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愉話§呑藝春秋[85]酒呑みの自己弁護 [酒]

[承前]

宮仕え時代に通っていた居酒屋の壁に写真のような御教訓が貼ってあった。

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よくもまあ、居直りまくったものである。書きぶりは殊勝だが、謙虚さの微塵も感じられないではないか。

この貼り紙を見た頃には、既に週に一日は酒を抜いていて、それから程なく週三日――今は月水金――のお休肝日を励行しているので、謙虚とはそんなことを指して言うものである。

だが、一日として酒を抜かなかった頃だったら、同じようなことほざいたに違いない。まさに呑み助の見事な屁理屈ということだ……世の中には高カロリーの食べ物を0カロリーだと喝破する人たちもいて、例えば超特急の中で食べれば、時速にカロリーが追いつけずゼロになるという無茶苦茶なもの。

写真の御教訓も、どこかそれと似たような強引さが感じられる。昔だったら共感したかもしれないが、今だったら「何をたわけたことを」と笑い飛ばしているところだ。

そんな呑み助も齢七十近くとなり、そんな屁理屈を開陳せずとも、ほどほどの酒で幸せを感じる……リーズナブルな年齢にたどり着いていたのである。
                               [続く]

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