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奔話§林家三平(先代)を聞いたこと [落語]

昨年末、当代三平が『笑点』大喜利のメンバーから“卒業”した……させられたと言っていいかもしれない。実際に見ていたが、おもしろくはなく、時間の問題だと思っていたので、驚くことではなかった。新しくレギュラーになったのは、桂宮治である。

そんな三平を見ながら、54歳で亡くなった父である先代三平のことを考えていた。一度だけ、彼の“高座”に接したことがある。もう55年くらい前の、新宿末廣亭の正月二之席だった。

新年ということもあって客席はぎっしり満員。もらった“番組表”の中に三平の名前はなかったのに、突然に高座に上がったのだ。

10分ほどではなかったかと思うのだが、客席を笑いの渦に巻き込んで去っていった。あれだけ客席をかき回してボルテージを上げてしまった後に登場する出演者は、さぞやりにくかったことだろうとは、今思えばのことである。

古典らしい古典を演じることもなく、いわば漫談的な舞台しか務めないまま喋り散らかしていった先代をマスコミも持て囃し過ぎてしまった。おそらく先代に比べれば、正蔵と三平の兄弟はまじめで行儀がいいと感じる。だが、特に父親の名前を継いでしまった当代は、先代と同じような芸を期待するあまり、本人の資質とは関係なく“三平”という名前が独り歩きしているような気がしてならない。

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