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努話§通し狂言の上演について [歌舞伎]

お堀端は隼町に建つ国立劇場が、建て替えのため10月をもって閉場となる。

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大劇場でさよなら公演として9月、10月に『妹背山婦女庭訓』の通し上演が行われる……いわば“はなむけ”とも言えるかという、上演ではないか。

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歌舞伎座の本興行で、なかなか大物の通し上演を出してくれない。個人的に記憶にあるのは、仮名手本忠臣蔵を何回か、菅原伝授手習鑑を2回くらい、そして義経千本桜といったあたりだが、このあたりもここ数年音沙汰がないようだ。

商業演劇でもあるし、作品の伝承という責務も追っている歌舞伎興行において、通し狂言が行われない、あるいは行われにくいというのは、自らの首を絞めているように感じる。

既に、大看板は菊五郎、仁左衛門、白鸚の3人、立女形の玉三郎は歌舞伎座の舞台に立たないと宣言した。

こうした状況の下で大きな通し狂言を出すことが難しいのは理解できないわけではないが、歌舞伎役者たちによる芸の伝承というシステムが活かされていないように思われてならない。

このままでいくと、歌舞伎座で大掛かりな通し狂言が実現することなく、安易な見取り狂言ばかり見せられ続けるような気がする。

追記:そして新しい国立劇場の柿落としは2029年……生きているだろうか。

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