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麵話§かけラーメンを注文せしこと [ラーメン]

20世紀の終わりまで、神保町で新潟ラーメン“おもだかや”という店が繁盛していた。一時は遠くないところに2軒が営業していたが、それぞれに客がけっこう入っていて、よく利用させてもらっていた。

この店はラーメンだけでなく、夜は居酒屋に姿を変えて人気があったのだ。新潟の地酒に加えて、新潟の酒肴が揃っていた。お気に入りは栃尾の油揚げで、横腹を裂いたところに刻み葱を大量に入れて電子レンジで熱くしたのにラーメンのタレをかけて出でくるのだが、これがすこぶるうまい。これだけで酒が三合はいける。

新潟地酒も、久保田、八海山、越乃景虎、〆張鶴、他が勢揃いして、三合呑んでも1000円ちょっと、栃尾油揚げと締めのラーメンでちょうど2000円という“財布に優しい”店だったのだ。

そのラーメンだが、ちょっと顔なじみになったところで、ふとと思い立ち、店主に「チャーシュー、メンマ抜きの刻み葱多め」とわがままを言ってみたら「ようがす!」と作ってくれた。もちろん普通のラーメンの値段である。まさに“かけラーメン”そのもの。

酒呑んで、つまみを食べた胃袋には、ラーメンのトッピングは不要で、これは自分にとって、うまいことしっくりきてくれた。

そんなおもだかやだったが、なぜか理由はわからねど、21世紀に入るか入らないかというあたりで、2軒とも閉店してしまったのは、惜しんでも余りある痛恨事だったのだ。

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