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告話§昔、居酒屋タクシーなるものが [ビール]

“居酒屋タクシー”ありけり。

午前様&朝帰りするのにタクシーを利用していたから、1998年以前の話だ。ある夜のこと、仕事を終えたら、タクシー帰宅が認められる23時を過ぎていた。

通りに出てタクシーを停めたら個人タクシー。走り出したところで運転手が「お客さん、お酒は呑みますか?」と話しかけてきたので「そりゃあ好きですよ」と応えたら、ちょいと車を停めて後部トランクから缶ビールを出してきて「どうぞ」ときた。

合わせて小袋に入ったあられもつまみにと差し出され、自宅までの40分ほどを快適にビールぐびぐびしたのである。個人タクシーの車は、法人に比べてハイヤー並みのいい車を使っている。

現金で精算したところで「ご用の時はこちらまでお電話ください」と電話番号が書かれた名刺をもらった。

その後、数回ほど利用させてもらったという記憶で、そのたびに缶ビールを1本と小袋のあられを手に帰宅したが、我が家までの料金が1万円を超える“上客”だったがゆえのサービスではなかったかと想像している。

それから10年ほど経った2008年に国会で居酒屋タクシー問題が発覚し、野党から追及された時はびっくりした。霞が関の中央官庁に勤務する国家公務員職員が、役所からもらっているタクシーチケットで深夜乗車するにあたり、缶ビールだけでなく運転手から金券を受け取ったり、はなはだしきはキックバックの現金を要求していたのだ。

件の職員は懲戒処分を受け、同時に居酒屋タクシーも消滅と相成った。その様子を見て、知らぬ間に自分も“供応”を受けていたのかと、複雑な気持ちになったのである。

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