SSブログ

愉話§一日一句~耳を傾けよ~ [俳句]

季語は・・・鉦叩(カネタタキ)

鉦叩の 警鐘を聞く 夜更け過ぎ

【去年の今日】刻話§正確な時計
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

酔話§八月納涼歌舞伎第一、二部~勘九郎~ [歌舞伎]

東京の最高気温32.3度の真夏日。立秋を過ぎてもまだまだ暑い中を歌舞伎座八月納涼歌舞伎千秋楽の日に第一部と第二部を観てきた。

2308_kabukiza.jpg

第一部は次郎長外伝『裸道中』と『大江山酒呑童子』の二本立。まずもって勘九郎の酒呑童子が抜群のすばらしさ。萩原雪夫が十七代目勘三郎のために作り、中村屋の芸として孫の勘九郎まで引き継がれている。

前ジテの童子では、酒を呑んで狂ったように踊る様子が、圧倒的に見事……稚気と踊りの凄味に見惚れるばかり。今さらながら、歌舞伎界随一の踊り手であるのは言うまでもないが、勘九郎の踊りの中に古臭さのようなものは微塵もなく、シャープな所作の中に現代性が横溢しているように感じられるのだ。歌舞伎の舞踊を観ていてそれが感じられるのは勘九郎ただ一人なのだ。

第一部一本目『裸道中』は、かつて次郎長の世話になった一文無しの博打打ちが、自分の家で次郎長一家をもてなそうと悪戦苦闘をする……新国劇から歌舞伎舞台化された喜劇仕立て。獅童と七之助の貧乏夫婦の絡み、とりわけ獅童の弾けっぷりの居直りがおもしろく、彌十郎の次郎長が大親分らしい貫禄を見せていた。

続く第二部は、超苦手な真山青果作『新門辰五郎』は、幕末の京都が舞台。だが、これが難物。徳川将軍上洛の供として同道した新門辰五郎と会津方との確執が描かれているのだが、そこにあれやこれやと要素が盛られているので、肝腎の主筋がまったく見えない。維新の略史を知っている程度では手も足も出ないだろう。登場人物の中では獅童の山井実久なる存在がいかなるものか何とも不可解な役。およそ2時間の長丁場はきついきつい。

幸四郎の辰五郎、勘九郎の会津小鉄とも、存在感を示していたが、主要な役者が時として群衆の中に埋もれてしまい、それも芝居全体をわからないものにしていた……まあ、もう一度観るとは思えない。

最後に15分足らずの『団子売り』が、巳之助と児太郎の夫婦でさらりと軽く踊られ、真山青果の台詞劇の長さをクールダウンしてくれた。

終演は17時前で、どこかで夕食でもと予定していたが、さすがに二部通しで観たので疲れてしまい、デパ地下で惣菜あれこれを買ってあっさりと帰宅。

《歌舞伎のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

謀話§弾丸登山はやめろ~山のルール~長文 [尾瀬]

尾瀬の山小屋でアルバイトしていた時から、山をなめた行動をする人たちを散々見てきたので、昨今の富士山弾丸登山が後を絶たないというニュースを眼にしても驚きはしない。

やりたい人は懲りもせず、勝手次第に繰り返していくだろうが、何かあった時、多くの人の手を煩わすことを腹立たしく思うのだ。

話は単純で、3000m級の山に登るに見合った装備で臨むこと、完全予約制の山小屋なのだからきちんと予約して登っていけ、天候が芳しくなかったら、無理をせず潔く撤退しろ……それが富士登山における三大基本ではないか。

話を尾瀬のほうに戻す。もちろん、厳しさは富士山の比ではない。まして、鳩待峠から尾瀬ヶ原までは下っていくだけという簡単さに、軽装の人たちを多く見かけるのも当然だと思うしかない。

だが、下界では桜が散って新緑になろうとする頃、尾瀬ヶ原や尾瀬沼はまだ雪の下にある。そして、東京あたりで30度の真夏日を観測しかねない10月半ば、尾瀬では朝晩の気温が氷点下を記録して真っ白い霜に覆われたりする。

山に行くのだという認識の人間は、そうした山の気象状態に応じた装備を用意して臨むけれど、観光&物見遊山の人たちは、どう都合よく解釈するのかわからないが、銀座や原宿を歩くのと同じスタイルで鳩待峠から下ってくるのだ。

KEN04620.JPG

上の写真のように、女性はぺらんぺらんのパンツに靴の裏はと見れば、見事に真っ平らのつるんつるんで、雨でも降れば滑ること必至であろう。

KEN04607.JPG


ついこの間も、鳩待峠から山ノ鼻に向かう、少し急な階段から男性が沢に滑落したことを聞いた。登りと下りの写真を貼っておくが、ここはすれ違ったりする時に十分な注意が必要な場所なのである。

DSC04503.JPG

最後に、去年龍宮小屋でのんびりしていた14時に撮った1枚。

IMG_4077.jpg

女性一人、男性3人のグループで、女性はブランド物のポシェットを肩に、全員がスニーカーで、いとも気楽に鳩待峠から日帰り往復を楽しんでいるようだったのだ。だが、龍宮小屋から山ノ鼻経由で鳩待峠に戻る標準的なコースタイムは、約3時間ということで、鳩待峠到着はちょうど17時頃となる。

なお、鳩待峠発最終バスは16時40分……彼らがどのような末路をたどったのか、その後のことはわからない。ちなみに、写真の日の朝と翌朝は、大霜に見舞われ、外気温は氷点下4度だった。

追記:数十年にわたって歩いた尾瀬で、歩いているところは、木道が敷かれて迷うはずなどはないが、年齢などを考慮して3泊4日五百円の登山保険に加入している、写真のような急階段で何かあったらを見越してのことだ。

《尾瀬のトピックス一覧》
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog