。まず、第一部が15日から17日までコロナ感染者続出で中止となった、加えて第二部と第三部が同じ理由で19日が中止となり、20日から第一部から第三部まで全面再開となったが……

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……以下の写真のように出演者が大幅に変更となった。さすがにここまでの出演者の変更は記憶にない。

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そんな中、土曜日に第一部と第二部を観てきたが、主力役者の“歌舞伎脳”をまざまざと思い知らされたのだった。まず第一部からまとめておく。二部は次回に。

手塚治虫が1963年に月刊『少年ブック』(集英社)に掲載した『新選組』を歌舞伎化したのだが、若手抜擢で中村歌之助が務めていた深草丘十郎を七之助が、中村福之助の深草丘十郎を勘九郎が、それぞれ代役となり、写真のような玉突き配役となった。

もちろん本役の舞台を観ていないので、比較することは不可能だが、勘九郎と七之助が、舞台に手塚治虫の空気感を呼び込んだようである。しかも代役二日目でこの水準の舞台を見せてもらえるとはと舌を巻くしかなく、むしろ代役のほうが本役ではないかと思ったくらいである。

舞台は、そこここに手塚治虫の小ネタが仕込まれていて、ヒゲオヤジの夜回りやブラックジャック、六地蔵の中にはヒョータンツギが、料亭の場面では鉄腕アトムが踊られ、襖には火の鳥が描かれていたり。

↓手塚治虫ネットから拝借
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まずもって、手塚作品を活かした日下部太郎(歌舞伎役者・山崎咲十郎)の脚本が新鮮なのと、いかにもな大道具が効果的だったと感じた(個人の感想

観るまでは“?”マーク付きだったが、すっかり手塚ワールドにはまっている自分がいた。大事に育てればレパートリーに入る可能性がありはしないだろうかとも思ったのである。

二本目は観るのが二回めの『闇梅百物語』で、前回は何となく気が抜けた舞台だと思っていたのが、今回は勘九郎、勘太郎、長三郎親子の読売が楽しくて吉。

追記:以下に『新選組』の配役変更を書き記しておく。 深草丘十郎:中村歌之助→中村七之助 鎌切大作:中村福之助→中村勘九郎 近藤勇:中村勘九郎→片岡亀蔵 土方歳三:中村七之助→消えました 庄内半蔵:片岡亀蔵→片岡仁三郎 娘八重:中村鶴松→中村祥馬

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