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行話§虹始見~七十二候~清明 [七十二候]

清明の末候“虹始見(にじはじめてあらわるる)”である。

大学に入学したのがちょうど50年前、半世紀が経ってしまったとは。そんな今頃はオリエンテーションも終わって、本格的に講義が始まったあたりだ。

引っかかった学科が教育学という、後から考えれば自分にとっては縁遠く、それをもって何をしようなどという将来の展望などまるでなかった。それにしても、いったい何を考えていたのだろうかと、半世紀前の自分に問いかけてみても、明確な答えなどなかったのは間違いない。

考えてみれば、高校に入ったのは単にそこ以外の選択肢がなかったわけで、先々をどう形作っていくべきかという展望など見事なまでに皆無だった。

今思っても、何とまあ行き当たりばったりな人生を送ってきたことかと……何か特別な才能でもあるのだったら、そうしたチャレンジもあっただろうがせいぜい人並みの頭しか持ち合わせておらず、にもかかわらず何とか食い繋いで来れたのは僥倖であるとしか思えないのであると、来し方を思うのだ。

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