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愉話§一日一句~今年も逃げ切った~ [俳句]

季語は・・・春深し

痒々の眼とは縁なく 春深し

【去年の今日】肌話§Tシャツという生き方
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嗄話§冬の水分枯渇 [ドイツ]

体内から水分が失われるのは、真夏だけでなく冬にも起こるのだという……そんなお話。

今からもう四半世紀前の1998年、長い休暇が取れ、初めて冬のベルリンを訪れた。ウンター・デン・リンデンの歌劇場やベルリン・フィルハーモニーなどなどで行われたオペラやコンサートを楽しんだ。

12月初めとはいえ、ヨーロッパの冬の寒さはなかなかに厳しく。四十代半ばで、まだまだ体力があったとはいえ、どんよりとした空の下でのベルリン滞在は難儀なところがすくなかった。

そんなある日のことである。街歩きをしていた時、ふいに喉がひりつくような感触があって、何事?と思った。何か体調不良でも起きたのかと考えたが風邪とかではなさそうだし……頭を巡らしていたら“ひょっとして?”と考えたのは、寒さで身体から熱が奪われ、同時に水分も出て行っってしまったということである。

どうやら診立ては正しかったようで、水分を補給したら喉が楽になった。それ以降、旅行している間は、朝食の時からミネラルウォーターを飲んだり、水分補給をマメにするよう心掛けた。

ただでさえ乾燥気候の世界なのだから、四季にかかわらず水分補給が必要なことを学んだのだ。

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払話§現金と銀行振込と電子マネー [日常]

宮仕えを始めた時、会社から支給される給与は手渡しだった。給料日になると印鑑を持って経理部に出向いて、給与明細と現金の入った給料袋を手にするのである。

個人的には、その時からいちいちの手渡しを面倒だと感じていて、しばしば担当者に銀行振込にならないかと聞いたのだが、その答えは「反対する人がけっこういるんですよね……そうしたいのはやまやまですが」というもの。

社員全員の給料袋に間違えることなく現金を詰めて封をする……そんな気の遠くなるような手間など、時間の無駄ではないかと思ったけれど、これはもう時節を待つしかないと思っていたら、数年後だったかの結婚した頃あたりから銀行振込が“半ば強制的に”始まった。

抵抗する間もあらばこそ「はい、来月から振込にします」とアナウンスされて、有無を言わさずの一斉改革だったのだ。

その後も、夏と冬のボーナスはなぜか小切手支給で、当日に銀行の人たちがやってきて現金への振り替え、あるいは口座振込のサービスをしてくれた。そしてボーナス全額が銀行振込になったのは、もっと後になってのことである。

いつだったか、ニュースを見ていたら、給料を電子マネーに入れるというのがあることを知った。会社によっては銀行振り込みとは別に指定した金額を電子マネー化するというもので、時代はそんなところまで来ていたのだ。

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愉話§一日一句~薬局混雑す~ [俳句]

季語は・・・春風

春風や 七人待ちの 処方箋

【去年の今日】覚話§地理感覚~京都と滋賀~
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悼話§市川左團次さん(歌舞伎役者) [歌舞伎]

大柄な歌舞伎役者として『助六』の意休や『夏祭浪花鑑』の釣舟三婦、菅原伝授手習鑑『賀の祝』の白太夫といったあたりを持ち役にしていた。

テレビ番組で素顔で登場している様子を見ると、柄の大きさとは裏腹に繊細な表情を見せていて、なかなかに複雑な人柄と見受けた。襲名披露の口上に並んだ時は、必ず与太話を披露して客席を沸かせていたことも懐かしい思い出だったが、四月大歌舞伎『与話情浮名横櫛』で和泉屋多左衛門を務める予定が初日から休演となり、そのまま逝去したことは悔やまれる。享年八十二

合掌

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老話§本日結婚四十一周年 [私事]

去年、40周年を迎えたと思ったら、あっという間に41周年がやって来た。

同居人とは既にもう、血縁だった人間以上……はるかに長く同居している。継続は力かどうかはわからないが、それぞれが何を考えているのかは、それなりに把握できるような気がしている。

昔々、漫画だったかで見た夫婦の会話に「おい」と「はい」で理解している様子が描かれていたが、それに近いところまでは来ているということか。

経年によるものか、不注意だとかちょっとした物忘れとか、直近のミスが起きやすくなってしまっている。自分なりに注意して、改善できているものもあるけれど、この先も徐々にそうした状況が増えていくかもしれない。

ともあれ、あまり大事なく穏やかに生が全うできればありがたいことだ。

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愉話§一日一句~札幌羊ヶ丘展望台~ [俳句]

季語は・・・飛花落花

クラークが 指さす先は 飛花落花

【去年の今日】週話§日曜有閑~卒業確定・・・・・・~
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鷲話§イーグルス対サンゴリアス[第15節] [ラグビー]

雨そぼ降る第15節は、2019年ラグビワールドカップ日本大会以来の日産スタジアム(横浜国際総合競技場)で行われたイーグルス対サンゴリアスを観た。この日の観客は、雨にもかかわらず15,034人。

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入場したところで、イーグルスの法被が配られていたので思わずいただく。先着1万名とのこと。

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ちょっと肌寒かったので、ジャンパーの上から羽織れば、ちょうど佳き哉。

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さてもストレスフルなゲームに疲れた。先に結果を書いておくと、9対11でサンゴリアスの勝ち。イーグルスはペナルティゴール3本のノートライ。サンゴリアスは前後半1本ずつのペナルティゴールに、72分にタタフが右隅へ飛び込んでようやくのトライ1本。双方が決定機を作ることができないまま見ていて疲れるゲームだった。



雨の中のゲームでボールが手につかずノックオンばかりは増えるばかり……前半7分にはイーグルスの田村がタックルに行った松島の足が顎にあたって負傷交代。結果として、ゲームの行方を決めてしまったということか。

サンゴリアスはこの勝利でプレーオフ進出を決めたが、イーグルスは最終第16節にプレーオフ進出を賭ける。

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無話§鳳凰祭四月大歌舞伎夜の部~仁左玉~ [歌舞伎]

仁左衛門の体調不良で5日から7日まで休演となった夜の部に行ってきた。仁左衛門の与三郎、玉三郎のお富で『与話情浮名横櫛』……鉄板である。

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木更津海岸見染の場~赤間別荘の場~源氏店の場まで、和泉屋多左衛門を務める左團次が体調不良で一か月休演となり、権十郎に代わった。

そこにある舞台の作為のなさは驚くべきことである。大げさな身振りの演技などどこにもなく。空気の如く、水の如くの舞台がそこにあったのである。

とりわけ、源氏店の場の仁左衛門と玉三郎が対峙する様が際立っていて、お富を執拗に責める与三郎と、受け留めるお富の沈黙。歳月を積み重ねた中で培われた空気感が見事に表出されていたのだ。

何もしない……不作為の演技とはこういうものなのか。どのあたりからかは覚えていないが“芝居を観ている”という行為から離れ“事実を観ている”かのような錯覚を覚えた。

主役二人に絡む、脇の役者もまたそれぞれの持ち場を十分に熟知してアンサンブルを形づくっていて、とりわけ市蔵の蝙蝠安の下衆っぽさ、権十郎の多左衛門の落ち着きといったあたりが秀逸だったと感じる。

『与話情浮名横櫛』の後には、松緑と左近親子の『連獅子』が踊られたが、何とも残念な踊りに終始。雑といえば雑、技量不足といえば技量不足で、毛振りばかりが悪目立ちして、そりゃあ振れば振るほどお客は喜ぶだろうが、全体を考えれば、最後の毛振りの何ともな居心地の悪さを感じずにはいられなかった。そして、終演19時半というのはありがたい。

《歌舞伎のトピックス一覧》
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愉話§一日一句~決め球~ [俳句]

季語は・・・ゆく春

ゆく春や 捕手のサインは スライダー

【去年の今日】週話§土曜有閑~外食そそくさ~
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週話§日曜枯寂~喫茶店でモーニング~ [コーヒー]

喫茶店でモーニングを食べる機会はそれほどない。頻繁に食べていたのは、就職して新人研修をしていた時くらいだっただろうか。

アパートで朝飯を作って食べる余裕などあるはずもなく、アパート最寄駅で立ち食い蕎麦をすするか、会社の最寄駅地下にあった喫茶店でモーニングを食べていた。

地下鉄の改札口を出て階段を上がってすぐのところに、ごくごく普通の喫茶店があって、ごくごくどうってことのないモーニングを出していたのだ。

やや厚切りのトーストに茹で卵、申しわけの小皿サラダが、それにコーヒーである。大学までで“食べ盛り”は卒業してしまっていたから、その程度で十分満たされた。

そんなモーニングが1コインでお釣りが来る値段だったのは、ペイペイで薄給の身にはありがたく、頻繁に利用していたが、入社して3か月もしたら、勤務時間が昼頃からのスタートとなり、我がモーニングの習慣はあっけなく終わりを迎えたのである。

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愉話§一日一句~思わぬ賑わい~ [俳句]

季語は・・・春望

春望や “鉄”が数人 無人駅

【去年の今日】過話§虹始見~七十二候~清明
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告話§ビッグイシュー453号発売中! [ビッグイシュー]

ビッグイシュー453号は4月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。エディ・レッドメインが表紙。

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表紙&スペシャルインタビュー エディ・レッドメイン

リレーインタビュー 大島新(映画監督)

特集 わたしの隣人、人権はどこに

さまざまな国から生きのびるため日本に逃れ、私たちの隣で暮らす外国の人たちは今、どのように生活しているのだろうか。

政治的に不安定な母国へ帰国できないなどの事情を抱えているが、日本政府から滞在許可がおりないため、入管施設に“収容されている人”は124人(2021年末)、一時的に身柄の拘束を解かれた“仮放免者”は5910人(2021)となっている。仮放免中は就労できず、健康保険がないので病気になれば医療費は全額自己負担。生活保護も受けられない。さらに、コロナ禍の影響で支え合っていた仲間からの支援も継続困難になり、外国人支援の市民団体の活動だけが頼りになっているという。

そこで、そんな隣人を支援する大澤優真さん(北関東医療相談会/つくろい東京ファンド)と、新島彩子さん(難民支援協会)に、現場の状況について聞いた。また、国際人権法を研究する藤田早苗さん(英国・エセックス大学)に「国際人権法からみた日本の入管収容問題」について聞いた。

[国際記事]
オーストラリア:シニア世代のLGBTQI+が集う特別な舞踏会

ドイツ:2025年から「子ども基礎保障」導入へ

[国内記事]
スズメ百態! 会話を聞くように“スズ目線”で撮影:中野さとる

[連載記事]
浜矩子の新ストリート・エコノミクス
               愛なき少子化対策はゲーテの逆鱗に触れる

コミック 『マムアンちゃん』 ウィスット・ポンニミット

ホームレス人生相談×枝元なほみの悩みに効く料理
      幼なじみを思い出し、寂しくなります☆肉巻きアスパラガス☆

池内了の市民科学メガネ 生物世界のシンクロ現象

販売者に会いにゆく スイス『サプライズ』販売者 ファイラ
                              [その他]

《ビッグイシューのトピックス一覧》
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異話§虹始見~七十二候~清明 [七十二候]

清明の末候“虹始見(にじはじめてあらわるる)”である。

もう……新緑の季節となった。個人的に白い緑と呼んでいる、淡い色の若い葉が木々の枝から噴き出し、周囲の空気を一変させるのだ。

若い葉の誕生は、同時に初夏の始まりでもある。何度も何度も書いていて、いい加減に聞き飽きたとは思うが……“一年で一番好きな季節”がこの時季なのである。

冬の厚い上着から解放され、身軽に外出できるようになり、外の気温もほどほどの心地よさが一か月ちょっと続いていくれるだろうか。

それも6月になれば湿気湿気のシーズンに入って、気温は夏に向かって上昇を続けていくのだ。

毎年、この一か月ちょっとを愛おしく、そして惜しみ惜しみながら過ごしていくのである。

《七十二候のトピックス一覧》
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週話§土曜枯寂~ラグビーシーズン~ [ラグビー]

2年目のジャパンラグビーリーグワンも今週と来週でリーグ戦が終了する。そして、順位が決定した後の5月中旬にリーグ戦1位から4位まででプレーオフトーナメントが行われる。

今シーズンはせっせと観戦に通った。味の素スタジアムに始まり、秩父宮、そして江戸陸と、今節で10回(D2の1回を含む)を数え、最終16節も行くのでなかなかの回数ではないか。そしてプレーオフも準決勝のどちらか1試合と決勝も観る予定だ。

正直に言えば、スタジアムでの観戦は雰囲気を感じに行っているようなところが大きく、ゲームのディテールまでを見通せるほどの眼を持っているわけではない。当然、密集で何が起きているかも何もわからない。

それゆえ、詳しいところはスポーツチャンネルの再放送を。時間があれば、キックオフからノーサイドまで、あるいはダイジェストも放送してくれるので、改めて見直してゲームの詳しいところを見ておく。

現場で遠目過ぎて、何が起こったのかわからないことは珍しくもなく、だからテレビを見ながら“ああ、そうだったのか”と納得するのである。

《ラグビーのトピックス一覧》
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愉話§一日一句~昼下がり遅く~ [俳句]

季語は・・・花の闇

ひつそりと 佳人訪(おとず)る 花の闇

【去年の今日】騙話§アマゾンPrimeの詐欺商法
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筋話§ラグビーと相撲~見果てぬ夢~ [ラグビー]

単なる素人の妄想話である。

↓江戸陸で行われたスピアーズ戦に登場した関取翔猿
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幕下、三段目レベルで体重100~120kgくらいの力士にラグビーを教え込んだら、超最強のチームが出来上がるのではないかと思うのだ。まずもって、当たりに強く、スクラムに必要な押しも鍛えられていて、フォワードとしては申し分ないではないか。

さらに走力だって、100mを11秒台、12秒台で走れる力士もいたりした。かつての旭道山などがそうで、そんな彼らをバックスにすれば、軽々とタックルをかわしてトライするに違いない。

力士はただの“デブ”ではなく、運動神経に優れているのは言うまでもないことで、侮るなかれ!なのである。

もちろん現役の力士にラグビーをというのはできない相談だが、志半ばで引退を余儀なくされた二十代前半の若い、三段目そこそこの力士を勧誘して鍛えれば物になるのではないか。

クリアしなくてはならない多くの課題はあると思うのだが、人材としても有望だと考えるのだが。

追記:ちなみに今年の初場所には、大学ラグビーから大相撲に入門した飯間が初土俵を踏んでいるし、レッドドルフィンズに所属していた木津武士は小学校から中学校まで相撲部に所属していたのだ。

《ラグビーのトピックス一覧》
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幻話§ビール離れと言うけれど [ビール]

この10年ほど“ビール離れ”などと世間で喧伝されている。個人的にはビール離れとは無関係に“最初はビール”と律義に守っていて……だから、本当の実態が把握できないでいる。

ただ、特に若い世代があれやこれや、ビールというよりも酒離れだったり、自動車離れだったりと、彼らの嗜好がどこを向いているのか見えないところがあって、もどかしい思いをしているのだ。

おそらくは“古い世代”の発想であろうが、酒であれ自動車であれ、ある意味前向きなリアルな存在として認識しているのだが、若い世代は、そうしたリアルよりも、ヴァーチャル・リアリティ的な何かに惹かれるということなのだろうか。

もしもそういうことであれば、状況はなかなかに難しいフェーズへと入ってきているようだ……もちろん、あくまでも想像でしかないのだが。

目に見えるもの、耳で聞こえるもの、舌で味わえるものといった五感の類に大きな変化が起きていて、それは我々がかつて感じていたものとはまったく別ものとして変容が起きつつあるのが“今”ということなのだろうか……。

《ビールのトピックス一覧》
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愉話§一日一句~十六年は夢~ [俳句]

季語は・・・熊谷草

(いくさ)忌む 熊谷草に 風の過ぎ

【去年の今日】騙話§アマゾンPrimeの詐欺商法
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懐話§昭和三十年代~量り売りの菓子屋~ [スイーツ]

[承前]

メーカーの菓子類がまだまだ普及していなかった昭和三十年代、量り売りの菓子屋があちこちにあって繁盛していた。

長方形の菓子箱を20ほども並べていて、箱の中身はといえば、ビスケットやクッキーといった洋物はもちろん、豆菓子や煎餅といった和物まで豊富な品揃えで客を呼んでいたのだ。

客は食べたいお菓子を100gか200g単位で買っていて、実家では買った2、3種類ほどの菓子類は台所の菓子箱に入れられていた。

メーカーの菓子を買うことはほとんどなく、近所の店で焼いている煎餅の店や和菓子屋、あとは駄菓子屋といったあたりで買っていたが、そうした選択肢の中にケーキなどの洋菓子はなかった。物心ついた頃でも洋菓子専門店はなく、和菓子屋が作ったケーキを店の隅で売っていたのがせいぜいである。

量り売りの菓子屋に行く時は、いつも素朴に“心ときめく”のだった。
                               [続く]

《昭和のトピックス一覧》
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☆話§鳳凰祭四月大歌舞伎昼の部~新・陰陽師~ [歌舞伎]

歌舞伎座が新開場して丸10年の4月は、鳳凰祭四月大歌舞伎と銘打たれての興行。昼の部は若手花形中心の『新・陰陽師』が、夜の部は仁左衛門&玉三郎で『与話情浮名横櫛』と松緑、左近親子で『連獅子』を出してきた。

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一昨日観たのは昼の部。10年前、柿落とし公演の一環で9月に上演されたがその時とはまったく違う舞台になっていたので、戸惑ってしまった。市川猿之助脚本・演出とあって、いかにも彼らしい台本だと思ったのは、他の歌舞伎からのパロディーがあったり、あちこちで楽屋オチで笑わせたりしていたが、あれこれ詰め込み過ぎも感じられ、全編を通すと薄い印象は否めない。

一番の問題は“主役”の二人、隼人の安倍晴明、染五郎の源博雅が活躍する場面がほとんどなく、誰が主役なのかまったく見えてこなかったのである。



……ついでに隼人、染五郎の二人がまったく前面に出てきてくれず、気を吐いていたのは、福之助の俵藤太、尾上右近の興世王、あるいは巳之助の平将門あたりか。結局は舞台のスケール感が感じられないまま終わってしまったようだ。いっそのこと居直って“スーパー歌舞伎”に仕立ててしまったほうが、よほどエンターテインメントとして楽しめるような気がした……要するに中途半端なのだ。

最後に取って付けたような猿之助(蘆屋道満)の宙乗りで幕……筋の一片すらわからない海外のお客さんには、ケレンや引き抜きなどあって、それなりに楽しめたのではと思ったけれど……。

追記:琴吹の内侍を務めた、歌舞伎役者最長老の寿猿翁は5月で93歳になる そうだが、矍鑠とした舞台姿を見せてくれた。

《歌舞伎のトピックス一覧》
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愉話§一日一句~天気は気まぐれ~ [俳句]

季語は・・・行く春

行く春や ワードローブの 悩ましさ

【去年の今日】騙話§アマゾンPrimeの詐欺商法
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記話§本日ブログ18周年 [ブログ]

18年前だから2005年の今日、本当にしょぼいエントリーでブログがスタートした。それから18年も続けられるとは思ってもいなかった。さしたる目的もなく始めたからということか。

何か統一したテーマでも大上段に掲げて始めたりしたら、長続きするものではなかっただろう……犬猫は買っていないし、グルメを展開するほど食い意地が張っているわけでもない。

結局、世の中に散らばっているあれやこれやに対して、自分の思うところを開陳するというスタイルに落ち着いた。

そんな総花的なブログは、当然ながら“読者”が多いわけでもなく、頭数で存在しているようなものでしかない。

ただ、間もなくブログ歴20年を迎えることで、1万5千に及ぶ五十代以降のエントリーによって、自分を俯瞰することができるのではなかろうか。

ビッグローブのウェブリブログでスタートした我がブログは、ビッグローブがブログから撤退すると決めたことで、2019年末には早々にSSブログに移転し、今年で4年となる。

人生の残り時間も少なくなり、いつまで続けられることかと思うが、自分の意志ある限りは、放り出すようなことはせずに、しがないブログとして、書き綴っていきたい。

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則話§ヤングと野球のルール [野球]

先月下旬のこと。電車の隣りに立っていたのは、ちょっとちゃらい、昨今の“ヤング(死語)”二人だった。

折しもWBCたけなわだった時で、会話はその話に進んで、一人が「おれ、明日の決勝見ようかな」と話したところ、もう一人が「あれ、お前って野球のルールを知ってるの?」と返すと「いや、全然知らない」と答えたのだ。

それを聞いて、さすがに驚いた。もちろん、野球のルールを知らない人間などはいくらでもいるだろうが、それにしても二十代半ばくらいの元気そうな“ヤング”が知らないとはと思ったのである。

確かに、そもそも興味がなかったらルールを知らないのは当然かもしれないが、小学生の頃には一通りおおまかなルールを把握していた人間にしたら、ちょっと腑に落ちないことだった。

まあ、我々のような世代は、スポーツといえば野球か大相撲で、昭和の半ば頃はテレビ局がこぞって二つのスポーツの中継をしていたから、否応もなく自然に約束事くらいは覚えてしまった。それが今は、様々な選択肢が提供されていることで、野球のルールを知らないなどと、さほど驚くに値しないのかもと思ったのである。

《野球のトピックス一覧》
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愉話§一日一句~夢と現の境界を~ [俳句]

季語は・・・春眠

春眠や 半覚醒は カオスなり

【去年の今日】暮話§浪人が決まった頃
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顧話§今日の歴史~川の流れのように~ [昭和]

1988年4月11日、美空ひばりの東京ドーム「不死鳥コンサート」開催。

1988年3月17日にオープンした東京ドームで、柿落としライブコンサートを行ったのが美空ひばりだった。

1985年頃から体調を崩し、徐々に悪化していった中の言わば“決死的”なコンサートが強行されたが、実際はとてもステージに立てるような状態などではなかったのだ。

そして一年余後、1989年6月24日に逝去。享年五十二である。

1989年、昭和天皇の死で昭和が終わった。1989年2月には手塚治虫が逝去、昭和に活躍した不世出の歌手と漫画家が相次いで逝ってしまった。

追記:美空ひばりのコンサート以前にも、ミック・ジャガーやBOØWYなどなどが、3月中にコンサートを行っている。

《歴史のトピックス一覧》
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琴話§キット・アームストロングⅣ~東京・春~ [ピアノ]

マイスタージンガーから一日置いた土曜日は、小ホールでキット・アームストロングのピアノを聴いた。鍵盤音楽年代記(1520-2023)IVと題された5回シリーズの4回目である。プログラムは以下のとおり。

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数年前に旅先で彼が弾くピアノを聴いて感心し、彼の演奏でドビュッシーが聴ければと思ってたら、映像Ⅰだけではあったが、それが実現した。

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ショパンの夜想曲3曲に続いて待望のドビュッシー『映像Ⅰ』が始まった。1曲目『水の反映』のゆらゆらと立ち上ってくる音の心地よさ。この1曲だけで聴きに来てよかったと思わせられた。そして『ラモー讃』の詩情、最後『動き』の即興的と堪能したが、せっかくなら『映像Ⅱ』まで演奏してほしく、後に続くリストは不要と思えたのだが……相変わらずリストは苦手だ。

休憩後は、フォーレの夜想曲からリスト、シェーンベルク、オーンスタイン『飛行機に乗って自殺』まで、一気に演奏されたが、どの曲も知らずゆえ、曲の切れ目は把握できなかったが、シェーンベルクからオーンスタインは、印象的な音楽で、特にオーンスタインは、間断なく続く音塊が押し寄せては引き、押し寄せては引きでスリリングな体験だった。

この日使われたピアノは、オーストリアのベーゼンドルファー。数年前に聴いた時はシュタインウェイで、その時に聴いた硬質な音ではなく、色彩感に富んでいたと感じたが、ただ小ホールの空間にコンサートグランドはいささか大き過ぎて、音圧の強さに負けそうになってしまうことしばしばだったのである。

[アンコール]バッハ『半音階的幻想曲とフーガ』d-moll BWV903

《ピアノのトピックス一覧》
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愉話§一日一句~気ままに行けば~ [俳句]

季語は・・・惜春

惜春や 雨のち晴れの 独り旅

【去年の今日】週話§日曜有閑~赤城山~
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異話§鴻鴈北~七十二候~清明 [七十二候]

清明の次候“鴻鴈北(こうがんかえる)”である。

桜が散りゆけば、尾瀬のシーズンが間もなく始まる。今冬は積雪がそれほど多くなかったので、尾瀬沼が落ちるのも、尾瀬ヶ原の湿原が顔を覗かせるのも早いだろう。尾瀬沼はゴールデンウィークが終わる頃には沼の上を歩けなくなるかもしれない……ひょっとしたらもっと早いことも考えられる。

雪が少なかった年は、花が少ないと言われている。数mに及ぶ豪雪が湿原を豊かに潤して、多くの花を咲かせてくれることのようだ。

というわけで、今年の尾瀬の花の様子は如何に!

できれば、5月の終わりか、6月はじめに一度は入りたいと思っているが。

《七十二候のトピックス一覧》
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親話§マイスタージンガー~東京・春・音楽祭 [オペラ]

4月6日、東京・春・音楽祭『ニュルンベルクのマイスタージンガー』初日に行ってきた。10年前の4月7日も同じく『マイスタジンガー』を聴いているので、10年ぶりである。出演者は下のとおり。指揮は前回はセバスティアン・ヴァイグレ、今回はマレク・ヤノフスキである。

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合唱指揮のエベルハルト・フリードリヒは、ベルリン国立歌劇場の合唱監督から現在はハンブルク国立歌劇場の合唱監督でバイロイト音楽祭の合唱監督でもある。そして今年も、ウィーン国立歌劇場のコンサートマスターだったライナー・キュッヒルがゲスト・コンマスとして来てくれた。

さて前奏曲……これが鬼脚の速さ。個人的にはそこそこの“タメ”があってほしいと思いつつ第一幕へ。

いくぶんかテンポは落ち着いたが、相変わらず快調に音楽は進んでいって、速いところとタメがないのは終始変わらず。

歌手の中では10年前にもベックメッサーを歌ったアドリアン・エレートが圧倒的に出色。ほとんど暗譜で、演技しながら舞台上を自由に動き回り、一人飛び抜けていた。

それから、ポーグナーと夜警のアンドレアス・バウアー・カナバスのバスが深々として聴き惚れてしまった。ザックスのエギルス・シリンスは過不足なく歌っていたけれど、もう一つ貫禄のようなものがあってほしかったのと、ワルターのデイヴィッド・バット・フィリップは力不足か。

ライナー・キュッヒル率いる第一ヴァイオリンが時折“キュッヒル”憑依を起こすところがあり、またヴィオラとチェロがよく歌ってくれていた。

15時5分に前奏曲が始まり、30分2回の休憩を挟んで終演は20時15分。

《ワーグナーのトピックス一覧》
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