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週話§日曜有閑~日向を歩いていた頃~ [日常]

まだまだ“傍若無人”だった三十代前半、陽があたる側の歩道を何も考えずに歩こうとしたら、同居人から「いい加減にせい!」とイエローカードが飛んできた。

そこで、ようやく事に気がつく鈍感さとやらで、日向を歩くことは避けるべきことだと学んだ。

そうして四十路、五十路、六十路と、特段に考えずとも、我が足は自然と日陰に向かうようになったのである。

それにつけても海外旅行中、何かと気詰まりな室内を避けて、開放的な戸外で食事をする機会が多い。その時も、太陽光線を避けて、日陰のテーブルを選ぶし、パラソルがあればパラソルの下に逃げ込む。

そうして観察しているなら、あちらの人たちの多くは、直射日光があたる席であっても、おかまいなく座って平然としていることに気づく。それはもうおそらく有史以来、北ヨーロッパの人たちの日光渇望の表れではないかと、しみじみ思ったのである。

夏の間にせっせと日を浴びて“ビタミンD”を蓄えて、灰色の冬に備えるのだろうと想像するが、そのことが常に頭のどこかに存在していて、本能的に日向へ日向へと向かわせるのだろう。

殊更に太陽を浴びずとも、ほぼ一年中、太陽を浴びることができる我々には窺い知れないことである。

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