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泡話§ワタシ的バブルの時代 [オペラ]

日本のバブル経済が大崩壊したのは1989年から1990年のことだった。

三十代半ばの働き盛りだったが、世間がバブルに浮かれているほどバブルの恩恵を受けた記憶はない。

何かして遊びまくるとか、シャンパンを空けまくるとか……そんなことなどなく、月曜から金曜の5日間というもの、午前様か朝帰りという日常を過ごしていたのだ。バブルを享受する時間などあるはずもなかった。

バブルの恩恵とは逆に、むしろとばっちりだったのは、深夜帰宅で使うタクシーの配車に時間がかかったことで、バブル以前には頼めばすぐやって来たのに、真っ盛りの時期には30分待ちということも珍しくなく、こちとら働いての帰宅なのにと、なかなか来ないタクシーを恨みがましく待ったのだ。

というわけで、株価がどうとかなど完全に無関心だったので、世間が囃し立てるほどバブルという状況を実感したこともない。

これはバブルの恩恵かなと後になって思ったのは、オペラハウスの引っ越し公演がとっかえひっかえやって来て、そのことごとくが満員御礼だったことではなかったか。

1987年頃からそれは顕著になって、まずベルリン・ドイツ・オペラのワーグナー『ニーベルングの指環』四部作一挙上演に始まり、バイエルン国立歌劇場、メトロポリタン・オペラ、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場と、1990年までの4年間で7つのオペラハウスが日本にやって来た。

それに加えて、アレーナ・ディ・ヴェローナの野外オペラのようなものが、代々木の屋内体育館やら東京ドームで上演された……さすがに、そこまでは観に行くことはなかったが、上に挙げた公演のほとんどに出かけて、楽しんだことがワタシ的バブルの恩恵だったのかもしれない。

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