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直話§居り尾瀬の日々[5]鳩待峠へ“急登” [尾瀬]

[承前]

↓名残りの燧ヶ岳
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山ノ鼻に到着したのは8時過ぎ。何と!……1時間30分ほどで歩き通してしまった。意外なことである。しかも、そこそこ立ち止まってはシャッターを切っていたのにである。

↓リュウキンカが元気だった
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と、まあここまでは落ち延びた。そしていよいよ自分自身の課題である、鳩待峠まで戻る大プロジェクトが、否応もなく眼の前にやってきたのだ。

四の五の言ってもしかたがない。山ノ鼻の公衆トイレで用を足し、小休止をして歩き始めた……無理はしない、無理はしない。

↓至仏山荘前。右に行くと尾瀬ヶ原、左が至仏山
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そのために、龍宮小屋6時半発にしたのだから、自分の足と話し合いをしながら、歩を進めていく。山ノ鼻から20分ちょっと、テンマ沢湿原のあたりで歩荷隊に出会った。それぞれがそれぞれのペースで山小屋へと生鮮食料品などを届けていく。この時期だと、始まって間もないので数十kg程度だが、見た目、もっとかついでいるように見える。

↓水芭蕉と歩荷のWさん。冬は杜氏をしたり、熊鈴を作ったり
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そしてテンマ沢湿原から数分したところで、まーくんとすれ違ったので、声を掛けて少し話ができた。

↓気をつけて行ってらっしゃい!
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積極的にSNSから発信して、木道修理のクラウドファンディングを立ち上げたりもしていたので、ささやかに協力もしたが、彼ら歩荷の動きはダイナミックでさり気ない。

↓出会った日の彼らのYouTube


いよいよ坂はきつくなっていくが、休みを入れて克服していく。そんな励みと言えなくない存在が現れた。山ノ鼻から45分でベンチ⑥を通過した。これが①まで、およそ1200m続いて、ワタシ的にはありがたいポイントであるが同時に坂のきつさも増していくのだ。

↓登り坂はここから始まる
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そんなベンチ⑥から40分のベンチ②を通過しようとした時だった。ここまでくればもう鼻歌だからと思いかけたところに、老夫婦がよたよたと石組階段を歩いて降り来り、いきなり話しかけてきた。

↓ここで引き返した人を見たのは初めてでした
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老夫婦「水芭蕉が見えるところまでどれくらい下るんですかのう?」

……さすがに“こんなところで?”という質問ゆえ、少しうろたえつつ……

老登山者「まあ、40分くらいは下り多めで歩きますかねえ」

老夫婦「ちゅうことは、戻るにはこの坂を登り返さなあかんのですか?」

↓そうです、登るのです
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老登山者「ええまあ、そういうことです」

その瞬間「お父さん、あかん! 水芭蕉、見れんでもかまわんから戻ろ!! 
戻る前にそのベンチで一休みや!」

↓そうはいってもラスト40分ほどはきついっす
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残り270mの登り坂を克服して鳩待峠に着いたのは……18分後のことだった。山ノ鼻から1時間40分は標準コースタイム+10分で収まってくれたのだ。

バスで戸倉まで戻り、11時前には車を走らせて、自宅に戻り着いたのは14時ちょうどのことである。

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