楽話§東京文化会館讃~色褪せぬ~ [クラシック]
既に今年は上野の東京文化会館を3度訪れている。大ホール2回、小ホールが1回である。
1961年4月に柿落としをして開館。我が身が初めて、文化会館の大ホールに入ったのは1973年11月で、小ホールは翌年春のことだった。十代の終わりの身に、前川國男設計の作品をあれこれ感じ取るようなことはできず、魅力的な姿のホールだと気づくまでには、ずいぶん長い時間がかかってしまった。
モダニズムを標榜する設計家前川國男の手になる建物はコンクリート打ちっ放しの外壁に内装もまた同様だが、大ホールも小ホールも壁の装飾には木材を使って、コンクリートの冷たさを軽減させている。
大ホールも見事だが、特筆すべきは小ホールで、ほぼ正方形の頂点に舞台、残るスペースに客席が配置され、初めて入った時は巨大な洞窟に入ったかのような気分になったが、背後の木組格子がコンクリートの質感を和らげてくれていることに気がついた。
↓東京文化会館のホームページより
そして、大ホールと小ホールと、どちらもホワイエの空間が広く休憩時間をゆったり過ごすことができる。これに関しては、例えば新国立劇場だとか、NHKホールはまったく能がない。
古い建物の空間のほうが過ごしやすく、新しい建物が何だかなと思うのは、珍しいことではないが、東京文化会館の居心地のよさは特筆すべきである。
そんな東京文化会館唯一の残念なところは、バリアフリー未対応ということで、大ホールの2階以上へは階段を上がっていくしかない。そして小ホールは、緩いスロープでホワイエに行けるが、トイレは地下にあって階段を下りるしかないのである。
《クラシックのトピックス一覧》
1961年4月に柿落としをして開館。我が身が初めて、文化会館の大ホールに入ったのは1973年11月で、小ホールは翌年春のことだった。十代の終わりの身に、前川國男設計の作品をあれこれ感じ取るようなことはできず、魅力的な姿のホールだと気づくまでには、ずいぶん長い時間がかかってしまった。
モダニズムを標榜する設計家前川國男の手になる建物はコンクリート打ちっ放しの外壁に内装もまた同様だが、大ホールも小ホールも壁の装飾には木材を使って、コンクリートの冷たさを軽減させている。
大ホールも見事だが、特筆すべきは小ホールで、ほぼ正方形の頂点に舞台、残るスペースに客席が配置され、初めて入った時は巨大な洞窟に入ったかのような気分になったが、背後の木組格子がコンクリートの質感を和らげてくれていることに気がついた。
↓東京文化会館のホームページより
そして、大ホールと小ホールと、どちらもホワイエの空間が広く休憩時間をゆったり過ごすことができる。これに関しては、例えば新国立劇場だとか、NHKホールはまったく能がない。
古い建物の空間のほうが過ごしやすく、新しい建物が何だかなと思うのは、珍しいことではないが、東京文化会館の居心地のよさは特筆すべきである。
そんな東京文化会館唯一の残念なところは、バリアフリー未対応ということで、大ホールの2階以上へは階段を上がっていくしかない。そして小ホールは、緩いスロープでホワイエに行けるが、トイレは地下にあって階段を下りるしかないのである。
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