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利話§レンタカーで空港へ [海外旅行]

海外旅行でレンタカーの利用を始めたのは2002年からで、およそ20年運転をしたことになる。戸惑ったのは最初の2年ほどで、それ以降は、日本とそれほど変わらず運転できていたと思う。

何がありがたいと言って、ほぼ9割のレンタカーをピックアップしたミュンヘン国際空港だが、空港内大手レンタカー会社のチェックインカウンターがあって、手続きを終えてキーを受け取れば、歩いて3分ほどのところの駐車場で車を見つければ、荷物をのせてすぐに運転することができる。

↓ミュンヘン空港でレンタカーを返却する


返却するのも、同じ駐車場に戻ってきくれば、空港にカウンターがあるレンタカー会社はすべてを同じ場所で受け入れてチェックアウトできるのだが、これは本当に簡単でありがたい。

それが、成田や羽田だとどうだろうと調べてみれば、空港内でチェックインはできるようだが、車をピックアップするには送迎用の車に乗せてもらい、ちょいとばかり離れた営業所の駐車場まで行かなくてはならない。

我が家から羽田に行く時にレンタカーを利用したが、自宅近くの営業所で借りた車を空港で返却することはできず、空港から15分ほどの穴守稲荷あたりの営業所に返却し、送迎車で空港まで送ってもらうのだ。

こうしたシステムは羽田や成田だけのことなのか、地方の空港だったら、そんなことはないのか。国際空港を標榜しているにしてはレンタカー事情の不便さについては感心できないのである。

モータリゼーションの思想がまるで違っているようだ。

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悼話§市川猿翁さん(歌舞伎役者) [歌舞伎]

それまで、3階席上の幕見席で何回か観ていた歌舞伎をきちんと観ようと、1階2等席を張り込んで出かけたのが、三代目猿之助と玉三郎の顔合わせによる『義経千本桜』だった。1992年のことである。

白状するも何も、それまでも歌舞伎については何もわからずだったのだが、この時も同様で、ろくに筋も知らずに観て、記憶に残っているのは、猿之助の“けれん”や宙乗りといったものだけだった。

その数年後、再び猿之助で『當世流小栗判官』を観たが、これまたけれんを楽しんでおしまい。まだまだ歌舞伎を楽しむ余裕のようなものはなかったようだ。

その後、2003年の公演中に体調不良を訴え、パーキンソン症候群を発症して舞台から遠ざかったが、2012年に二代目市川猿翁を襲名し『楼門五三桐』で真柴久吉を務めたのが最後の舞台となった。

記憶に残っているのは、1992年のバイエルン国立歌劇場来日公演で、猿翁が演出したリヒャルト・シュトラウス『影のない女』の新演出上演。これは、視覚的に非常にわかりやすい舞台で、オペラのメルヘン的なところを巧みに表現していたのである。

chirashi00397.jpg

まさに“稀代の風雲児”と言うことができただろう。享年八十三

合掌

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助話§牛肉と玉葱炒め~お助け中華~ [海外旅行]

牛肉と玉葱炒め……日本の中華料理屋で見かけることのない料理を食べたのがいつだったか、はっきりと覚えている。1991年にバイロイト初詣した時の市内の中華料理店だった。

まだ三十代半ば過ぎくらいだったが、現地の料理に食傷して、散歩中に見つけた店に入ったのだ。何を注文しようかと、しばしメニューを眺めていた時に眼に飛び込んできたのがこいつだったのである。

そして注文。テーブルにやって来たのは、ほぼ予想した通りで、シンプルな仕上がりに安心した記憶だ。



料理法は大雑把にこんな感じで、店によって味付けはかなり異なっている。まあ、日本人的に言えば“ご飯がススムくん”に仕上がっていて、それだけでも安心材料と言えるだろう。

最後に食べたのはオーストリアアルプスの端っこ。村々が点在する中でも、比較的大きな集落に一軒の中華料理店があって、そのあたりに滞在している間に、必ず一度は食べに出かけていた。店の人(中国人)も、そのあたりでは珍しい東洋人ゆえ、行けば笑顔で迎えてくれるのだ。

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愉話§一日一句~陽射し明るくて~ [俳句]

季語は・・・秋日和

秋日和 赤子やうやう 眠りけり

【去年の今日】週話§日曜有閑~六十八歳です~
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異話§玄鳥去~七十二候~白露 [七十二候]

白露の末候“玄鳥去(つばめさる)”である。

古希を一年後に控えた69歳の誕生日は白露の末候である。

何度か書いていることだが、誕生した日に発生し熱帯低圧から変化したのが洞爺丸台風だった。この台風が青函連絡船洞爺丸を沈没させ、多数の死者を出したのは、よく知るとおり。

70年も前、天気予報の精度はまだまだ手探り状態と言ってもおかしくなく、その後、気象衛星やコンピューターの性能の向上によって、予報精度は格段の進歩を見せた。数字に見る人的被害は少なくなったが、強風や大雨による物的被害が、ここにきても劇的に改善したようには思えない。

せめて何とか、川が氾濫して堤防を越えることは抑えられないものか。

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誕話§アラ七十~古希秒読み~ [私事]

本日、69歳となった。

20世紀の半ばに生まれた身が、21世紀のどこまで生き延びるものか、それはわからない。何しろ古希七十が眼の前なのだから。

うーん……七十半ばくらいだろうか、あるいは八十までは頑張れるかなどと考えたりはするが、齢百歳みたいなことなどゆめゆめ考えたことなどない。

まあ、かなりガタが来まくっている中古のオンボロ・ボディだが、生きる意志があって、とりあえずパーツが動いて、いくばくかの欲というか好奇心が我が身の中に健在であってくれれば、生きるのは楽しいに違いないのだが。

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愉話§一日一句~酒仙に献杯~ [俳句]

季語は・・・牧水忌

牧水忌 ロックでダバダ火振呑(や)

【去年の今日】週話§土曜有閑~イタリア料理の日~
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週話§日曜枯寂~路面電車~ [鉄道]

先月26日、宇都宮で路面電車(LRT)が開業した。実に75年ぶりの新規路線の誕生である。

かつては、東京にも京都にも都電や市電が走っていたが、自動車の激増による道路渋滞が影響して、徐々に姿を消していってしまった。ここに来て新たな路面電車の開業が、どのような意味を持つものか、興味をもって先行きを眺めようと思う。

ところで、路面電車が走っている街は大好物だ。海外を旅行していて、街に路面電車が走っているのを見るとうれしくなる。

IMG_2515.JPG

特にドレスデンのような“古都”の旧市街を縫うように走っているのを見るのは好きだし、数年前にインスブルックでも可愛い市電が走っていて、こんな小さい都市なのにと感心したことがあった。

IMG_6132.JPG

ヨーロッパの国々では、公共交通の運行が充実していて、その意識の高さに敬意を払いたくなるのだ。どこか……アジアの国のように、赤字が重なるとさっさと廃止してしまうのとは、交通インフラに対する意識がまったく違うと見受けられるのだが。

《海外旅行のトピックス一覧》
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愉話§一日一句~存在感さりげなく恐ろし~ [俳句]

季語は・・・鳥兜(とりかぶと)

鳥兜は紫紺 これより尾瀬ヶ原

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【去年の今日】実話§胡瓜(キュウリ)のおはなし
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週話§土曜枯寂~何かと忙しない~ [私事]

たいしたことではないが、日々やっておかなくてはならないあれこれが積み重なって、それを淡々とこなしている日常だ。

もちろん現役の宮仕えとは比べるのも恥ずかしいほどでしかないけれど、それでも、その日その日の区切りのようなものだと受け留めて動いている。

逆に、そうでもしないと曜日の感覚が明らかに失われてしまうから、やるべき日にやるべきことをしていくことが、我々の日常化の助けになってくれるようだ。

基本のきとしては、週二回の燃えるゴミ収集があって、そこから曜日感覚を維持できているということだろうか。

もう一つは、週に一度入荷する商品があって、それを求めるためにスーパーに行くというもの。別に買わなくても困るような類ではないけれど、その日と買いに行くと決めていだけである。

まあ、こうして必ずやることの合間に、ちょっとしたお出かけ……歌舞伎、コンサートのお楽しみやら、会社OB会の集まりとか大学地域校友会の打ち合わせなどなどが入ってきて、卓上カレンダーにスケジュールを書き込んでおかないと、Wブッキングしかねなかったりするくらいなのだ。

《日常のトピックス一覧》
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愉話§一日一句~カウンターに客二人~ [俳句]

季語は・・・秋日和

ワンオペの 主はあくび 秋日和

【去年の今日】繋話§携帯電話は苦手
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告話§ビッグイシュー463号発売中! [ビッグイシュー]

ビッグイシュー463号は9月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。ジェーン・バーキンが表紙。

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表紙&スペシャルインタビュー ジェーン・バーキン

リレーインタビュー スミス

特集 “有事”を防ぐ

“有事”とは“平時”の反対語で、国家においては戦争など武力に訴えるような事件・事変が起こることである。

2022年12月16日、政府が閣議決定した安保三文書には「反撃能力(敵基地攻撃能力)」が盛り込まれ、戦後日本の「専守防衛」政策を大きく変えた。防衛費でも約1.5倍、5年間で総額43兆円に拡大するとした。その理由の一つに“台湾有事”をあげる。

現在、中国は武力による台湾統一を明言せず、台湾の世論も大半が「現状維持」を求めている。「なのに、なぜ日本が台湾防衛のために米国とともに中国と戦争をするのか?」と布施祐仁さん(フリージャーナリスト)は問う。

一方、米国は桁違いの国防費をもつ軍事大国。米国研究者の三牧聖子さん(同志社大学准教授)は言う。「大きな犠牲を払った20年超の『テロとの戦い』に、米国内でも懐疑や批判が生まれている。なかでもZ世代の若者たちが声を上げている」と。

布施さんに「“台湾有事”の虚構とリアル」、三牧さんに「米国の例外主義と米国のZ世代」について聞いた。

いま“有事”を見つめたい。

[国際記事]
気持ちのよい歩道のために掃除をする“バス停の妖精”

[国内記事]
ふくしまから 始まった福島第一原発・処理汚染水の海洋放出

震災から12年「福島・ドイツ高校生プロジェクト」

表現する人 岩崎貴宏

創刊20周年感謝イベント 川辺で風を感じながら、150人と楽しんだ夕べ

[連載記事]
浜矩子の新ストリート・エコノミクス 習近平ラクダの背中にも藁一本?

コミック 『マムアンちゃん』 ウィスット・ポンニミット

ホームレス人生相談×枝元なほみの悩みに効く料理
     亡くなった父のことで、もやもやしています☆ネギみそきつね☆

池内了の市民科学メガネ 第七の栄養素「フィトケミカル」

販売者に会いにゆく イタリア『スカルプ・デ・テニス』ジョルジオ
                              [その他]

《ビッグイシューのトピックス一覧》
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鶏話§卵かけご飯~TKGですねン~ [B級グルメ]

朝ご飯の“ラスボス”といえば、これはもう卵かけご飯しかないでしょ!

物心ついた時には、お気に入りの定番となっていたのは、偏食のゆえであろうと思うが、そうでなくても卵かけご飯に飛びつくのは当然のことだろう。

朝起きて、まだ胃が動いていないかなという時でも、パカっとご飯に割り入れてかき回し、醤油を垂らしてやれば、あっさりとかき込むことができる。醤油でもいいが、そこに海苔の佃煮でもあれば、風味は一層増して、食欲はいや増しなのだ。かくして快調な一日が始まってくれるということである。

ところで卵かけご飯を“T(卵)K(かけ)G(ご飯)”と、見事な三文字略語を考え出したのは誰なんだろうと思う。これを見かけるようになったのがいつか、諸説あるが、おおよそ今世紀に入って10年くらい経った頃らしい。

どこぞの居酒屋で締めのご飯の中に“TKG”とあるのを見つけて、うまいこと言うなあと感心した記憶である。

そして似たような時期に知った、めちゃウマな卵かけご飯の作り方を最後に書いておこう……卵を割って白身と黄身に分け、まず白身だけご飯にかけてよく混ぜる。そうしたところに黄身を落として混ぜ、醤油適量というもの。こうすることで、黄身の濃厚さが際立つということなのだ。

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過話§備忘録的な何か~2023年9月14日付~ [備忘録]

9月4日頃……今年もヌスビトハギ(盗人萩)が咲き始めていた。毎年、ほぼ同じ時期に咲いてくる。

雑草とか野草と言うには、なかなかに可憐な姿だし“ヌスビトハギ”などという物騒な名前とはまったく違う様子ではないか。

名前の由来はヒッツキムシと呼ばれる種子で、種子の表面がマジックテープのようになっていて、衣服にくっついてはどこかへと運ばれ、そこで繁殖が繰り返されるということだ。

9月11日……ツクツクボウシが遠くで一匹鳴いているのが聞えてきた。前週9月に入ったタイミングで蝉時雨がピタッと止んでしまったが、普段だったらもう少し五月雨気味に鳴く数が減っていくはずでは思っていた。今年の蝉の様はそんな感じのようで、既に世間はコオロギなどの秋の虫が喧しく鳴く夜となっている。そして日中はすっかり静けさを取り戻した。

9月12日……酒を呑む日につき枝豆を茹でた。ここ2、3年は一袋全部を茹でることはせず、半分120g程度に分けて茹でているが、ちょうどいい。

以前は丸々一袋茹でてもペロリと食べてしまったが、食べる量が減ってきていて、ひと晩で袋半分に落ち着いた。

同じ日、スーパーマーケットの棚から冷やし中華が消えていた。普段使いで愛用している商品も含めて、冷やし中華すべてが姿を消した。夏が終わったということか。

9月13日……真っ黒な富士山の姿を遠く望めた。ここ四半世紀を眺めると、初冠雪は早くて8月上旬、遅い時は10月終わりと幅がある。猛暑続きだったので、さすがに雪が降るにはまだ間があるだろう。

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卑話§間違っているものは間違っている [日本]

今だに“お上にたてつく”とか“お国に反旗を翻す”とかしようものなら、逆族扱いするというのが我が“黄昏の後進国”である。

政府が、政治家が、官僚が無謬であると思い込まされているのか、思い込んでいるのかわからないが、彼らが間違いを犯さないと誰が言えるのか。黒を白だとは、どこをどう屁理屈をこねようが言えるはずなどないではないか。

マイナンバーカードと健康保険のおかしな紐づけこそ、その変な屁理屈付けの最たるもので、国民に不便ばかりでなく事故の危険性まで押し付けようとする暴挙で、到底容認するわけにはいかない。

この国の民は、いったいいつになったら“お上”にダメなものはダメと物が言えるようになるのだろうと思う。

いつだったかも書いた気がするが、こんな状況は独裁国家であり、かつての社会主義国の状況と同じではないか。

繰り返すが、政府が為すあれこれがこれすべて無謬などとは口が裂けても言えることではなく、間違っていることは声を上げて正さないと、そうしたことで不利益を被るのは我々国民の側で、政治家たちはお手盛りで築き上げた多くの特権の上で能天気かつ安穏に過ごしているのである。

蛇足と思うが付け加えておくと、そうした輩が説く愛国心は、本人たちの都合だけでしかない偽愛国心なのだ

《日本のトピックス一覧》
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愉話§一日一句~しばしの静寂~ [俳句]

季語は・・・虫の音

虫の音が 途絶え終バス 発車して

【去年の今日】保話§冷凍庫は最下段
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異話§鶺鴒鳴~七十二候~白露 [七十二候]

白露の次候“鶺鴒鳴(せきれいなく)”である。

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鶺鴒(セキレイ)は、我が家のあたりでも見かけるのが珍しくもない。初めて
鶺鴒を眼にしたのは、尾瀬へのアプローチを歩いている時だった。人懐こい
というか、先導するように歩く先へ先へと飛んでいく。だが、実際はツンデ
レと思えなくもない。近づいたかなと思ったら、ひょいと行ってしまう。

鶺鴒だが、留鳥とある。だが尾瀬は、もう2か月もすると冬に入って、餌も
覚束なくなってしまから、おそらくは里に下りていくということだろうか。

尾瀬のような標高1400mあたりだったら、ちょっとそろそろ秋色が始まりつ
つあって、そんな気分になるかもしれず、そんな様子を見に行ってみたいと
考えるのだが、今年は5月下旬に1回入っただけで、2回目を考えつつも、
ちょっと身辺があれこれ立て込んでいると感じ、タイミングを計りかねてい
るところである。

行けるかどうか……10月はじめ頃にでも予定してみようと考えているが、そ
の頃でも鶺鴒が姿を見せてくれるのかな。

《七十二候のトピックス一覧》
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別話§終活のおはなし~さてその先は~ [終活]

[承前]

人は死ぬ。いずれ死ぬ……いったい自分は、どこから来て、どこに去っていくのだろう。

死んでしまえば、荼毘に付され“灰”になってそこまでである。死後の世界がどうのこうのとかまびすしいが、これまで誰一人として死後の世界を見た人間などいない。臨死体験は単なる“体験”でしかなく、それをもって死後の世界を見たわけではない……ただの夢である。

意識がなくなり、呼吸が止まり、心臓が止まり。意識が途絶えたら、我々はこの世からおさらばするのだ。もうその先はない。

来年、古希七十を迎えるが、いよいよ秒読みに入っているのは間違いない。
                               [続く]

《老化のトピックス一覧》
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愉話§一日一句~読み散らかして~ [俳句]

季語は・・・秋の夜

読みさしが 徐々に積まれて 秋の夜

【去年の今日】馳話§旅館の食事を考える
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仇話§木挽町のあだ討ち [小説]

2023年上期の直木賞受賞作であり永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』を読了。

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文学賞受賞作品だからいつも読むというわけではないが、江戸の芝居小屋を舞台にしたというところに興味を惹かれ、迷うことなく手に取った。

二日ほどで読了したが、芝居小屋とそこに生きる人と“あだ討ち”を果たそうと奔走する若い侍の交流が描かれている。

本編は、あだ討ちから2年後に一人の侍が芝居小屋を訪れて、あだ討ちの経緯を芝居小屋の人たち一人一人に語らせるという……一人に聞いては次の人へと、さしづめ『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』というところか。

とにかく人物描写に一日の長があると感じた。芝居小屋の人たちの暮らしが手に取るように浮かび上がってきた。そして“聞き取り”重ねるうち、ある違和感が……

……実は、最終章に差しかかるあたりで結末らしきものは見えるようになってしまった。そのあたり、作者が意図して匂わせていこうとしていたのか。あるいは、そのあたりの詰めについては、もう一工夫必要だったかもしれない。じゃあどうしたらと急に言われても困るのであるが。

そうは言っても読後感はすっきり爽やかで、良質な小説を読ませてもらったのは言うまでもない。

《歌舞伎のトピックス一覧》
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播話§秀山祭九月大歌舞伎夜の部~車引~ [歌舞伎]

暑さが戻った日曜日の午後、秀山祭九月大歌舞伎夜の部を観てきた。吉右衛門没して、早いもので三回忌である。

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一本目の菅原伝授手習鑑『車引』が秀逸な出来。又五郎の松王丸、歌昇の梅王丸、種之助の桜丸と、一家親子兄弟の顔合わせ。

又五郎以下、小柄な一家だが、小柄を感じさせない歌昇の梅王丸が大きい。所作、台詞の荒々しさ、荒事がみちり詰まっていたようだ。又五郎の松王は重しとして無難な印象。種之助の桜丸は少々引っ込み気味と感じられたが、もう一歩前に出るつもりでいればいいのに。歌六の時平、鷹之資の杉王丸、吉二郎の金棒引藤内。

二本目に菊之助、丑之助親子で『連獅子』が……このところ、勘九郎&勘太郎親子あたりから、松緑&左近親子などなど『連獅子』の連打で、またかと思いつつの舞台。ざっと調べてみるとどうやら“最年少”9歳の子獅子で、同じ9歳で勘太郎が務めたが、公演中に10歳となった。ゆえに10歳までまだ2か月の丑之助が最年少となった。

菊之助の親獅子は、彼らしく丁寧な踊りだったが、親獅子という存在は、切れ切れにしか眼がいかず、客の焦点が子獅子に向くのはしかたがない。丑之助はさすがに小柄と感じられ、年齢と相まって“安全運転”で務めていた。毛振りの回数も少なめで無理をしない安全運転。間狂言は種之助の僧蓮念と彦三郎の僧遍念。

最後三本目に長谷川伸の『一本刀土俵入』が、幸四郎の駒形茂兵衛である。これまで観る機会がないままここまで来てしまった。

茂兵衛がお蔦(雀右衛門)に、四股名の由来を語るところで「上州の勢多郡は上広瀬川の駒形生まれ」と出てきた瞬間“ああ、グンマー!”生まれだったのかと納得。赤城山麓、両毛線沿いの関東平野北端の光景が、一気に眼前に広がってきたのである。

……個人的事情はさておき、幸四郎の茂兵衛は“ニン”ではないだろう。前半の下っ端相撲取りでは、色々と工夫の跡が見られたが、相撲取りの役にしては線が細く、後半の渡世人で落ち着きを取り戻したけれど、どこか居心地の悪さを感じたのだ。

そして雀右衛門のお蔦の性格付けが今一つ曖昧で、有り金や簪と一切合財を恵むという心情まで汲み取ることはできず。二階から三味線片手に歌ったのはお蔦の生まれ故郷の越中おわら節と聞こえたのだが……。

そういえばしきりに“横綱の土俵入り”みたいな言い方をしていたが、当時は大関が番付最高位で、横綱が番付に登場したのは1890年のことで、そのあたりはちょっと気にはなってしまった。

終演は20時10分過ぎ。電車の接続がよく、木挽町からちょうど一時間で最寄駅到着。帰宅して、ラグビワールドカップ・フランス大会の日本対チリ戦の後半を少しだけ見ることができた。42対12で初戦勝利である。

《歌舞伎のトピックス一覧》
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愉話§一日一句~出来立てを開けて~ [俳句]

季語は・・・濁酒(どぶろく)

濁酒は 1杯と決め 古希間近

【去年の今日】週話§日曜有閑~テレビゲームも・・・・・・~
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顧話§今日の歴史~目のあたりにした現実~ [アメリカ]

2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件。

帰宅したら、21時のニュースの雰囲気が異様だった。ニューヨークのワールドトレードセンタービル(WTC)に旅客機が突っ込んだというのだ。何を馬鹿なことと見ていたら、22時過ぎに2機目が突っ込む瞬間をリアルタイムで見たのである。

それは、間違いなく現実なのだが、あまりにも現実とはかけ離れているように見えて、その瞬間は何が起きているのか頭が理解していないようだった。

それから徐々に大変な事が起きていると思っていったが、人間はとんでもない出来事を目にすると、感性や想像力の類が鈍化するのではないだろうか。

そして、少しずつ状況がクリアになっていって、事態の大きさに困惑し、怒り、悲しむのである。

こうして起きたテロに始まって、二十一世紀が混迷の世紀になっていく……その時はそこまで考えもしなかったが、今になってみれば、まさに始まりであったのだ。

《歴史のトピックス一覧》
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怠話§遅刻なんて自慢にならない [日常]

遅刻自慢の人がいるようだ。特に著名人、有名人の中にそうした人たちが目に立つようで、様々な武勇伝を読むことができる。

だが、不可抗力以外は、どれも笑えない類のものばかりでしかない。本人だけで完結しているのだったら何の問題もないが、複数のスタッフ&関係者を巻き込んで長時間待たせるなどと論の外の迷惑に決まっているではないか。

しかもそうした遅刻自慢は半端ではない……10分、15分など、そうした輩にとっては遅刻の内になど入らず、1時間や2時間はザラという話を聞いた。

だからもちろん、他人の都合など考えるはずもない。その先に別の仕事を予定している人にとっては、やきもき以上の心理状況になってしまうのは必定であろう。

自分自身のルーズさが他者に及ぼす影響をまるで理解できていないということなのかどうかは、個々人の性格があるにしても、結局は本人自身がそうしたことの重要性を認識してないがゆえの遅刻という現実に繋がっているのは間違いない。

おそらく“たかが遅刻”くらいに軽く考えているのだろうが、人の見る目は少しずつ厳しさを増しているはずである。

《日常のトピックス一覧》
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愉話§一日一句~青空高く~ [俳句]

季語は・・・野葡萄

野葡萄や 径窮まりて 道祖神

【去年の今日】週話§土曜有閑~アニメ映画は・・・・・・~
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週話§日曜枯寂~バイロイトの日々[下]~ [ワーグナー]

[承前]

2008年と2016年、最後2回のバイロイト詣はレンタカーを借りたので、ホテルと祝祭劇場の間を車で往復することができたが、これは超楽ちんだった。

一番遠かったホテルは、祝祭劇場まで約2km、タキシード姿に革靴で30分をかけて歩いたのだが、当時まだ三十代だからできたことだろう。

街散策をしても、14時頃にはホテルに戻ってきて身支度を始めなくてはならない。実はかなり忙しないのだ。昔々読んだバイロイト詣にまつわる文章の中に「街を散歩して昼食を食べ、ホテルに戻って昼寝をする」みたいなことが書かれてあったと記憶しているが、実は昼寝をする余裕などあらばこそなのである。もちろん、やってやれないことはないのだけれど。

そして15時頃にはホテルを出発して祝祭劇場に車を走らせる。駐車場は劇場裏手に十分なスペースが確保されているが、できるだけ劇場近くに駐車したいのも人情だ。

~~~~~~~~~~~~~ 数時間以上経過 ~~~~~~~~~~~~~

そして22時過ぎ、車を走らせてホテルへ戻る。終演後、どこかにしけ込んで1杯という人も少なくなさそうだが、それをしたことがあるのは20時半前に終演となる『さまよえるオランダ人』1回だけで、残りはおとなしくホテルに戻り、用意した軽食とゼクトやビールで腹を収めてベッドに潜り込む……けっこうという以上に、まじめな巡礼の旅であることがわかるだろう。

↓カップ麵バンザイ!
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2008年に観た7演目は『ニーベルングの指環』四部作に始まって、最終夜の『神々の黄昏』から休みなしに『トリスタンとイゾルデ』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』『パルジファル』が連続した過密日程だったのだ。

ちなみに指環の上演は『ワルキューレ』と『ジークフリート』の翌日を休日と設定している。

『パルジファル』が2008年音楽祭の最終公演だった。その翌朝、ホテルのカウンターはチェックアウトする客の長い列が伸びていた。

《ワーグナーのトピックス一覧》
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週話§土曜枯寂~バイロイトの日々[上]~ [ワーグナー]

気がつけば、2023年のバイロイト音楽祭が先週のはじめには終わっていた。初めてのバイロイト詣は1991年で、2016年を最後に打ち止めとし、我がバイロイト体験は5回、24公演で終わりを迎えたのだ。

バイロイト詣は長丁場である。上演される7演目すべてを観ようとすれば、公演前日にバイロイトのホテル入りして、最後の公演の翌朝チェックアウトしても、10泊11日を要することになる。

↓2008年に滞在したホテル
DSC00200.JPG

休憩のない2演目『ラインの黄金』と『さまよえるオランダ人』の開演は18時で、それ以外は16時開演。1時間の休憩2回を挟んで終演時刻は22時半を過ぎることもあるので、まずもって体力温存……ひたすら祝祭劇場でのワーグナーを体験するためにバイロイトの時間はあるのだ。

一日は、ホテルの朝食に始まる。これはしっかり食べておいたほうが吉なのだ。朝食が終われば8時過ぎ。この先の予定はというと街の散策がせいぜいで、18時開演の日であればニュルンベルクを鉄道で往復しないでもないが、まあ、あまり無理はしないほうがよく、音楽祭のための時間は意外と忙しなかったりする。

市内の観光スポットといえば、ワーグナーが住んだヴァーンフリート荘とか世界遺産の辺境伯歌劇場程度で、たかが知れているから本当にぶらぶら歩きのウィンドーショッピングをするしかない。で、時折カフェでお茶したり。

朝食をしっかり食べているので昼は軽め。サンドイッチのようなものを店で買ってきて食べたりもした。そうして半日ほどが過ぎてゆき……。
                               [続く]

《ワーグナーのトピックス一覧》
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