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卓話§蝙蝠の安さん~国立劇場~ [歌舞伎]

クリスマスイヴの19時開演『蝙蝠の安さん』を観てきた。国立劇場で歌舞伎を観るのは、年に一回あるかないか。平日の夜にもかかわらず客席は満員。歌舞伎座とは客層がずいぶん違って若い女性度が高かったと感じた。今年はチャップリン生誕130年でもある。

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というわけで、チャップリンの『街の灯』を木村錦花が脚色。松本幸四郎が企画を温めること28年。日本チャップリン協会の大野裕之が脚本考証をし、大和田文雄の演出による国立劇場での上演が実現した。

チャップリンの原作設定を、丁寧に歌舞伎の世界へと移し替えての舞台は、やや人情味の部分が薄いかと感じた。安さんと、眼病を患っている花売り娘お花とのやり取りの輪郭がぼやけていたように感じたのだ。

それゆえ、幕が開いてしばらくは舞台の様子を掴みかねていた。芝居が動き出したのは、猿弥の上総屋新兵衛が登場してからで、ここは喜劇味たっぷりで客席も笑いが湧いていた……猿弥という役者は、口跡も動きもいいうえに丸々っとした体形の存在感も抜群で楽しませてくれる。

ただし、喜劇の舞台が際立ったことで、本題である花売り娘の場面との乖離が起きてしまったようだ。花売り娘お花は新悟、母おさきが吉弥、大家勘兵衛を友右衛門という配役。

↓これはうれしいクリスマスプレゼント
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↓構想28年、稽古は7日……幸四郎談
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↓壁にはチャップリン生誕130年のデザインが
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終演後は“クリスマストークショー”という、20分ほどの鼎談が行われた。しかも客席からの撮影OKという大サービス。この日と25日のみのイベントで、蝙蝠の安さんの幸四郎、演出の大和田文雄、脚本考証をした日本チャップリン協会の大野裕之が登場して、手際よくまとめられたいくつかの裏話を聞くことができた。

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