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節話§一日一句~黒い大地より~ [俳句]

季語は・・・春大根

土塊(つちくれ)より 春大根の 艶めかし

【去年の今日】週話§日曜恬淡~雪が少ない尾瀬~
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時話§霞始靆~七十二候~雨水 [七十二候]

雨水の次候“霞始靆(かすみはじめてたなびく)”である。

世間の水分量が増えてきたようで、空の青さが薄まってきたように感じる。

真冬にははっきり見えていた高度数千mを西に飛んで行く機影も、少しだがぼやけてきたようだ。

地上から飛行機が飛んで行く様子を見上げるだけのことだが、自分自身の中では、様々なあれこれを想像する時間でもある。

春が進んでいって、機影はぼやけるけれど見えなくなるわけではない。だがそろそろ見上げるのがもどかしくなってきてしまう。やはり、きりっとした青空にくっきりとした機影が見える季節のほうが好ましい。

というわけで、植物の芽吹きも始まり、来週は弥生三月なのだ。

《七十二候のトピックス一覧》
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伝話§歌舞伎の通し狂言上演 [歌舞伎]

子へ、そして孫へと生身の人間に芸の“インストール”を営々と繰り返して成り立っているのが歌舞伎である。歌舞伎役者の中には膨大なデータが蓄積されているのだということをいつも思い知らされるのだ。

一月歌舞伎第二部、仮名手本忠臣蔵“祇園一力茶屋の場”で主役の大星由良之助を務めていた中村吉右衛門が体調不良で休演を余儀なくされた。翌日から代役を任されたのは中村梅玉。プロンプターに頼ったりしたこともあったかもしれないが、大過なく舞台を務めたと思われる。

そんな急場をしのぐのも、彼らにとっては常に想定しておくべきことで、主な演目と役どころの在り様は把握しているのが当然のことなのだ。

そんな歌舞伎の中にあって、仮名手本忠臣蔵、義経千本桜、菅原伝授手習鑑といった通し狂言は、歌舞伎役者であれば身につけておくのが当たり前で、役を指名されたら応も否もなく務めなくてはならない。

ところが、コロナ禍以前から歌舞伎座での通し上演の頻度が少ないと感じている。上演時間の問題もあったりして、通しを舞台に出すのは、なかなかに大変なことだと思うが、こうした演目があることで、歌舞伎に太い柱が厳然と存在しているように感じる。

一年12か月、通常であれば昼夜2公演を毎月25日間続けているわけで、そんな中に、なかなか通し狂言が上演されず、見取り狂言が多いというのは、何となくだが不満が残ってしまう。

コロナ禍の状況では難しいことだが、収束した暁には、芸の継承はもちろん歌舞伎の力を示すためにも、年に2回くらいは通し狂言を出してほしいものである。

《歌舞伎のトピックス一覧》
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