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蕪話§ベートーヴェンの第九交響曲 [クラシック]

ベートーヴェンの交響曲第9番を初めて聴いたのはいつのことだったか。

第4楽章の、誰でも知っている主題のメロディーは小学生の時には聴いていたと思うが、全曲を聴いたのは中学生になってからだったのは間違いない。

最初に聴こうと試みたのは、ラジオで放送されていたクラシックの深夜番組で、それじゃあ一度聴いてみようと、布団の中でイヤホンを耳に聴き始めたが、いつまで経ってもあのメロディーが流れてこず、しびれを切らしたのと眠かったのとで、あっさり寝てしまった。

その後、テレビで放送された時に録音して聴くようになり、第4楽章にたどり着くまで40分はかかると判明したが、聴き出せば3楽章までもおもしろく聴けるようになっていたのだ。

……という長い前置きから本編に入るが、ベートーヴェンは自分自身最後となった交響曲を、かくも奇怪なものにしたのだろうかと思う。長大な1楽章からして、それまでの8つの交響曲からは想像もできないグロテスクな作品になっている。

そして何とも俗的な発想に基づいて第4楽章が設定されたのは、いかなる目論見があってのことなのだろうか。第1楽章から3楽章までを全否定して、歓喜の歌に勝利をもたらす。さらに言えば、途中に行進曲らしきものが登場したり、その先には壮大なフーガが待ち構えている……若い柔軟な時の頭で聴いていたから何とも感じなかったが、今初めて聴いたら、訳がわからない終楽章に頭を抱えたのではないだろうか。

音楽のディテールはともかく、最初から最後まで音の流れが頭の中に詰め込まれている交響曲の一つではある。

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