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節話§二月大歌舞伎~松緑の和尚吉三~ [歌舞伎]

我が家あたりは前日降った雪が残っていたが、都心に出れば跡形もなく融けていて、快晴の中を二月大歌舞伎へ。

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[第一部]『三人吉三巴白浪』が序幕~二幕~大詰と上演された。初春大歌舞伎の入りが悪くて心配された客の入りだが、祝日ということもあってかまずまずで安心した……油断はできないが。

まず松緑の和尚吉三がいい。三人吉三の中心として気迫充実、十分に存在感を示してくれた。愛之助のお坊、七之助のお嬢とのアンサンブルも上々で、なかなかに充実した舞台を堪能できた。

予想していたよりも硬派で、リアルなところも見える完成度の高い舞台である。

そして相変わらず黙阿弥の因果が重なって重なってという構造を思い出しつつの鑑賞である。黙阿弥は、一人ほくそえみながら台本を書いていたことであろう。

[第二部]『女車引』と『船弁慶』と、二本とも踊りというのは組み立てとしていかがなものかと。しかも25分休憩を挟んで上演時間は2時間足らずだ。

『女車引』を観るのは初めて、観る前は『車引』を女衆が演じるものだとばかり思っていたら『車引』の趣向を、松王丸の妻・千代、梅王丸の妻・春、桜丸の妻・八重の三人が踊るものだった。物足りないというか、いささか拍子抜けな踊りで退屈。

休憩後、五世中村富十郎の十三回忌追善狂言として『船弁慶』が、富十郎の息子鷹之資による静御前と平知盛の霊である。

……が、さすがに荷が勝ちすぎたか、前シテの静御前が小さくまとまり過ぎ舞台空間を埋めきれず、観る側の緊張感が途切れてしまうことに。後シテの平知盛の霊では存在感が増して揚幕へと消えていったが、まだまだ道遠し。

芝居がはねれば16時半前。快晴の銀座中央通りを横切って、丸ノ内線銀座駅までちょっとした散歩。新宿で買い物をして帰宅した。

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