SSブログ

駄話§ファーフナーという巨人は・・・・・・ [ワーグナー]

ワーグナーが作曲した『ニーベルングの指環』の『ラインの黄金』と『ジークフリート』に登場する巨人ファーフナーというキャラクターが存在する。

『ラインの黄金』の時は、兄弟であるファゾルトと仲違いした揚句、彼を殺し、指環と、思ったものに変身できる隠れ兜、そして膨大な黄金を手に入れたのだった。

そして『ジークフリート』では、隠れ兜を使って巨大な蛇に変身し、黄金を隠した洞窟に引き籠ってしまった。しかもファーフナーは、世界を我が物にできるという指環を所有しているというのに“何もしなかった”のだ。

↓バイロイト音楽祭クプファー演出の巨人兄弟。3m以上あった
thumb_17724_gallery_medium.jpeg

1991年にバイロイト音楽祭で観たハリー・クプファー演出の指環では“大男総身に知恵が回りかね”とでも言いたいかのように、頭の小さい巨人を舞台に登場させた。

そうしてファーフナーは、指環の力も使わず、あり余る黄金も死蔵したまま最後はジークフリートに殺されて一巻の終わり……奸計、陰謀渦巻く指環の世界に、ただ一人“得ただけ”で満足してしまった存在がファーフナーなのである。

まあ、ファーフナーを殺して指環を手に入れたジークフリートも、指環を有効活用することなく、ハーゲンに背中を刺されて死ぬ。結局のところ『ニーベルングの指環』の中で、世界を支配できた者など誰一人としておらず、指環はラインの少女たちの手に戻ることになったのだ。

《オペラのトピックス一覧》
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。