過話§桜始開~七十二候~春分 [七十二候]
春分の次候“桜始開(さくらはじめてひらく)”である。
実家があった町には、小高い丘を利用して造られた公園があった。桜の季節になると花見客が押しかけて、けっこうな盛況を呈していた。
保育園に行っていた頃は、家族で花見に出かけたこともある。重箱にあれやこれや詰めて……子どもにしてみれば、桜よりは重箱の中身が大切なのだ。
それでまあ、いそいそと出かけるのだが、子どもに花の情緒などわかるはずもなく、食べるものを食べてしまえば、そのあたりを遊んで回るだけでしかない。
記憶をたどってみれば、十代でも二十代でも桜を“見た”という思いはないままで、三十代を過ぎて、ようやく風情のいくばくかを感じるようになったような気がする。
そんな思いは齢七十に手が届きそうな今、いよいよ深くなっているようで、今が盛りの桜、散り始めの桜、そして花吹雪と、それぞれに様々な感慨を抱いていることに気がつく。
《七十二候のトピックス一覧》
実家があった町には、小高い丘を利用して造られた公園があった。桜の季節になると花見客が押しかけて、けっこうな盛況を呈していた。
保育園に行っていた頃は、家族で花見に出かけたこともある。重箱にあれやこれや詰めて……子どもにしてみれば、桜よりは重箱の中身が大切なのだ。
それでまあ、いそいそと出かけるのだが、子どもに花の情緒などわかるはずもなく、食べるものを食べてしまえば、そのあたりを遊んで回るだけでしかない。
記憶をたどってみれば、十代でも二十代でも桜を“見た”という思いはないままで、三十代を過ぎて、ようやく風情のいくばくかを感じるようになったような気がする。
そんな思いは齢七十に手が届きそうな今、いよいよ深くなっているようで、今が盛りの桜、散り始めの桜、そして花吹雪と、それぞれに様々な感慨を抱いていることに気がつく。
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週話§土曜有閑~コーヒーの挽き加減~ [コーヒー]
我が家では、コーヒーを1杯飲むのが一日の始まりである。夫はブラック、同居人はカフェ・オ・レをそれぞれ。
買ってくる豆は、いつも同じものを深煎りしてもらい、それを手回しのコーヒーミルで挽いてやるのだが、淹れるたびに味が違って一定しない。今は、一番細かい粉末状にしたものをペーパードリップで落とすのだが、それでも日々違う。
最初、ペーパードリップで落としていた時は、中くらいの粗さで挽いていたのだが、それだと味が出てくれなかったのだ。それで細かい粉末状にして淹れているので、まあまあ少しは苦みとかは出てくれるようにはなった。
それでいっそ、コーヒーメーカーを買おうかと考えたりもしたが、一日1杯のためにスペースを割くのはいかがなものかで、実現までは至っていない。
まあ、味が一定しないだけのことで、毎日毎日たぽたぽと淹れることは手間でも何でもなく、一日の始めという区切りは大切にしたいと思うのである。
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買ってくる豆は、いつも同じものを深煎りしてもらい、それを手回しのコーヒーミルで挽いてやるのだが、淹れるたびに味が違って一定しない。今は、一番細かい粉末状にしたものをペーパードリップで落とすのだが、それでも日々違う。
最初、ペーパードリップで落としていた時は、中くらいの粗さで挽いていたのだが、それだと味が出てくれなかったのだ。それで細かい粉末状にして淹れているので、まあまあ少しは苦みとかは出てくれるようにはなった。
それでいっそ、コーヒーメーカーを買おうかと考えたりもしたが、一日1杯のためにスペースを割くのはいかがなものかで、実現までは至っていない。
まあ、味が一定しないだけのことで、毎日毎日たぽたぽと淹れることは手間でも何でもなく、一日の始めという区切りは大切にしたいと思うのである。
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