愉話§オペラの引っ越し公演 [オペラ]
欧米の歌劇場による来日引越し公演に行かなくなって久しい。最後は確か、2013年のミラノ・スカラ座で『ファルスタッフ』だった。
1980年のカール・ベームとウィーン国立歌劇場来日公演に始まった鑑賞歴はほぼ30年で終わりを告げたのである。以来、国内で観るオペラは、演奏会形式の東京・春・音楽祭とか、びわ湖ホールに遠征してみたりと、散発的でしかなく、辛うじて年に一回程度を確保しているに過ぎない。
2013年とは、定年退職まであと2年という時期にあたっていて、先々がどうあったらいいかを考え始めた頃でもある……オペラ引っ越し公演のチケット代は順調に上がっていって、数万円もする最高席は論外にしても、最安席ですら2万円になんなんという状況を考えたのだ。
さすがにそこまでの経済的余裕などあろうはずもなく、さほどの未練も残すこともなく、あっさりオペラの引越し公演には行かないと決めたのである。
でまあ、国内では細々と、そして海外旅行の折にはスケジュールが合ってくれればチケットを予約して、気軽にひょいと出かける程度になった。
昨今のオペラ来日公演はというと、かつては4演目を持ってきて、滞在1か月以上で東京に加えて大阪でも上演されていたのが、今や2演目で10公演に満たないという、これもまた時勢ということなのだろうか。
《オペラのトピックス一覧》
1980年のカール・ベームとウィーン国立歌劇場来日公演に始まった鑑賞歴はほぼ30年で終わりを告げたのである。以来、国内で観るオペラは、演奏会形式の東京・春・音楽祭とか、びわ湖ホールに遠征してみたりと、散発的でしかなく、辛うじて年に一回程度を確保しているに過ぎない。
2013年とは、定年退職まであと2年という時期にあたっていて、先々がどうあったらいいかを考え始めた頃でもある……オペラ引っ越し公演のチケット代は順調に上がっていって、数万円もする最高席は論外にしても、最安席ですら2万円になんなんという状況を考えたのだ。
さすがにそこまでの経済的余裕などあろうはずもなく、さほどの未練も残すこともなく、あっさりオペラの引越し公演には行かないと決めたのである。
でまあ、国内では細々と、そして海外旅行の折にはスケジュールが合ってくれればチケットを予約して、気軽にひょいと出かける程度になった。
昨今のオペラ来日公演はというと、かつては4演目を持ってきて、滞在1か月以上で東京に加えて大阪でも上演されていたのが、今や2演目で10公演に満たないという、これもまた時勢ということなのだろうか。
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飢話§食べ物をシェアする [ドイツ]
日本の食事は“シェア”することが日常的に行われていて、誰もそのことを不自然とか考えない、時には「直箸御免」とかいって、皿に盛られた料理を自分の箸でつつきあってということも辞さない。
ドイツやオーストリアを旅行していて、シェアする習慣がないことは、各自が注文した料理を他人に分けるとかはせず、ひたすら自分の前の皿を抱えて食べていることでわかってはいた。
それでも日本人としては、何人かで食事に行った時に、思わずお互いの料理をシェアして食べたくなるのは人情である。というわけで、以前ミュンヘンのビアホールで現地の日本人の知り合いと食事をした時に、シェアしたいと皿を所望したら、やって来たのは小皿ではなくメイン料理と同じ大きさの皿が出てきた……取り皿の概念が存在していないのだ。
ドイツやオーストリアで食事をすると、メニューが10年一日であることがよくわかる。周りにフランスやイタリアといったグルメな国があるのに、それをなかなか自覚せずにあり続けたと思われる。
旅行者の眼から見る限りだが、そんな中、少しずつ異なる料理が入り込みつつあるように感じていて、その一つがスペインの小皿料理タパスではないかと思われるのだけれど、考えてみるなら、ドイツ人の大好きな夏の休暇先がスペインのマヨルカ島で、そこでうまいタパスを食べているはずなのに、学習していないと感じるのは、正しい状況を見ていないからだろうか。
《ドイツのトピックス一覧》
ドイツやオーストリアを旅行していて、シェアする習慣がないことは、各自が注文した料理を他人に分けるとかはせず、ひたすら自分の前の皿を抱えて食べていることでわかってはいた。
それでも日本人としては、何人かで食事に行った時に、思わずお互いの料理をシェアして食べたくなるのは人情である。というわけで、以前ミュンヘンのビアホールで現地の日本人の知り合いと食事をした時に、シェアしたいと皿を所望したら、やって来たのは小皿ではなくメイン料理と同じ大きさの皿が出てきた……取り皿の概念が存在していないのだ。
ドイツやオーストリアで食事をすると、メニューが10年一日であることがよくわかる。周りにフランスやイタリアといったグルメな国があるのに、それをなかなか自覚せずにあり続けたと思われる。
旅行者の眼から見る限りだが、そんな中、少しずつ異なる料理が入り込みつつあるように感じていて、その一つがスペインの小皿料理タパスではないかと思われるのだけれど、考えてみるなら、ドイツ人の大好きな夏の休暇先がスペインのマヨルカ島で、そこでうまいタパスを食べているはずなのに、学習していないと感じるのは、正しい状況を見ていないからだろうか。
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