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納話§二月大歌舞伎~仁左衛門一世一代~ [歌舞伎]

2月25日、歌舞伎座は二月大歌舞伎の千秋楽。松嶋屋片岡仁左衛門一世一代の碇知盛『義経千本桜』“渡海屋・大物浦”を観てきた。

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一世一代の千秋楽ということで、花道から仁左衛門の銀平が登場した時の拍手の熱のこもりように最初から感じ入る。

渡海屋の冒頭、弁慶が寝ている安徳帝をまたごうとして足がしびれるという場面はカット。相模五郎、入江丹蔵と銀平女房お柳のやり取りから始まり、役者のアンサンブルも上々で、千秋楽を取ってよかった。

仁左衛門は知盛に姿を変えてから、さらに思い入れたっぷりの舞台を見せ、大物浦後半、壮絶な入水までのたっぷりとした演技に固唾を呑まずにはいられず。

幕が引かれても、客席からの拍手はやむことなく、ひとしきりしたところで歌舞伎には稀有なカーテンコールとなった。大道具がすべて取り払われて、空の舞台中央に仁左衛門一人が正座して深々と礼……ひょっとしたらという予感はあったが、まさかのカーテンコールだった。

仁左衛門の息子孝太郎がブログでカーテンコールの経緯について書いていた
ので、以下にコピペ引用しておく。

「父は、ポリシーでカーテンコールはしないと今月は常々言っていました。

今日の出来事どんな心境の変化か聞く事が出来ました。

本人曰く拍手が鳴り止む気配が無く『お客様あっての役者だから』との事でした。

父は一旦思うと貫くタイプなのですがその気持ちをも動かす皆様の喝采に改めて感謝しました本日、千穐楽でした」

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第二部は渡海屋・大物浦の前に『春調娘』が踊られたが、心ここにあらず。

この日は、引き続き第三部も観劇。紅葉が背景という季節外れの『鬼次拍子舞』から、メインは菊之助の『鼠小僧次郎吉』だが、これがなかなか不思議な芝居。

例によって“因果は巡る”なストーリーで、ちょっと筋の流れを掴みかねてしまったところがなきにしもあらず。秀逸だったのは、菊之助の息子である丑之助演じる蜆売り三吉で、長い台詞をきちんと“らしく”務めていたが、祖父の吉右衛門が観たら、さぞや喜んだことだろう。

終演は21時10分と思わぬ遅い時間となった。歌舞伎座地下駐車場を出たのは21時30分。およそ一時間で帰宅。久々の夜ふかしとなってしまった。

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