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秋話§吉例顔見世大歌舞伎~仁左衛門の松浦~ [歌舞伎]

歌舞伎座新開場十周年記念吉例顔見世大歌舞伎夜の部に行ってきた。気温が一気に下がった日曜日、歩いている人の服装も冬物へと劇的な変化。そして歌舞伎座正面には顔見世櫓があがっていた。

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仁左衛門の松浦侯で、秀山十種の内『松浦の太鼓』に始まり、梅枝の時姫で『鎌倉三代記~絹川村閑居の場~』を、最後に『顔見世季花姿繪』と銘打たれた踊り3つ……春調娘七種、三社祭、教草吉原雀である。

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まずもって仁左衛門の松浦鎮信が自在。11月は二世中村吉右衛門が逝去して三回忌にあたり、仁左衛門の吉右衛門リスペクトが色濃く、一瞬だけだが、吉右衛門と重なるような松浦侯がいたような気がした。そうして記憶をたどるなら、仁左衛門で松浦侯の舞台を観るのは初めてなのだった。

松緑の大高源吾……長いこと梅玉で観ていた源吾だが、年齢的なこともありで分別臭いものと感じることが多かった。だが、松緑の源吾は落ちぶれ果てた浪人の様子そのもので、歌六が務めた宝井其角との対比も上々である。

吉右衛門リスペクトは、歌六に加えて源吾妹お縫が米吉だったことで、そうでなければ孫の千之助を使っていたかもしれない。そんな吉右衛門に対する思いが表出した1時間15分の舞台だったのだ。

続く『鎌倉三代記~絹川村閑居の場~』を観るのは初めてで、粗筋を頭に入れてはいたが、あまり動きのない舞台ゆえ疲れるばかり。古風な女形の顔立ちの梅枝の時姫、時蔵の三浦之助義村、芝翫の佐々木高綱、東蔵の母長門。

『顔見世季花姿繪』の一つ目『春調娘七種』は曽我の五郎と十郎に静御前が絡むという不思議な舞踊。種之助の五郎が長袴での荒事の踊りは観ていてハラハラした。染五郎(同じく長袴)の十郎は……。左近の静御前は意外な拾い物か。

『三社祭』は巳之助の悪玉が丁寧でよかったが、右近の善玉は“岡村研祐時代という過去の栄光”と見受け、鼻につくのを感じてしまった。

踊りが三つも続くとさすがに飽きるし『鎌倉三代記』の疲れを引きずって、うーんやっぱり、欲張らずに席を立つのが正解だったかもしれない。

終演21時、電車を乗り継いで22時半過ぎの帰宅。

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