別話§終活のおはなし~所有物~ [終活]
[承前]
生活するためのあれやこれやに始まって、膨大な“物”が我が家に存在している。他人から見れば何の役にも立たないあれやこれやもあるが、そんな中に、自分の趣味の領域で後生大事に集めた、ささやかなアンチック的コレクションもあったりする。
それらを買った時、自分の所有物になったという意識を抱いていたのだが、お迎えが近づきつつある今、気がついたこととして、確かに金を出して買いはしたけれど、未来永劫“自分のもの”ということはあり得ず、実は“一時預かり”のようだということなのだ。
そうして、そうした物は誰かに引き継いでもらえれば、それが理想だと思っている。
上は17世紀の銅版画家マテウス・メリアンが作成したミュンヘンの都市図で、目下数点を額装して飾っている。それらを極楽浄土に持って行くことなど叶うはずもないから、次の預かり先を考えなくてはならない。
結局、最後の最後は自分のものというものなど何一つ存在せず、無となって我が身も何処かへと消え去っていくのである。まだ、もう少し時間は残っているとは思うけれど。
[続く]
《老化のトピックス一覧》
生活するためのあれやこれやに始まって、膨大な“物”が我が家に存在している。他人から見れば何の役にも立たないあれやこれやもあるが、そんな中に、自分の趣味の領域で後生大事に集めた、ささやかなアンチック的コレクションもあったりする。
それらを買った時、自分の所有物になったという意識を抱いていたのだが、お迎えが近づきつつある今、気がついたこととして、確かに金を出して買いはしたけれど、未来永劫“自分のもの”ということはあり得ず、実は“一時預かり”のようだということなのだ。
そうして、そうした物は誰かに引き継いでもらえれば、それが理想だと思っている。
上は17世紀の銅版画家マテウス・メリアンが作成したミュンヘンの都市図で、目下数点を額装して飾っている。それらを極楽浄土に持って行くことなど叶うはずもないから、次の預かり先を考えなくてはならない。
結局、最後の最後は自分のものというものなど何一つ存在せず、無となって我が身も何処かへと消え去っていくのである。まだ、もう少し時間は残っているとは思うけれど。
[続く]
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