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過話§桜始開~七十二候~春分 [七十二候]

春分の次候“桜始開(さくらはじめてひらく)”である。

実家があった町には、小高い丘を利用して造られた公園があった。桜の季節になると花見客が押しかけて、けっこうな盛況を呈していた。

保育園に行っていた頃は、家族で花見に出かけたこともある。重箱にあれやこれや詰めて……子どもにしてみれば、桜よりは重箱の中身が大切なのだ。

それでまあ、いそいそと出かけるのだが、子どもに花の情緒などわかるはずもなく、食べるものを食べてしまえば、そのあたりを遊んで回るだけでしかない。

記憶をたどってみれば、十代でも二十代でも桜を“見た”という思いはないままで、三十代を過ぎて、ようやく風情のいくばくかを感じるようになったような気がする。

そんな思いは齢七十に手が届きそうな今、いよいよ深くなっているようで、今が盛りの桜、散り始めの桜、そして花吹雪と、それぞれに様々な感慨を抱いていることに気がつく。

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