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謔話§一日一句~生きとし生けるもの~ [俳句]

季語は・・・皐月尽

死ぬまでは 生きる定めや 皐月尽

【去年の今日】直話§居り尾瀬の日々[3]停滞は居り尾瀬
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行話§麦秋至~七十二候~小満 [七十二候]

小満の末候“麦秋至(むぎのときいたる)”である。

前話のとおりで、5月最終日である。

6月に入れば鬱陶しい梅雨の日々となって、雨続きとなる……5歳だから、保育園に通っていた頃で、本当に毎日毎日雨が降り続いていて、長靴と傘が欠かせなかった記憶が残っているが、長じてみれば一週間も10日も毎日毎日雨が降ることなどいくらなんでもなく、せいぜい2、3日くらいなものではなかったか。

60年以上前は道路事情が悪くて、幹線道路はともかくも、そこから路地とか横道に入ると舗装が進んでいなかったりして、雨が降れば水たまりだったり泥道になったりするので、長靴は必需品だった。

気がつけば道路の舗装化が進んで、1960年代半ば過ぎには長靴を履くこともなくなり、下駄箱から長靴が消えていたのである。

……今の我が家には夫婦二人分の長靴がある。それは、多摩丘陵のてっぺんという立地環境ゆえ、年に二回くらい降雪に見舞われてしまうためゆえの、必須アイテムなのだ。

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調話§皐月五月が終わるって? [日常]

ちょっと変だった5月が終わる。5月になった二日目、朝方の気温が思った以上に下がったようで、同居人が窓に結露しているのを見つけた。さすがに5月の結露とは初めてのことである。

ちょっと雨がちの日が鬱陶しくもあったりしたが、まあまあ初夏らしい陽気の5月だったのではないか。

一年で一番に気持ちのいいのが5月だとは、5月になると何度も何度も繰り返し書いていることで、それはもう疑う余地などはない。色々文句を言っているが、やはり5月の空気感に勝るもなどはない。

いつも思うことは、一年中5月だったらいいのにということだが、仮にそんな気候が現実に起きたとしたら、あまりの変化のなさに人間が怠惰になりかねないのではないか……人間、楽をしてはいけないのだ。

5月の陽気が続いていいことといえば、洗濯物がよく乾いてくれることか?

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謔話§一日一句~ちょっと震度三~ [俳句]

季語は・・・青葉雨

活断層 蠢(うごめ)き今朝は 青葉雨

【去年の今日】直話§居り尾瀬の日々[2]そぼ降る雨の日は
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憶話§SSD速い!~後日談~ [パソコン]

パソコンを買い替えて一か月半が過ぎた。

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買い替える時はデータの式年遷宮や設定などが面倒で鬱陶しく、ぐずぐずと買い替えを先延ばししていたのは当然のことで、歳を取ったせいか、前回の式年遷宮よりもさらに面倒だと感じてしまったのだ。

とはいえ、セッティングが完了し、新しいパソコンでの日常が始まると、これがストレスなしのパソコンライフであることに日々感謝感謝なのである。

新しいパソコンに搭載されているのはハードディスクではなく、ソリッドステートドライブと呼ばれている“SSD”なるもので、これが2TB入って、さらに念のため1TBのハードディスクを用意しておいたが、そこまで使うのは、まだまだ先のことだろう。

そしてそのSSDだが、ハードディスクに比べて起動が圧倒的に速くなってくれた。電源を入れて、おおよそ20秒もすれば初期画面が登場し、そのまま作業のためのアプリケーションを開けられるようになった。ネット画面を開けようとすると、光ファイバーモデムのネット接続がまだというメッセージがでるくらいである。

以前のパソコンは、最後はかなりポンコツになってしまって、起動して初期画面が現れるまで数分。さらにアプリケーションが起動するまでひとしきりで、末期は15分くらい要していた。

パソコンを使って急ぐ用事などありはしないけれど、それでも起動が遅いのはストレスを感じていた。それが新しいパソコンの素早い起動のおかげで、快適なパソコンライフが戻ってきてくれたのだ。

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涮話§いつものしゃぶしゃぶ [私事]

車を運転するかバスに乗るかして、月に一回か二回くらいの頻度でちょっと離れたショッピングセンターで買い物をする。そこでないと買えないあれやこれやを補充するためである。

そしてスーパーマーケットの中には、肉を量り売りしてくれるブースがあって、いい肉を買うことができるので出向いた時は毎回、旨い黒豚しゃぶ肉を求めるのだ。

量り売りとはいっても、あらかじめ100gくらいにパックされていて、200gちょっとが欲しいので、店員とやり取りをしてちょうどいい量にしてもらうのだが、店員によっては、ああだこうだと言われるのを面倒がる人もいて、だが、こちらとしても250gなど食い切れないから、何とか220g前後にしようとせめぎ合うことになる。

交渉の結果、まあまあ納得できる量のしゃぶ肉を包んでもらい、付け合わせの野菜も買っていそいそと我が家に戻り、しゃぶしゃぶパーティーが始まるのだ。

付け合わせは、たっぷりの茹でもやしに貝割れ大根。タレはポン酢しょうゆに胡麻ダレ。両方とも好きだが、個人的にはポン酢のほうに軍配が上がり、ひとしきりビールと日本酒を楽しんだ後は、残ったしゃぶ肉をおかずにしてご飯をいただく。

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謔話§一日一句~ボーっとしていたら~ [俳句]

季語は・・・夏の月

うたた寝や 二駅過ごし 春の月

【去年の今日】直話§居り尾瀬の日々[1]雨の山開き
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顧話§今日の歴史~大スキャンダルとなって~ [ストラヴィンスキー]

1913年5月29日、ストラヴィンスキーのバレエ音楽『春の祭典』初演。

ハルサイが初演された日である。

間違いなく、クラシック音楽史上最大のスキャンダラスな事件だったのだ。



バレエ・リュス(ロシア・バレエ)を率いた二人の天才、興行主ディアギレフと、ダンサーで振付家のニジンスキーが振り付けたストラヴィンスキーの新作を、パリのシャンゼリゼ劇場で初演したのである。

そして劇場内では支持派と反対派に分かれ、罵りあいや乱闘が展開された。そんな様子をタイムマシンに乗って見に行きたいと、ハルサイ好きだったら誰でも思うことであろう。もっとも、大きな混乱が起きたのは初日だけで、その後シャンゼリゼ劇場で行われた3回の公演は平穏なものだったという。

自分にとっての『春の祭典』は、辛うじて喰いつき続けている数少ない現代音楽作品なのだ。実演であれ、録音であれ、聴き飽きすることなどないし、クラシックの音楽としては“興奮する”類の音楽と言える。

読めもしないスコアも持っているが、譜面面は恐ろしく複雑で、古典派音楽の比ではない。とりわけ終曲『生贄の踊り』における変拍子は、スコアを見ていても今だに訳がわからない。

締めにマメ知識……音楽の最後にコントラバスが鳴らす和音は、下から順に“DEAD=死”なのだ。

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老話§記憶違いと勘違い [老化]

ついうっかりという単純ミスが増えてきている。それはもう明らかなことでそんなことがこの先に待ち構えている認知症とやらに繋がっていくのであろうかと不安になるのは当然のことである。

前に書いたかもしれないが、遠くの記憶は正しく残っているのに、直近の記憶があやふやだったり、間違って記憶していたり、自信を持っていたはずの記憶力に綻びがでてきているのは確かなことであろう。

それにしても“こうだ”と確信を持って思っていた記憶が、実はまったく別物の記憶とすり替わっていたり、脳内のハードディスクの回路が混線しているような気がする。

そして勘違い……ついこの間の勘違いは、洗面所のタオルとキッチンに手拭きとして掛けておくタオルを入れ替えるのに、キッチンに洗面所のタオルを持って行ってしまったことが。もちろんすぐに気がついたのだけれど、還暦過ぎのあれやこれやを考えると笑えないものがあった。

ともかく、油断しているとそういうことを際限なくやってしまいそうで、だから最近かなり心していることは、必ず閉めたかのチェックを心がけて、便器の蓋を閉めたのも、もう一度振り向いて確認するよう注意しているが、その振り返りを忘れそうにもなってしまうのは困ったことだ。

おまけに便器の蓋は確実に閉めたのに、水を流し忘れてしまい、後から入った同居人から指摘されるという体たらくである。

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謔話§一日一句~小さな拠水林~ [俳句]

季語は・・・夏の雨

夏の雨 竜宮尻は 煙りけり

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【去年の今日】週話§日曜枯寂~磁気ネックレス始末~
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吃話§今日の一枚~プッコ紙?~ [日本語]

トラックなど、営業車の文字表記は左からと右からとマチマチなのだが……

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……さすがに欧文表記まで右書きにしているのを見るのは珍しく、何というか、あまりにも意味不明過ぎて笑ってしまったのである。

追記:“プッコ紙”とは、我が家近所を走っていた軽トラックの右書き

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骨話§CM関節症 [健康]

4月半ば頃から、右手指の関節が痛むようになった。ちょっと親指の角度を変えたり、力を入れたりすると、これまでにない痛みが出るようになった。

2週間ほど様子を見ていたが、状況が変化することはなかった。腱鞘炎か何かだろうかと、素人見立てをしつつ、ゴールデンウィーク真っ最中の平日、診療日の整形外科に赴き、診断してもらたところ“CM関節症”だという。腱鞘炎ではなく、親指付け根関節の炎症ということのようだ。

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重症であればステロイド注射を打ったりするようだが、そこまでひどくはなさそうなので、湿布薬と親指に負荷をかけず支えるサポーターをあてがわれた。

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2か月ほどは親指に無理をさせず、回復するには半年ほどを要するようである。何とも気の長い話だが、考えてみれば70年もの間、ほとんど何の支障もなく動き続けてくれたわけで、それがここにきて痛むようになったとは、まあ無理からぬ話である。

というわけで、サポーターであまり親指に負担をかけないよう、可能な限り安静にして回復を待つしかないということなのだ。

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謔話§一日一句~ひっそりとして~ [俳句]

季語は・・・葉桜

葉桜や 影となりける 地蔵堂

【去年の今日】週話§土曜枯寂~季節の移ろう速度~
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活話§自動車の運転度激減 [自動車]

ここ一年ほど高速道路に乗っていないことに気がついた。クレジットカードの請求明細にETC利用の記載がないのだ。

ということは我が家周辺でしか運転していないということではないか。そういえば走行距離も伸びてはいない。このところロングドライブというと往復400kmで尾瀬歩きをする時に運転くらいのものである。

間もなくの古稀を控えて、運転納めも近づいていることを自覚している。自分なりの目論見としては75歳で車を手放そうと考えているので、残り5年というところか。

……とは思っているが、走行距離と車の維持費のバランスシートが良好とは言えない。そして今回を入れると、あと3回の車検を行わなければならず、何とも“費用対効果”に見合ってくれないような気がしてならない。

考えられることは、あと3回をあと2回にして、車の返上を早めることで、それでも生活するうえで困ることは、さほどなさそうな気はしている。

運転免許を取って車の運転をし始めた頃は、運転納めをするなど考えるはずもなく、延々と運転しているような気になっていたが、昨今の高齢運転者のトラブルあれこれを見ていると、とても他人事とは思えなくもなっていて、まあ“潮時”を自覚するタイミングが近づいているということだ。

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ψ話§サイゼリヤでごーゆー! [B級グルメ]

ちょうど一か月前、江戸陸でラグビー観戦をした。14時半キックオフでノーサイドが16時半近くとなり、西葛西を出たのは17時過ぎ。電車を乗り継いで最寄駅に戻ってきたのは19時近かった。もちろん家に帰って夕食という選択肢などなく、久々に夜の外食となった。

最寄駅直近の“サイゼリヤ”だと決めて一直線に向かう。時間が時間だったので、前に2組ほど待っていたが、ほどなく席に案内された。当然ながら、まずはビールぐびぐび!でしょう。

そして注文したのは、レシートのとおり。

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最初の3つは小皿もので、ハモンセラーノなどは皿に2切れ、カプレーゼもチーズとミニトマトが2つずつとかわいいものであるし、食べようと思えばもう何皿か追加できるのだ。そしてビールの後には、四分の一リットルの赤ワイン小デキャンタを。

酒を呑まない同居人はオニオンスープの後、トマト味のスパゲッティを注文したが、これが今度はけっこうな量。赤ワインを呑み終えたところで、夫婦二人でシェアしても十分に満足できたのだ。

滞在30分ほどでお勘定……2380円! 結婚した当時に夫婦で入ったチェーン系居酒屋“天狗”でのお勘定に衝撃を受けて以来の支払いだった。

繁盛しているのも無理はないと呆れつつ感心したが、パスタの味をはじめとして“値段なり”というのもまたそういうことである。

追記:先に待っていたうちの一組は、二人の小学生。さすがに驚いたが、たぶんおそらく親に小遣いを渡されたのだろう。親にしても、不安を感じずに食べに行かせられるのだろうとは思ったのだけれど、それにしても驚いた。

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謔話§一日一句~一夏九旬とは・・・・・・~ [俳句]

季語は・・・一夏(いちげ)

草は伸び お経は風の 一夏かな

【去年の今日】別話§終活のおはなし~SNSは生存証明~
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行話§紅花栄~七十二候~小満 [七十二候]

小満の次候“紅花栄(べにばなさく)”である。

尾瀬の春がどんどん進んでいる。一か月前の尾瀬ヶ原は、既に木道が露出して、いつもなら5月上旬の終わり頃の“尾瀬ヶ原湖”がゴールデンウィーク前に出現していた。

昔の感覚からすると、3週間くらい季節が前倒しで進んでいるようだ。それもこれも地球温暖化が顕著に影響しているようなのは明らかで、この冬も少雪だったから、湿原が水を貯えることも少なくて、花の季節も寂しいものになってしまう。

今年も一回か二回か歩きたいとは思っているが、花の季節に見切りをつけて大霜狙いで10月半ば頃に入ればいいのかなと思っているところだ。

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週話§日曜流転~芝のぶの八汐……歌六休演~ [歌舞伎]

『マハーバーラタ』から半年後、まさか芝のぶの八汐を眼にするとは思いもしなかった。

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5月20日、中村歌六が体調不良で休演。松島を務めていた中村芝のぶが代役として八汐を務めると知った。ならば一幕見席でと、12時に発売が始まる翌日の幕見席を慌てて確保。勇躍そして久々に天井桟敷からの観劇である。

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そして席につけば、いつもであれば外国からのお客さん度が高い幕見席であるところ“同好の士”が勢ぞろいしたようで、幕が開く前から不思議な一体感に包まれたのだったのだ。

それにしても、よもや芝のぶが八汐を務めるとは……『マハーバーラタ』について書いた時は、ほんの軽口のつもりだったし、そもそも八汐は立役が加役として務めるもので、これまでも段四郎、仁左衛門、そして今回の歌六といった立役の面々を観てきて、真女形が八汐を務めたのは観たことがない。

だが、まさかの芝のぶ抜擢代役とは。そんな幕見席急遽参上連中が固唾を呑んで見守る中、芝のぶの八汐が登場。立役の八汐が“作り物”だったのに比べると、芝のぶの八汐はまさに悪女がそこにいる“女度”の高い、怖さ満点のファム・ファタール(魔性の女)なのである。そして芝のぶ渾身の舞台である。いつか本役で観ることができるだろうか。

かくして幕見席の一体感の中、我々は“芝のぶの八汐”を見届けることができた。あらかじめチケットを買っていた3階席以下のお客さんとは、一味も二味も違う、初めて味わった4階ならではの楽しい空気感と言えるだろう。

追記:千秋楽は歌六が復帰。芝のぶの八汐は25日までの6日間だった。

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謔話§一日一句~いそいそと湯を沸かし~ [俳句]

季語は・・・新茶

掛川の 新茶届いて 雨の午後

【去年の今日】燻話§ハムカツ・・・・・・見当たりません
タグ:俳句 新茶
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週話§土曜流転~昔はスナックで~ [酒]

スナック……軽食のことではない“スナックバー”のことである。

繁華街ではなく、住宅街の一角にひっそり、素人に毛が三本の人たちが営んでいて、お約束は薄い水割りに、つまみといえばナッツや柿の種みたいな乾きものか、せいぜい炙ったあたりめ……マヨネーズに少し醤油を垂らしたのが付いてくるとか。

そんなスナックが流行ったのは1970年代から80年代だっただろうか。宮仕えが始まり、配属先の上司によく連れていかれたのは深夜のスナックだった。

呑み屋などが立ち並ぶ表通りから、路地裏に入って奥まったところの行きつけのスナックなのだ。

仕事が終わるのは日付が変わる頃。そこから呑み始めるから。お開きは深夜2時、3時……よくもまあ体力があったものだとは遠い眼である。

もっとも、自分からスナックのような酒の店に行くことはなかったのは、そうした店のあり様が好みではなく、呑みに行く時は居酒屋のような店を選んでいたからだ。

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謔話§一日一句~活きのいい定食屋~ [俳句]

季語は・・・鯵刺し

鯵刺しや ランチタイムに 誘われて

【去年の今日】南話§台北で指環~北緯25度~
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遂話§様々な気力が・・・・・・ [老化]

少しずつだが気力が失われてきているような気がする。まあ、元々それほど活発に行動していたわけではなく、むしろ控えめに動いていたが、それでも六十代前半頃までは持ち合わせていたはずの行動力がなくなりつつあるようだ。

ちょっと前から心がけていることは“一日一つ”というもので、これはもうあれもこれもと欲張らないように、一つ為すべきことを確実にこなしていこうということである。

10年前だったらマルチでこなせたことが、今やろうとしたら、どっちつかずの中途半端な結果になってしまいそうで、そうならないためにも、やるべきことは絞って取り組むことが、結果的にうまくいってくれるということだ。

それにしてもと思うのは、かつてはクラシックの演奏会や歌舞伎見物に出かけて、21時頃に終演しても、まっすぐ帰る時もあったが、時には軽く1杯と夜呑みを楽しんで帰ることもあったが、さすがに今はそんな気力などなく、マチネーや昼の部が済んだ夕方であっても、デパ地下で何か適当に酒の肴を見繕っていそいそと帰宅するという流れが定着してしまっている。

できたこと、できることが順調に少なくなっていく……。

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認話§曜日を忘れそうになるが [日常]

ボケが始まっているのかどうかわからないが、朝起きた時に“はて、今日は何曜日?”と思うことが増えてきたような気がする。宮仕えをしていた時はあたりまえだが、今日が何曜日であるのかなどと考えもしなかった。

さすがに“毎日が日曜日”みたいな生活を送って10年近く、そんな時間感覚になってしまうのもしかたのないことか……そんな中にあって、今日が何曜日であるのか、目印がいくつかあって、それは例えば、週に二回の“燃えるゴミ収集日”であったり、週末にやって来る宅配野菜の発売日、そして土曜日の朝刊に挟まってくる週末版がそれだ。

それが、辛うじて曜日感覚の目印として機能してくれている。その他に何かあったのかなと考えてみるが、まあそれくらいあれば十分だろう。ただし、先月はじめから宅配野菜の配達曜日が変更になってしまって、また感覚を修正する必要があった。

というわけで、外部からの働きかけのおかげもあって、曜日感覚を辛うじて維持しているようなものだが、この感覚をいつまで持ち堪えることができるものか、それは自分にもわからない。

《日常のトピックス一覧》
タグ:曜日 私事 日常
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連話§ワタシの酒肴[184]栃尾揚げ [酒肴]

[承前]

新潟は栃尾の油揚げを初めて食べた経緯はこちらを参照のこと。

まあ、何しろ不思議な油揚げである。厚揚げのような厚さなのに、中はフワフワしている。そのフワフワした厚みの中に、刻み葱や葱味噌、納豆などを挟み込んで、電子レンジで温めたり、グリルで焼いたりしていただくのだ。

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何より一番の好みは、刻み葱をたっぷり挟み入れてレンチンし、生姜醤油をかけるだけというシンプルな奴だが、リンクに書いたように、神保町に存在した新潟ラーメンの店が、夜は居酒屋に変貌した時の一推しつまみがこれ。

それ以来、栃尾揚げといえば刻み葱に拘っている。呑めた頃だったら、一枚の栃尾揚げを注文すれば二合、三合は軽々と呑めてしまう……お得なつまみだった。

というわけで先月、車で出かけたデパートの食料品売り場に栃尾揚げの出店があって、いそいそと買い求めた。いつもどおりに生姜醤油を垂らし、晩酌の佳き友となってくれたのである。残念ながら二合も三合も呑めなくなっていて、少しばかり持て余しそうにはなったが。
                               [続く]

《酒肴のトピックス一覧》
https://reinheitsgebot.seesaa.net/article/200709article_17.html
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乾話§素っ気ない旅行 [旅行]

観光名所にほとんど興味のない我々夫婦の旅行は、明確な“目的”があっての旅で、それは3月のようなスポーツ観戦であったり、行ったことのない劇場やホールで、歌舞伎を観たり、コンサートを聴きにいったりと、まあ実質的だったりする。

それゆえ、普通に旅行している人たちのように、名所にわざわざ赴いてとかまずない。

3月の大阪訪問でも、難波のホテルに泊まるという絶好の立地であったにもかかわらず、徒歩10分ほどのところの道頓堀川に架かる戎橋までも行かず、当然ながら、くいだおれ人形も、グリコの万歳看板も目にすることなかったのだ。

まあ、そのあたりに用事らしい用事もなかったし、もしも食事にでも出かけることでもあったら、横目でちらりと眺めて通り過ぎるくらいのことはしただろうが。

それと、戎橋近くの松竹座で歌舞伎でもやっていればと思って調べたのだが滞在中の興行はなく、いずれにしても我々の大阪は、花園ラグビー場と難波駅周辺だけで終わることになってしまったのである。

そして大阪土産は、上方の惣菜少々に551蓬莱の豚まんだった。

《旅行のトピックス一覧》

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謔話§一日一句~序二段から三段目へ~ [俳句]

季語は・・・風薫る

昇進の 雪駄は軽し 風薫る

【去年の今日】連話§ワタシの酒肴[173]だし巻卵
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祝話§ワーグナー211歳~年に一度は~ [ワーグナー]

毎年、飽きもせずに書いているが、ワーグナー211歳の誕生日である。

19世紀の前半から後半にかけての生涯の中で『ニーベルングの指環』であるとか『トリスタンとイゾルデ』などなど、一作だけでも十分に業績として認められるのに、バイロイト音楽祭で上演される10作品すべてが、21世紀の今でも人々を魅了してやまないというのは、まさに巨人と言えるだろう。

海外旅行に行かなくなってしまったことで、日本では観る機会が限られてしまうワーグナーの楽劇を観に出かけることも叶わなくなってしまったのは、何とも残念だ。

現状はといえば、年に一度の東京・春・音楽祭の演奏会形式上演を辛うじて聴きに出かけるのがせいぜいで、まあ今年は新国立劇場でトリスタンが上演され、期せずして東京・春との競演になったのは僥倖なことだったが、それ以上に舞台上演は期待できない。

とはいいながら年齢的な衰えのゆえもあって、数年前と比べてワーグナーへの執着が明らかに減退しているのもまた事実であると言わざるを得ないのである。

そして気がついたことはといえば、間もなく我が身がワーグナーの没年齢と同じになるということだった。

《ワーグナーのトピックス一覧》

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愉話§レパートリーは広がったか [クラシック]

クラシックを聴くようになって、そろそろ60年になるようだ。そして今だにレパートリーが超レベルに狭いままである。どうやらこのままお迎えが来そうだ。

結局のところ基本は、バッハに始まるドイツ&オーストリア系音楽で、それ以上には広がりを見せることはなかった。つまり、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ブラームス、ワーグナーにリヒャルト・シュトラウスで8割がたを占めて、残りいくらかをドビュッシーやラヴェル、プーランクといったフランス系、そして少しショパンを聴き、現代音楽と呼べるものは、せいぜいストラヴィンスキーのバレエ音楽どまりである。

そんな狭い範囲での嗜好でしかないが、それでもこの20年ほどで、辛うじてレパートリーは広がってくれた……と言っても、上に書いたドイツ系作曲家の作品がほとんどなのだが。

20年近く通い詰めた、オーストリアの小さな室内楽の催しに出かける内に、自然と室内楽に親しめるようになった。ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲だったり、シューベルトのピアノソナタ、そしてシューマンやブラームスのピアノと弦楽器のための作品とか。少しばかりだが幅は広がってくれた。

ワーグナーには喰いついて、数回のバイロイト詣もしたけれど、結局は中途半端な掘り下げすらできずに終わってしまうようだ。まあ……耳さえ喜んでくれればいいだけの話ではあるのだが。

あ、そしてブルックナーとマーラーには届きませんでした(笑

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謔話§一日一句~40度だとちょっとばかり~ [俳句]

季語は・・・薄暑

夕風呂や 熱く感じて 薄暑かな

【去年の今日】週話§日曜枯寂~虫歯と歯医者~
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