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☆話§鳳凰祭四月大歌舞伎昼の部~新・陰陽師~ [歌舞伎]

歌舞伎座が新開場して丸10年の4月は、鳳凰祭四月大歌舞伎と銘打たれての興行。昼の部は若手花形中心の『新・陰陽師』が、夜の部は仁左衛門&玉三郎で『与話情浮名横櫛』と松緑、左近親子で『連獅子』を出してきた。

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一昨日観たのは昼の部。10年前、柿落とし公演の一環で9月に上演されたがその時とはまったく違う舞台になっていたので、戸惑ってしまった。市川猿之助脚本・演出とあって、いかにも彼らしい台本だと思ったのは、他の歌舞伎からのパロディーがあったり、あちこちで楽屋オチで笑わせたりしていたが、あれこれ詰め込み過ぎも感じられ、全編を通すと薄い印象は否めない。

一番の問題は“主役”の二人、隼人の安倍晴明、染五郎の源博雅が活躍する場面がほとんどなく、誰が主役なのかまったく見えてこなかったのである。



……ついでに隼人、染五郎の二人がまったく前面に出てきてくれず、気を吐いていたのは、福之助の俵藤太、尾上右近の興世王、あるいは巳之助の平将門あたりか。結局は舞台のスケール感が感じられないまま終わってしまったようだ。いっそのこと居直って“スーパー歌舞伎”に仕立ててしまったほうが、よほどエンターテインメントとして楽しめるような気がした……要するに中途半端なのだ。

最後に取って付けたような猿之助(蘆屋道満)の宙乗りで幕……筋の一片すらわからない海外のお客さんには、ケレンや引き抜きなどあって、それなりに楽しめたのではと思ったけれど……。

追記:琴吹の内侍を務めた、歌舞伎役者最長老の寿猿翁は5月で93歳になる そうだが、矍鑠とした舞台姿を見せてくれた。

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