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秋話§吉例顔見世大歌舞伎~中村芝のぶ~ [歌舞伎]

すべては、超大抜擢の中村芝のぶ務めた鶴妖朶王女(づるようだおうじょ)の主役二人、菊之助と隼人の存在が薄く見えた“陰の主役”に尽きてしまう。

序幕冒頭、神々が話し合う場面は『仮名手本忠臣蔵』の大序を模したものと見ることができたが、このあたりが歌舞伎なのだ。

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芝のぶは梨園の育ちではなく、国立劇場歌舞伎俳優研修を修了して歌舞伎界に入ってきて、名題まで昇進したが、この先幹部まで上がることはあるだろうが、大きな役をもらえることなどはまず考えられず、そういう意味では、まさに大抜擢なのである。

さて『マハーバーラタ戦記』は、2017年に歌舞伎座で初演されている。その時も観ているが、今回観ていて“何も覚えていない”ことを白状しなくてはならない。世界三大叙事詩ということだが、歌舞伎のこしらえにインドの人が額につける赤い印“ティーカ”で、言ってしまえば大雑把になぞったに過ぎないということか。

芝のぶの鶴妖朶王女は、ひときわ異彩を放っていて、時に他の役者との間に違和感を覚えなくもないが、それだけ役作りに集中したと想像できて、見事な悪女を構築していた。あれだったら『伽羅先代萩』の八汐を観てみたい。

大詰の戦場の場での最期に見せた階段落ちの壮絶さは、久々に歌舞伎舞台で背筋が凍るものだった。そして、個人的にこの『マハーバーラタ戦記』は、もう一人の女形米吉である汲手姫(くんてぃひめ)と、二人の存在感が際立つものだったような気がする。

芝居がはねて地下の木挽町広場で舞台写真を買おうとしたら、これまで見たことのない長蛇の列。これはいかにと列に並んで、一枚だけ芝のぶの鶴妖朶王女を買おうとしたら、レジの受取場所で売り切れと言われたが、待つこともなく追加が届いていて手にすることができた。察するところ、昼の部の売れ行きは、米吉と芝のぶの二人に集中していたようである。

帰りは、教文館年末恒例のクリスマス・ショップに行き、新宿まで戻ったところで、とんかつで歌舞伎疲れを癒したのだ。

《歌舞伎のトピックス一覧》
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愉話§一日一句~酉の市の雑踏避けて~ [俳句]

季語は・・・熊手

抜け道を 肩に熊手の 鳶頭

【去年の今日】週話§土曜有閑~今年は三の酉~
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週話§日曜枯寂~習作一生~ [俳句]

毎日“一日一句”と称して俳句をひねるようになって、11年が過ぎていた。ざっと四千句を数える。

これはと思える俳句は少なく、時には同居人からけちょんけちょんに評されるほうが多いくらいではあるが、そんなことでめげていたら11年も続くはずなどなく、そこはしぶといのだ。

ところで――内緒だが(ぇ――遅ればせながらカルチャースクールで俳句の通信講座を受講している。

半年単位が2回。一年12回で、毎回2句を提出して添削してもらう……第三者の眼で遠慮なくダメ出しされるのは、いっそ気持ちがいい。

前半6回が終わった時点で、手放しで褒められたのは一句だけ。そこそこの出来だったのが2、3句くらい。

まだ、ダメ出しをされたあれとかこれとかが反映されるようになってきてはいないが、それでも少しずつでいいから形になってくれればと思う。

たぶんおそらく、最後まで習作のままに終わりそうな気はしているけれど。

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愉話§一日一句~時季はずれ~ [俳句]

季語は・・・忘れ花

ほらそこに ツツジ一輪 忘れ花

【去年の今日】W話§ハムカツの正しい定義
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異話§金盞香~七十二候~立冬 [七十二候]

立冬の末候“金盞香(きんせんかさく)”である。

今年は残暑が長かった。一か月前も東京の最高気温は24.4度と夏日に迫るかのようだったし、翌日には25度を超え、さらにその翌日は27度などと、暑さを引きずっていたのだ。

例年であれば、10月中旬の前半には衣類の入れ替えがほぼ完了する段取りとなるのだが、今年は2回、3回とだらだら小出しの入れ替えが続いた。こんな衣替えも珍しいような気がする。

結局、下旬までTシャツを着ていたわけだが、これも例年だったら10月10日あたりをめどに片づけられるのだが、まだ油断はできないと3枚ほどを残しておいたのだが、さすがに20日過ぎまで着るとは思わなかった。

そして、11月も半ばを過ぎ、朝晩の気温もずいぶんと下がってきて、上に羽織る物も少しずつ厚くなってきたようだ。

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週話§土曜枯寂~ニュージーランド国歌~ [ラグビー]

59年前の東京オリンピックで散々聞かされたのはアメリカ国歌で、気がつけばすっかりメロディーを覚えてしまった。

そして、ラグビワールドカップで覚えたのはニュージーランド国歌である。2019年に日本で開催された時に、2回か3回か聴いたら覚えてしまっていたのである。



初めて聴いた時、どこか懐かしいと感じたのは、何がなしプロテスタントの讃美歌に似ていると感じたからだろう。いかにも“偉そう”としか感じられないウエメセなアメリカ国歌に比べて、謙虚な敬虔さが見えてくるようだ。

というニュージーランド国歌だが、ラグビーの場合は続きがあって、国歌とキックオフの間に、お約束の“ハカ”が行われる流れなのである。

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愉話§一日一句~登って下って~ [俳句]

季語は・・・落葉

木漏れ日や 峠の道に 降る落葉

【去年の今日】連話§ブログの限界・・・・・・ダブる
タグ: 俳句 落葉
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顧話§今日の歴史~アメリカの恥部~ [アメリカ]

1871年11月17日、全米ライフル協会設立。

話は単純で、銃の類を所持さえしなければ、少なくとも銃乱射による殺人が起きることはない。

だが、全米ライフル協会なる強力なロビー団体は、憲法を縦にアメリカ人を銃塗れにしているのだ。そして、ライフル協会の権力はいよいよ強大に、そして大量の資金が銃を支持する政治家に流れていくのだ。

もはや、自衛のための銃なる概念は形骸化し、銃を持つべきでない人間たちも簡単に銃を入手して事に及ぶのである。

去年(2022年)、アメリカで起きた銃乱射事件は600件以上、死者は1万5千人を超え、自殺など銃絡みの死者は4万5千人に近づく。ちなみに2022年、日本で銃撃による死者は4人でしかない。いかにアメリカの状況が狂気に満ち満ちているかがわかるであろう。

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楽話§登山道の整備 [尾瀬]

やって来る登山客が安心して歩けるように登山道の整備は欠かすべからざることである。話は尾瀬の登山道についてで、場所によってコンディションが極端に違っているのだ。

尾瀬の入山者のおよそ6割が利用する、鳩待峠から山ノ鼻のルートを見るならば、全長3km余りの登山道は良好に整備されている。木道の耐用年数は、およそ10年だが、メインルートということもあるのかどうか、順調に交換が行われていると感じる。

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そうして尾瀬ヶ原についても、山ノ鼻から牛首分岐を経て、龍宮小屋が建つ中田代、群馬と福島県境までは、鳩待峠からの日帰り客が多いこともあって木道はよく整備されていて、本当に歩きやすい。

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だが、ガクッと登山客(観光客)が激減する沼尻川の先福島県に入ると、木道の整備は遅々として進んでいない。

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上の写真は今年5月のもので、下田代十字路の山小屋群近くまでようやく木道が交換されてきた。

さらに尾瀬ヶ原から尾瀬沼に向かう段小屋坂の状況はどんどん悪くなって、下の写真がそれだ。

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途中、木道のあるところとないところとまちまちで、ないところの路肩を歩くのは、路肩側が沢筋へと落ちているので不安なものがある。

そして、かつてのメインルートである大清水から三平峠を越えて尾瀬沼へと向かうルートの中には、こんなところもあって、往年の面影などはない。

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一番下に1989年から2015年までの年間入山者数の表を貼っておくが、10%を切って5%に近づいているようでは荒廃していくのも無理はないだろう。

最後に、尾瀬ヶ原から御池に向かう裏燧林道の写真を一枚。

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あちこちの木道などは、なべて写真と似たようなもので、用を為しているとは残念ながら思えない。尾瀬で歩荷をしている人たちがクラウドファンディングでお金を集めて木道整備をと行動したが、行政をはじめとして、もう少し木道整備に目配せをしてほしいと願っておく。

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愉話§一日一句~横丁を吹き過ぎて~ [俳句]

季語は・・・素秋(そしゅう)

顔見世は 素秋の風の 木挽町

【去年の今日】高話§ジュピター~交響曲を一曲選ぶなら~
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街話§神保巷塵[104]山の上ホテル長期休業 [神保町]

[承前]

ちょっとショックなニュースである。神保町のすぐ隣、駿河台の高台に建つ老舗の山の上ホテルが2月13日から長期休業するというのだ。

残念ながら宿泊する機会はなかったが、宮仕え時代は会社から遠くないこともあって、頻繁に利用させてもらった。事と次第によっては経費を使えたので、今はなき別館にあったカジュアルなほうのレストランには、ずいぶんとお世話になった。

あとは、本館“半地下”にあるワインバーのモンカーヴ。ただし、あそこは天井高の関係かどうか、話し声が聞き取りにくいという欠点もあったのだ。

客室フロアを歩いたことはないが、本館1階のレセプションあたりは頻繁に歩いていて、そのシックな落ち着きというものに安心感を抱けたのである。

長期休業の間に大規模改修するとのことだが、外観はもちろん、長年親しまれてきた内装もきちんと残してもらえるものか……そのあたりが気になっているところなのだが。
                               [続く]

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独話§ドイツとラグビー~例えば~ [ラグビー]

気がつけば10月の終わりには南アフリカが優勝してラグビワールドカップ2023フランス大会は終わっていた。前回に続く2連覇である。

そして、フィジー(10位)、サモア(15位)、トンガ(16位)と南の島々が侮れない存在となり、今大会に出場したポルトガルが世界ランキング13位と、日本のすぐ下にいる。日本はティア1と認定されてはいるが、その地位に関してははなはだ危ういものがありそうだ。

ところで、個人的には強くなってくれたらおもしろそうだと考えている国がある。ドイツ(32位)やオランダ(27位)といった身体の大きい国がそれだが、まだまだ本大会出場には届かないレベルにある。

サッカーなどは強豪国であるのに、そもそもラグビーに興味がないのかどうかはわからないが、単純に考えて、本気で強化を始めれば、かなりな強豪になる可能性はあるのではないか。

なぜドイツがそれほどラグビーに対する情熱がないのか。ネットで調べると第二次大戦中にイギリスと戦って負けた結果、ラグビーに乗り遅れたという説を展開している人がいたが、それでは6ネーションズに所属しているイタリアだって同じことだろう。もう少し深い理由がありそうな気はするが。

そういえば、6ネーションズにイタリアではなく、ドイツを加入させようと試みたとか何とか聞いた気がするが、あれは空耳だったのだろうか。それが本当であれば、今頃は相当な強豪国になっていたと思われる。

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愉話§一日一句~親は呆れて~ [俳句]

季語は・・・七五三

ぐずる子を 煽る姉いて 七五三

【去年の今日】闊話§漫画のキャラクターが勝手に動きだす
タグ:俳句 七五三
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告話§ビッグイシュー467号発売中! [ビッグイシュー]

ビッグイシュー467号は11月15日から発売されています。お買い求めできる場所はこちらを参照。毎月1日、15日発売。一部450円。230円が販売員の収入に。奈良美智が表紙。

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表紙&スペシャルインタビュー 奈良美智

リレーインタビュー 安田レイ(シンガー)

特集 ジェンダーの生物学

「自然界には同性愛があふれている」。そう語るのは、坂口菊恵さん(進化心理学者/大学改革支援・学位授与機構研究開発部教授)だ。

同性愛は自らの子孫を残すには不利なのに、同性愛の性的指向が集団に存続するのはなぜか? 説得力のある研究成果が出ない一方で、近年、ヒト以外の生物で同性間の性行動が広く見られることが認識されつつある。“生物の性行動は異性間で生殖を目指して行われるはず”という前提が、崩れつつあるという。

たとえば、霊長類のボノボの同性間の性行動はよく知られているが、アメリカバイソン、イルカ、ペンギン、アホウドリなど、1500以上もの種で同性間の性行動が観察されている。これを生物の一般的な多様性のあらわれとして検討する論文が増えているという。

性行動のあり方は、その生物における社会的な性役割(ジェンダー・ロール)に規定されているのではないかと、考える坂口さんに「ジェンダーの生物学」について聞いた。

[国際記事]
『農薬アトラス2023年版』。急増する世界の農薬消費量

[世界短信]
滝田明日香関連タイトル

[国内記事]
本の世界 小さな図書館

[連載記事]
浜矩子の新ストリート・エコノミクス マイナンバーはナイナンバー

コミック 『マムアンちゃん』 ウィスット・ポンニミット

ホームレス人生相談×枝元なほみの悩みに効く料理
         娘に彼氏ができたようで気になります☆サバ缶パスタ☆

池内了の市民科学メガネ ガムを噛む効用。ストレス緩和と脳活性化

販売者に会いにゆく スウェーデン『ファクトゥム』 ダニエル・ミハイ
                              [その他]

《ビッグイシューのトピックス一覧》
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稼話§朝のルーチン [日常]

起きるのはおおよそ4時半から5時半の間。夜番の同居人が起きるまでの間は、北側の“勉強部屋”でパソコンを前にあれこれする時間である。

買い替えて5年が過ぎたパソコンは、起動時間が遅くて、画面が出て動かせるようになるまで15分くらいはかかってしまう……その時間がもどかしい。

ブラウザーを開けて常駐しているSNSに何か入っているかを一通り見回りして、必要であればメッセージを返したりしておく。

そうこうしている間に、天気予報やネットのニュースを斜め読み……まあ、そんなことをしていると一時間くらいはさっさと過ぎ、4時半頃は真っ暗な世間も、徐々に明るくなって、気がつけば始発バスの時間は、とっくの昔に過ぎていた。

4時過ぎくらいに起きてしまうと、さらに時間があるので、ブログのエントリーの一本くらいはまとめることができるのは効率がよろしい。

こうしてネット巡回が一段落する頃には、ようやく世間が動き出していることに気がつくのである。

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顧話§今日の歴史~助さん格さん~ [歴史]

1690年11月14日、水戸藩の徳川光圀が隠居。

水戸黄門が各地で世直ししたという話が史実でなく、ただの“都市伝説”ですらなかったというのは今さらながらのことである。

どこをどうすれば、そんな話が生まれ出てきたものか……テレビで漫遊記を観ていて、天下の宝刀である印籠を差し出す場面がやって来ると、いきなり平伏することを不思議に思っていた。それほど葵の御紋の威光はさもありなんなのか。そこまで情報が浸透していたのかと考えてしまい「そんな印籠、偽物に違いない!」と決めつけられて、はいそれまでよとなってしまうのではと考えなくもない。

徳川光圀という人は名君の誉れ高く、庶民にも広く知られていたがゆえに、いつの間にかそんな話が生まれて巷間に伝わっていったということだろう。

ただ、光圀時代の1657年に始めた『大日本史』の編纂作業があまりの大事業ゆえ、水戸藩の財政を傾けてしまったというのもまた事実である。

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秋話§吉例顔見世大歌舞伎~仁左衛門の松浦~ [歌舞伎]

歌舞伎座新開場十周年記念吉例顔見世大歌舞伎夜の部に行ってきた。気温が一気に下がった日曜日、歩いている人の服装も冬物へと劇的な変化。そして歌舞伎座正面には顔見世櫓があがっていた。

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仁左衛門の松浦侯で、秀山十種の内『松浦の太鼓』に始まり、梅枝の時姫で『鎌倉三代記~絹川村閑居の場~』を、最後に『顔見世季花姿繪』と銘打たれた踊り3つ……春調娘七種、三社祭、教草吉原雀である。

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まずもって仁左衛門の松浦鎮信が自在。11月は二世中村吉右衛門が逝去して三回忌にあたり、仁左衛門の吉右衛門リスペクトが色濃く、一瞬だけだが、吉右衛門と重なるような松浦侯がいたような気がした。そうして記憶をたどるなら、仁左衛門で松浦侯の舞台を観るのは初めてなのだった。

松緑の大高源吾……長いこと梅玉で観ていた源吾だが、年齢的なこともありで分別臭いものと感じることが多かった。だが、松緑の源吾は落ちぶれ果てた浪人の様子そのもので、歌六が務めた宝井其角との対比も上々である。

吉右衛門リスペクトは、歌六に加えて源吾妹お縫が米吉だったことで、そうでなければ孫の千之助を使っていたかもしれない。そんな吉右衛門に対する思いが表出した1時間15分の舞台だったのだ。

続く『鎌倉三代記~絹川村閑居の場~』を観るのは初めてで、粗筋を頭に入れてはいたが、あまり動きのない舞台ゆえ疲れるばかり。古風な女形の顔立ちの梅枝の時姫、時蔵の三浦之助義村、芝翫の佐々木高綱、東蔵の母長門。

『顔見世季花姿繪』の一つ目『春調娘七種』は曽我の五郎と十郎に静御前が絡むという不思議な舞踊。種之助の五郎が長袴での荒事の踊りは観ていてハラハラした。染五郎(同じく長袴)の十郎は……。左近の静御前は意外な拾い物か。

『三社祭』は巳之助の悪玉が丁寧でよかったが、右近の善玉は“岡村研祐時代という過去の栄光”と見受け、鼻につくのを感じてしまった。

踊りが三つも続くとさすがに飽きるし『鎌倉三代記』の疲れを引きずって、うーんやっぱり、欲張らずに席を立つのが正解だったかもしれない。

終演21時、電車を乗り継いで22時半過ぎの帰宅。

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愉話§一日一句~あと二、三日~ [俳句]

季語は・・・吾亦紅(ワレモコウ)

居り尾瀬は 二泊三日や 吾亦紅

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【去年の今日】週話§日曜有閑~同居人のシルバーパス~
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異話§地始凍~七十二候~立冬 [七十二候]

立冬の次候“地始凍(ちはじめてこおる)”である。

10月下旬になっても夏日の気温を記録していた東京のことゆえ“地始凍”だなどと言われても、何のことやら?でしかない。

最低気温は一けた台を記録するようになったが、最高気温は20度を超えることも珍しくはなく、小春日和の陽気がありがたくもある。

とはいえ、そろそろ心しておかなくてはならないのが結露対策で、我が家では、最低気温が10度を切って5度に近づいてくると、窓ガラスに結露が発生するようになるのだ。

最低気温がそんな予報が出ると、台所の換気扇を最弱で回すことにしていてそうすると、結露を見ることもない。ちなみに去年は11月15日から換気扇を回し始めていた。

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懇話§部下と呑むこと [酒]

宮仕えしていた会社は、社員同士の繋がりが浅めと感じていた。だから、上司から“ノミニュケーション”と称して誘われることはほとんどなかった。

社風というほど大げさなものではないが、個々人を尊重しているというか、仕事が終わってしまえば、それ以上の付き合いをする必要はないというか。

……そうはいっても、ごくごくたまに、部下を誘って軽く呑みに行くことは数えるほどだが、年に一度とかくらいの頻度でやっていた。

そんな場で、個人的に心掛けていたことといえば、こちらから仕事の話はしないということと、長っ尻はしないということだ。

なので、部下のほうから仕事の話題が出れば、それについては話をするが、こちらから酒の席で仕事の話をしないというだけのことである。だから話題は他愛のない世間話のオンパレードというところか。

そして長っ尻しないというのも大事だと考えていた。基本的に2時間、長くても3時間を超えるようなことはしないように……興が乗ってしまえば話は別にしても“もう少し”というあたりのタイミングでお開きにしていたのである。

要するに後腐れのないように、さっと軽くをモットーにしていたのだ。

《酒のトピックス一覧》
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愉話§一日一句~大和しうるわし~ [俳句]

季語は・・・紅葉

荒れ土塀 紅葉盛りの 大和路(みち)

【去年の今日】週話§土曜有閑~11月も半ば~
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週話§日曜枯寂~僧帽筋由来~ [キリスト教]

僧帽筋という、背骨と左右の肩甲骨から逆三角形にある筋肉がある。調べるともなく調べていて、たまたま名前の由来を知ったばかりなので備忘録的に書き記しておく。

僧帽とは、カトリックのカプチン会修道士たちがまとっている僧衣に付いているフードのことで、頭に被らず背中に垂らしておくと、その様が逆三角形でちょうど筋肉の位置と重なることから“僧帽筋”と呼ばれるようになったようだ。

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そして心臓の僧帽弁の由来についても、合わせてこちらに解説があったのでリンクを貼っておくが、知らないことはまだまだ数限りなく存在している。

《健康のトピックス一覧》
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愉話§一日一句~星座くっきりと~ [俳句]

季語は・・・冬の星

チェンバロの 和音ジャランと 冬の星

【去年の今日】会話§歌舞伎の屋号を忘れて思い出すの件
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週話§土曜枯寂~グレゴリオ聖歌は~ [キリスト教]

カトリック教会のミサで歌われるグレゴリオ聖歌の存在を知ったのは、大学に入った頃だった。

ハーモニーのない、たゆたうような単旋律の素朴な聖歌を聴いていると、カトリックの修道士たちが、僧衣に身を包み、僧帽を目深に被って尾瀬ヶ原を歩いているかのような錯覚に襲われることがある。

冬、雪が降る直前の冬ざれた光景の中を、彼らが禁欲的に歩いて行くのだ。

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そして彼らが俯きながら唱えているのがグレゴリオ聖歌であるとは、妄想が過ぎるかもしれない。

そんな妄想を、季節ごとに、勝手にかつ個人的に感じてしまう自分がいる。

《クラシックのトピックス一覧》
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継話§面倒だと感じる自分がいる [私事]

ネット関連の懸案が何件かあるが、腰が重くて上がらない。

1……パソコンの買い替え。今使っているパソコンは2018年に購入して、既に5年が経過した。これまでも5年をめどに買い替えていて、そろそろが近づいてきている。

それは重々わかっているのだが、今一つ踏ん切りがつかないまま年末が迫りつつあるのだ。

買い替える費用も問題だが、買い替えた後の新しいパソコンへの環境設定やデータ移行などなど、そうした作業が面倒でグズグズしている。中途半端にできてしまうものだから、そうした作業を有料のサポに依頼するのもいやなのである。

2……光回線の契約変更。契約している光回線は2007年からのもので、速度が遅いと感じたりしていて、そろそろ見切りをつけようかと考えている。乗り換え先は決めているが、腰が上がらない。

3……ガラケーからスマホへ。今のガラケーが使えるのも、あと2、3年。サポートも終了しているので、渋々スマホに移行しようかと考えているが、これもまた面倒で先に進めないでいる。

携帯電話をすることなどほとんどなく、同居人との連絡用程度で、言ってみれば“保険”みたいなつもりで持っている。iPod touchの類もルーターからWiFiを飛ばしていて、特に不便を感じることはない。

以上の3件が、当面の懸案として俎上に上がっていて、同居人とは「涼しくなってきたら……」と話をしているのだが、さて。

《私事のトピックス一覧》
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創話§交響曲とその“楽章” [クラシック]

交響曲とは、げに不思議な音楽である。

ソナタ形式の第1楽章、そして入れ替わることもあるが、第2楽章は緩徐、第3楽章はメヌエットかスケルツォ、終楽章はロンド形式……これはまあ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンといった古典派音楽の作曲家たちの約束事で、ロマン派になると徐々に崩れていって、5楽章構成の交響曲も珍しくはない。

さて、作曲家は4つの楽章をどのようなイメージで作曲し、一つの交響曲としてまとめていくのだろう。

もっとも単純なのは、一つのモチーフ――メロディーとかリズムとか――を各楽章に共通して用いることで、これはベートーヴェンの交響曲第5番を聴けば、第1楽章冒頭の“ダダダダーン!”が全楽章を通して使われている。

ベートーヴェンは“運命の動機”をこれでもかとばかり執拗に使い続けて、いやでも我々の脳髄に刻み込まれてしまう……恐るべき手管ではないか。

そしてロマン派の作曲家の交響曲はといえば、古典派の形式は影を潜めてしまうわけで、どのような手法で楽章を作曲し一つの交響曲にまとめていくのだろう。

ブラームスは4つの交響曲を作ったが、そのどれもメヌエットやスケルツォの三拍子舞曲の楽章を置かなかった。そして、ただ漠然と聴いているだけの我々には、ブラームスがどのような発想で交響曲を形作っていったものか、想像することはできないのである。

《オーケストラのトピックス一覧》

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愉話§一日一句~冬へ~ [俳句]

季語は・・・立冬

立冬の 入口にある 大欅(ケヤキ)

【去年の今日】麵話§ラーメン屋死屍累々~安易な出店?~
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旨話§並んでまで食べたい・・・・・・? [B級グルメ]

マツタケのシーズンが始まった頃、道の駅に開店前から数十人が並んでいたというニュースを見ていて、そうして並んでまで食べたいものがあるものかと考えたが、どうもそんな食べ物などないことに思い至った。

食い意地が張っているわけでも、何か食べ物に異常なほど執着するわけでもない。普通に食事ができれば、それ以上に何やら不満を感じることなどもない。

もちろん行列に並ぶことがないわけではなく、昼食で“今日はこれ”と決めて、行った店で何人か待ちということはあるが、テレビで話題になったから“それじゃあ食べに行ってみよう!”と、2時間も並ぶようなことなど考えもしないことである。

もちろん、うまいものが食べられれば、それに越したことはないが、それを突き詰めるつもりもないし、だかからまあ、そこそこでもまったく不自由を感じはしないのだ。

テレビのニュースショーが、これでもかとグルメの類を垂れ流す日々だが、そこに映る行列の長さを眼にして、何事もなかったかのようにチャンネルを変えてしまう……そんな日常である。

《B級グルメのトピックス一覧》
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