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嗜話§クラシックの大好物~管弦楽曲編~ [クラシック]

[承前]

管弦楽曲となると途端に範囲が広くなる。バロック期から20世紀までなので音楽のバリエーションが豊富になってくれるのだ。というわけで数曲ほど。

バッハ:ブランデンブルク協奏曲
ベートーヴェン:序曲『レオノーレ』3番
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
リヒャルト・シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』
ストラヴィンスキー:春の祭典

バッハからストラヴィンスキーという選曲になった。この中で一番の大好物といえばもちろん春の祭典である。初めて実演を聴いたのは1976年頃、N響定期のことで、それ以前から特に深い理由などもなく、複雑怪奇な音楽に惹かれ続けてきた。半世紀ほど前には日本のプロオーケストラにとっても難曲だったのだが、初演から百年を過ぎた今や、アマチュアのオーケストラでも演奏できちゃうくらいにまでなっている。

そんな春の祭典と同じくらい大好物なのが牧神の午後への前奏曲で、まさに好対照の音楽ではないか。朦朧として蕩けそうな音楽に、交響曲とはまったく違う世界を感じ取った。

そして、尾瀬を歩いている時、自然に頭の中で冒頭のフルート独奏が聴こえてきたのだ。尾瀬ヶ原の夏の午後は、まさに牧神の午後のそれでしかなく、拠水林越しの風景を見ながら自分自身が牧神になったような錯覚に陥ってしまうのである。

そうしてリヒャルト・シュトラウスの交響詩だが、冒頭の弦楽器の上昇走句があまりにも颯爽としていて聴き惚れてしまう。そこまではいいのだが、リヒャルトという人は気まぐれなのかどうか、どの交響詩を聴いても中間部が印象に残らず、それこそ『ツァラトゥストラかく語りき』の冒頭がそうであるように、その後の音楽は何も覚えていないのだ。                        
                               [続く]

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