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瀬話§覗き猪口なるもの [私事]

商家の何代目かの主人をやっている高校の後輩が、先々代が商いをしようと集めた陶器が蔵から大量に出てきたので、それをうまいこと売ってやろうと考えて、ホームページを立ち上げていた。

ページを眺めていたら、ちょっとそそられる焼き物を見つけた……小ぶりの“覗き猪口”と呼ばれている、酒猪口よりは少し大きく、蕎麦猪口よりは、かなり小さい。

KEN03410.JPG

写真のような形で、興味を持ったのは表に書かれている漢詩らしきもので、早速取り寄せて、届いた猪口の漢詩を見回す。判読できるところがあって、その詩文を検索に掛けてみると、いとも簡単に出処が判明した。何というかかくも簡単に出てくるとは、グーグル検索恐るべしである。

つまり、11世紀中国北宋の政治家、詩人、書家、画家蘇東坡(蘇軾)が作った『後赤壁賦』で書かれていたのは以下のとおりで途中まで。詩文の切れとか関係なく、一行6字で適当に書いたと思われ、いわば“飾り”なのだろう。

KEN03419.JPG

是歳十月之望歩自雪堂。将帰于臨皐。二客従予過黄泥之坂。霜露既降木葉尽脱。人影在地。仰見明月顧而楽之行歌相答。已而嘆曰有客無酒有酒無肴。月白風清。如此良夜何。客曰今者薄暮挙網得魚。巨口細鱗 状……

南陽生書

KEN03421.JPG

最後の“南陽生書”というのも不明だし、裏印の“大日本土宗製”も検索してみたがわからなかった。だがまあ、詩文がどういうものなのかわかったし色々と調べる時間が楽しかったので、代金の元は十分に取ることができた。

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