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碇話§菊之助の義経千本桜[Aプロ] [歌舞伎]

2年前、国立劇場小劇場で公演を行う予定がコロナ感染拡大で中止になり、今年やっと大劇場での上演に漕ぎつけた、菊之助『義経千本桜』三本立て。まず、Aプロの『伏見稲荷鳥居前』から『渡海屋』と『大物浦』まで。

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35分の休憩を挟んで3時間半近くはさすがに長い。だが、舞台は充実していた。

“若手”の舞台を観ていて思うことは、芝居の内容が素直に入ってくるところと言えばいいだろうか。吉右衛門や仁左衛門が同じ役を務めると、様々な思い入れや肉付けが施されて、その精妙さに驚かされるのだが、菊之助のような発展途上の役者は、務める役を正面から向き合って、丁寧に演じてくれるので、濃密さには欠けるが、ある意味“わかりやすい”舞台になるのだ。

今回の菊之助の渡海屋銀平(平知盛)が、まさにそれだったが、父である菊五郎のあっさりした芸風を引き継いでいるのかもしれない。ゆえに、もう少し濃密さがあればという場面もあったりはしたが、それは先々の課題だろう。

よかったのは、梅枝の銀平女房お柳(典侍の局)。面長の古風な顔立ちが舞台映えして、先々が楽しみである。

鳥居前の静御前は米吉。彦三郎の弁慶、錦之助の義経、橘太郎の相模五郎。菊之助の息子丑之助が安徳帝を務めていた。

終演は15時半前。降りしきる雨の中を最寄の地下鉄駅までが長かった。

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