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吟話§一日一句~どこかに置いたまま~ [俳句]

季語は・・・春宵

春宵に 老眼鏡の 行方かな

【去年の今日】週話§日曜諸相~四月も終わりに~
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呟話§一言つぶやき~伸びる爪~ [つぶやき]

当たり前すぎる生命の摂理として、年は取っても爪が伸びるのは言わず……

……もがななのだが、ちょっと伸びてきたかなというあたりで呑気に放置していると、それに気づいた同居人から「伸びておるぞ」と声がかかって、個人的にはまだまだであろうと考える頃合いではあれども、我が家の風紀係の基準は厳格につき、おずおずと爪切りを取り出して、パッチンパッチンするのである。

《つぶやきのトピックス一覧》
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乾話§冷たい手~ミミではない~ [老化]

ミミではない……プッチーニが作曲したオペラ『ラ・ボエーム』に登場する薄幸のヒロインで、彼女に向かって一目惚れした詩人が歌うアリアが『冷たい手』である。

などという話とはまったく関係ない、単なる年寄りの愚痴で、この2、3年というもの、冬の朝の寒さに勝てずで、朝方は指の出ている手袋をはめているが、それでも冷たいままなのだ。

手の甲から腕にかけて見やれば、かつては浮いていた静脈の姿はなく、血液循環も弱くなりつつあるのかどうか、とにかく手が温まることなどはない。

手についてだが、もう一つある。その昔、五十代になる前後くらいまでは、手の指も十分にしっとりしていた。スーパーマーケットで、ちょっと水気のある食品を入れるポリ袋を、何の雑作もなくサっと開けたのが、気がつけば指先から湿気が失せて開けなくなってしまった。

指は舐めたくはなかったので、しかたなく指先に息を吹きかけて何とかしたのだが、その時に“脂ぎった中年親父”なんているものかいなと思ったのである。

人間五十年……その中身はどんどん干上がり、一夜干しと化していくのだ。

《老化のトピックス一覧》
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